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第七十九話 「休息も、大切です」

ど、どうにかこうにか、書けましたので投稿です。

最近、中々話が浮かばないのと、仕事がハードなせいで執筆が思うように進まない…投稿です。

第六階層を攻略した翌日から、本格的に攻略に俺も参戦し始め、ラークが攻略したと言っていた階層の一階層下の第十四階層までを四日間という早さで攻略した俺達は、残り二日を休息に当てる事にしていた。もちろん、それはフェイにティア、そしてレオンの疲労を考慮しての休みにしたのだ。


そして俺が決めた二日間の休息日、その最終日は週に一日ある、学院も休みになる休日に俺は女子寮前で昨日の内に約束を取り付けていたある人を待っていた。


「少し早かったか…」


女子寮の前の門に寄りかかるようにして辺りを見ていただけると、後ろの方で扉が開く音がして振り向くと、女子寮の玄関から俺の門の方へと歩いて来る、俺が昨日約束をしたティアの姿だった。

出て来たティアの今の服装は制服ではない私服で、動きやすさを重視したのか、ホットパンツに明るい色に短い袖の服を身に着け、首元にはティアの髪と同じ赤い石のペンダント

を身に着けていた。


(…似合っているな)


そのスマートな服にペンダントにはティアにぴったり合っていた。何となく俺のイメージだが、ティアは何処となく猫のようだと感じていて、華美な装飾を身に着けずそのままの良さを出しているティアは、綺麗だった。もちろん、そんな事はおくびにも出さない。今日はあくまでティアに対する以前した約束とご褒美の為だ。とそんな事を考えていると、ティアは俺のすぐ傍に来ていた。


「ごめん。待たせちゃったかな?」


「いいや、大丈夫だ。精々二、三分待ったくらいだ」


「もう…そこは待ってないぞって言うところでしょ?」


「悪い」


素直に返した俺に対してティアは不機嫌そうな表情をしたが、それは何処となく悪戯っぽい笑みを浮かべていて、俺も頭を掻きつつ思わず笑みを浮かべた。



「それで、外に出る格好をしてきたけど、今日は昨日話してくれた通り、デートって事でいいかな?」


「ああ。昨日伝えた通り今日はティア、お前との約束と、迷宮攻略を頑張ってくれたご褒美を渡そうと思ってな」


傍から見ればデートに他ならないだろう。故に俺も特に否定する事はしなかった。

もちろん、今日の事は約束を取り付ける際に大雑把に説明はしていた。


「それじゃあ、早速、行きましょ。実は昨日から楽しみだったんだから」


「あ、ああ」


腕に抱き着いてきたティアは、本当に楽しみだったのかそのまま歩き出し、俺はそんなティアに引っ張られるようにして今日の目的地である街へと繰り出した。


忘れがちだが、ヴァルプルギス魔法学院はアーカードという街でアーカードはちょうど地方と王都などの都市部と中間地点にあり、交通の要所として栄える街だ。

そんな街の北側一帯にあるのがヴァルプルギス魔法学院で、それ以外の場所は住宅街もあるが交通の要所である為、何より広いのは商業区画だった。

商業区は幾つかの区画に分けられており、今日俺達が向かったのは商業区画と言われるショッピングや食事処が多くデートに向いている場所だった。


「やっぱり、この区画は手を繋いでいる人が多いな…」


商業区画は、いわばデートスポットとして定番の場所だった。もちろん恋人と過ごすだけではなく、品ぞろえも良いので友人と、または一人で買い物を来るのにも適していた。

周りを見るだけでも見覚えのある顔がちらほらと一人で、友人と買い物している姿が見受けられた。


「へぇ~、私はあんまりここに来たことなかったけど。賑わってるわね」


「ああ。流石はヴァルプルギス魔法学院を擁する要衝都市アーカードという訳だな」


ティアは手を繋いでいる恋人たちより辺りを物珍しそうに周りを見ている事と先ほどの発言から、商業区画にあまり来ていないという事が伺えた。まあ、かくいう俺も全くではないがさほど商業区画に来たことはないのでそこまで詳しい訳では無かったのだが、そこは事前に詳しい人物であるリリィに情報を聞いていた。


「さて、それで。この後どうするの?」


「そうだな‥‥ティア。なにか何処かに行きたい所とかはないか?」


「そうね‥‥出来れば服屋に行きたいかな。私、あんまり私服を持ってないから。あ、出来れば高すぎない所とかが理想なんだけど…」


「ああ、それならここから五分の所に手ごろな値段で服を売っている店があるぞ。言ってみるか?」


「そうね。それじゃそこに行きましょうか。シルバー、案内をよろしくね?」


そう言うと、出発の時と同じく俺の腕にティアは手を絡めてきて、俺はその状態のまま目的の服屋へと向かい始めた。

もちろん向かう間もただ向かうだけではなく、学院に入学してからや好きな物や苦手なものを話しながら歩いていると目的の服屋へと到着した。

この店に関しての情報もリリィから教えられたもので、学院の女子の間でもかなり人気の店だと言っていた。そして、中に入って見ると、確かに品ぞろえも多く何より多数の女子たちが居る事から確かな人気が伺える繁盛ぶりで、俺は思わず圧倒された。


「凄いな…」


「わあ、シルバーの言った通り、たくさんあるのに、どれもお手頃な価格だぁ」


しかし、圧倒された俺とは違い、ティアは店に入ると直ぐに手近な場所にあった白いサマードレスに見た服を手に取っていた。


「シルバー。どう、似合いそうかな?」


「ああ、似合おうと思うぞ。赤い髪が白い服で更に映えそうだ」


「え、あ、そ、そう? …えへへ」


服を体に合わせた状態で何処か恥ずかしそうな、それでいて嬉しそうな照れた表情を浮かべた後すぐに背を向けてしまったので表情に関してはあまり良く分からなかったが、不機嫌ではなく嬉しそうだという事は何となく分かった。


(よ、良かった…)


しかしその影では、俺は深い安堵の息を吐いていた。何せ、前世ではあまり服に対して頓着が無く、リリィに散々文句を言われ、さほどセンスにも自身が無かったので、ティアの気分を悪くするような事にならなかった事に対して、本当に安堵していたのだった。そうして、俺にとっては苦手な服の買い物を終え、俺達は店の外へと出た。あの後、俺が誉めたサマードレス以外にも幾つかの服や靴などを買い、その代金はもちろん、俺が支払った。ティアは申し訳ないけどと言って払おうとしたが、そこは今日の趣旨であるこご褒美の1つという事でごり押しをさせてもらった。そして、他にも店を周るだろうから邪魔になる荷物は、配送が出来るとのことだったので配送依頼もしておいたので、俺たちは揃って身軽なまま店を出た。


「ふう、もうこんな時間になるのか」


「あ、本当。全然気が付かなかった」


店から出て空を見上げると想像以上に中にいたのか、太陽が中天に差し掛かろうとしている、その事に俺とティアは揃って驚いていた。そして、時間を確認すると思い出したかのように空腹であると体が訴えてきた。


「ティア。何かこれが食べたい物はあるか?」


「私は特にないから、シルバーのおすすめのお店でいいよ」


「そうだな…」


俺も普段外に出ないのでさほど店を知らなかったのだが、幸い近くに【クラシオン】がある事を思い出した。あの店は色々なメニューがあり、ティアも満足できるのではと提案することにした。


「それじゃあ、俺が割とよく行ってる店でもいいか?」


「へえ、シルバー知っているお店か。それも悪くないわね…うん。じゃあそうしましょ」


こうして、俺はティアと一緒に最近客足が増え繁盛している店、【クラシオン】へと向かう事になり、そして向かう間に色々な事を話している内に、話はティアとレオンが育った孤児院に関しての話になった。


「へえ、ティアとレオンは同じ孤児院出身なのか」


「うん。だから卒業したら騎士団に入団できるこの学院に入学したんだ。まあフェイが居るのは私もレオンも驚いたけどね。ま、それで私とフェイ、レオンは再会したんだ。それとフェイの家はその孤児院にお金を出してくれる貴族の一人っ子なんだ。そんで、何回も来る内に仲良くなって遊ぶようになったんだ」


「そうなのか」


と、俺が知りもしなかったフェイの話が幾つも出て来た。フェイが貴族の一人っ子である事、ティア、レオンとは小さい頃から一緒に遊んでいて兄妹のようにして育ったという事を。


「お、着いたぞ。ここだ」


「へえ、結構しっかりした作りだね、それに、う~ん。いい匂いがする」


そんな事を話しながら、目的地である【クラシオン】へと辿り着いた。


今回は、シルバーとティアに光を当てる話になります。

次話はこの話の続きとなる予定です。

どうにか、次は二週間以内で投稿出来ればと思っています。

最後にですが、今回のお話を少しでも楽しんでもらえますと幸いです。それでは次話を楽しみにしていただけると幸いです。それでは、また次話で。

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