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第三十八話 「モブ時々吸血鬼」

モブは‥‥消毒だ‥‥

吸血鬼‥…いたらいいのに‥‥後は‥…文章力‥…


店の方へと戻ると、つい先ほど見た覚えのあるクルアトが二人の護衛と思しき人と一緒に待っていた。


「おい貴様ら、昨日は良くも恥をかかせてくれたな!」


こちらを見つけるとそう言って来たが、如何にもモブだった。それに昨日のはこっちには真っ当の理由で正当防衛だというのに何を言っているんだと呆れた感じで俺とイシュラは見ながらも、それでも名門だが由緒あるやらなんたら言っているクルアトの隣で何一ついうことなく立っている二人の護衛の方に俺は興味を引かれた。


見た感じと体の大きさ護衛と思しき二人の年齢は二十代前半程と思われる。クルアトの右後ろにいるは見た感じ屈強な体躯の男で体は引き締まり、筋肉も分厚く手も大きい。そして背負っているのはかなり大きめの両手斧だった。常人であれば持ち上げる事すら困難だろう。

髪の色と眼の色は砂色で、恐らく冒険者で護衛などの仕事を請け負ってきた経験者だろう。身に纏っている雰囲気も明らかに新人と違った。


そしてもう一人は全身を全て覆っており体格などは一切分からなかったが唯一見えてている眼は青色の眼でしかし何色も移さないのが印象的だった。だがそれと同時に俺はもう一人の男とは明らかに違う違和感を感じたが‥‥


「おい、聞いているのか!」


クルアトのおかげで感じて違和感が霧散してしまった。


「ああ、聞いているよ。うるさいな」


悪態をつきながらもクルアトに視線を向けるとそれは視線が逸れていた事にクルアトは気が付いたようだが一呼吸して自分を落ち着かせたのか話しかけてきた。


「ふん、貴様、侯爵の嫡子である私に対してよくもそのような口を聞けるものだな。私はその以前よりその女を私の妻にしようとしているのだぞ?」


そう言うと一転して余裕の表情を浮かべてきた。しかしそれについては俺はある噂話を聞いてある程度は予想していたが…


(ああ、やっぱりその噂は本当だったんだな…まあそれがどうしたって事になるが)


俺はそう思いながらもクルアトを見るとクルアトはどうだとばかりにこちらを見下していた。‥‥むかついた。


「ふん、少しは俺の話を聞くつもりになったようだな?」


「ああ、聞くつもりは全くないが、お前の間違えを先に訂正させてもらおうと思ってな?」


むかついたので俺は意趣返しのつもりで含みを持たせて言い返した。


「何?」


俺がそう言うとクルアトは逆に怪訝そうな表情を浮かべていたが俺は構うことなく後ろにいたイシュラを隣に来させるとその左手をクルアトに見える様に上げて見せる。


「悪いが、こいつはもう俺の女なんだよ」


「な、その女が付けているそれはっ」


クルアトは狼狽し、食い入るかのようにイシュラの左手の薬指に付けられ、光を受けて輝く指輪を見てきた。そこに俺は追い打ちをかける。


「ああ、この世界でも婚約は指輪を渡すのが風習らしいからな。それで今回はある噂を耳にしてな。それでイシュラに指輪を渡すタイミングを少し早めたんだ。だから、お前がイシュラを嫁にするなんてことは絶対に不可能だ」


さて、どうする?とばかりに今度は俺が上から目線でクルアトを見返した。

一方のクルアトはいきなり目の前で嫁にすると言った少女がもはや不可能だという事に怒りにプルプルと体を震わせていた。


「ふざけるなよ‥‥いきなり現れて、俺の花嫁をかすめ取るなって‥‥」


「いや、いきなり現れたのはお前の方だ。かすめ取ってないしそもそも付き合いは俺の方が圧倒的に長いしな。それに」


上から目線で嫁にしてやるとかほざくな、屑が。俺がそう言うとクルアトは少しの間沈黙した。


「‥‥‥ははっ‥‥そうか、なら最初からそうすればよかったんだ‥‥」


何やら先ほど以上に少々面倒くさい雰囲気を醸し出したクルアトに俺は思わずため息を吐きたくなった。何より面倒くさいのは一方的に言う事を聞かせる為に取り込もうとした女が目の前で奪われた事に怒る事さえ間違えだと言うのに。


「殺せ」


クルアトが短くそう言うと同時に後ろにいた二人の内一人が俺の視界から姿を消した。

いや気配は消えてはない。そして俺はあの全身を覆った人物は暗殺者だと気が付いた。恐らくイシュラの腕の話を聞き、確実に手に入れようとしたクルアトの父親である侯爵が邪魔をする存在を排除する為に雇った暗殺者だろうとは見た当初から予想はしていた。それもそこそこ腕の立つ暗殺者だと。一方の冒険者と思しき男は何も行動を起こす事無く傍観に徹していた。


(あの違和感の正体は暗殺者のか。にしても気になるのは…)


如何に気配を消しても風に干渉する事が出来る俺に対しては無意味な行為で、今もどのようにして俺を殺そうとしているのかが手に取る様に分かっていた。そして一瞬にして背後に回り込んでいたという事にも、そして今俺の喉元に突き立てられようとしていた短剣の存在にも。


「やれやれ」


暗殺者の短剣は今もなお進行形で俺の心臓を刺し貫こうとしていた。そして何もしなければ数秒後には心臓を捉えるだろう。だがわざわざ刺させるつもりは、俺には全くなかった。

まず手始めに風を操作して短剣の刀身に圧縮した風を直撃させる。それによって刀身は誰もいない空間へと逸れてた。それに対して驚きの表情を浮かべる暗殺者。まさか防がれるとは、そもそもどうやって防がれたのかすら分かっていないだろう。


「気配を殺す術は凄いが、それだけだ。今の俺に対しては力不足だな」


俺はそう言うと風を鉄並みの硬度にまで圧縮、そして刃抜きされた剣をイメージ、そして作り出された見えない風の剣を暗殺者の首の後ろ目掛けて容赦なく、一撃で意識を刈り取れるように振り下ろした。


「ガハッ!」


首の後ろを不意打ちに強い衝撃を受けた性別の分からない暗殺者はその場に昏倒した。そして暗殺者が体が地面へと倒れるのと少し遅れて弾き飛ばされた短剣が床へと墜ちる音がした。それは時間にして凡そ五秒以内の出来事だった。


「さて、これで俺は正当防衛をしただけだ。‥‥‥これでいいだろ?」


「ああ、十分だ」


「え…?」


俺がそう言って声を掛けたのはクルアトを護衛の仕事を請け負っただろう冒険者に向けてだった。そしてその冒険者はクルアトを背後から地面に組み伏せていた。


「ぐっ、貴様、一体何をしているのか分かっているのか!私は侯爵家の嫡子で次期当主だぞ!」


「ああ、知っているよ。だから捕まえたのさ。裏で色々な事をしているお前を、な」


「な、何を言っているんだ?」


「今更白を通せると言わせないぞ?既にお前の家の方にも調査の手が入っているだろうからな。下手に嘘を付けば自分で首を絞めるぞ?まあ、それはどうでもいいか。取りあえず、落ちろ」


「うああああああ!」


そう言うと冒険者の男は暴れだしたクルアトの首のある場所を抑えるとその数秒後、暴れていたクルアトは意識を失ったのか大人しくなった。そして冒険者の男は腰のポーチから手早くロープを取り出すとクルアトの手を後ろに回して手早く拘束した。


「ふう、さて次は」


男がポーチから次に取り出したのは真っ黒な革製の首輪だった。そして男はクルアトの首に着けた。するとクルアトの首に魔法陣に使われる魔法文字が浮かび上がると同時にその首輪は消えた。

その一部始終を見ながらやる事を終えた冒険者の、いや、国王直属の部隊「王の剣(アルシヴィ)」所属の人へと声を掛けた。


「お疲れ様です。どうですか?」


「貴方がシルバー様ですね。先程は大変助かりました。私は国王陛下直属の近衛の一人、セルヴィイです。しかし、驚きました。まさかディリスト侯爵が雇った裏で名の通った黑影(シャドー)をこうも容易く倒されるとは」


「いや、弱かったですし、それに多分、彼女は俺と同い年程ですよ。ほら」


そう言って俺が視線で誘導するちょうど先ほど倒した全身を覆い隠した人物から靄に似た闇が晴れていく最中だった。そして黒い靄が晴れていくとそこに倒れていたのは金色の髪をサイドテールにした一人の少女の姿だった。


「人間?」


「いえ、恐らくですけど、彼女、吸血種の吸血鬼ですよ」


吸血鬼(ヴァンパイア)!」


俺の言葉に驚いたようにセルヴィイさんは改めて少女を見た。そして驚いているのはイシュラもだった。


「でも、確か吸血種は自分の国から出て来ることは無いんじゃないの?」


「ああ、そうだな。普通ならね」


そう、イシュラの言う通りで、本来吸血鬼はこの国より北に国を作っており、そこから出てくると云う事はまずない。そもそも吸血鬼は貴族社会であり、また寿命も長い故に他種族を見下している者も多い。中には普通に接してくる者もいるし、ただの家畜としか見ていない者と様々だ。

そして、吸血種の特徴というか象徴するものがある。それは相手から血を吸う行為、吸血だ。そして吸血鬼はそれ故に嫌われている種族でもある。


「どういう事?」


「彼女は普通じゃないって事さ。多分だけど、彼女は人間と吸血種の両方の血を持つハーフなんじゃないかな?」


「う、うう~ん‥‥‥」


そしてタイミングよく彼女が微かに口を開け、そこから見えた八重歯に当たる部分は鋭かった。

この世界の吸血種は主に血液から栄養を摂取する。別に肉や魚、野菜を全く食べないという訳では無く、寧ろ普通に食べる。寧ろあくまで吸血行為はご飯で言うところのつまみ食いに近い。

だがそのつまみ食いである吸血行為で起きる事柄がある。それが「吸血鬼化」。血を吸った相手を自分と同じ種族にしてしまう、一種の病気のようなものだ。死ぬまで治らないが‥‥


「それにしても、どうして吸血鬼のハーフがこの国にいるの」


「ああ、それは恐らく吸血鬼からの排斥から身を守るためだろう」


「排斥?」


「ああ。吸血鬼はこの国以上の貴族社会でな、この国や他の国でも多くはハーフを認めているが、吸血鬼たちは違う。他の種族の血が入ったハーフを雑種として認めないのさ。」


今までの六年間俺は何もしなかった訳ではない。六年の間にこの世界の知識、技術、種族に関する大まかな、自分の出来る限りの情報を集めてきた。そのお陰で吸血鬼たちの行いなども知ることが出来ていた。


「‥‥‥貴方って、あった時からそうだけど、常識はずれね。それに一体どうやって国王直属の部隊の人と知り合いになるのよ…」


「‥‥その自覚はある‥‥それと知り合いに関してはまた後で教えるよ。教えないと面倒ごとになりそうだし‥‥」


訝しげに見て来るイシュラに俺はそう言うのと件の、金髪少女に視線を移すと、微かに瞼が動いていた。



「それより、件のハーフが起きたようだぞ?」


俺がイシュラたちに教えるのとほぼ同時に少女は眼を開けた。そして俺は眼を開けた彼女に思いついたことを尋ねて見る事にした。


「なあ、家でメイドをやってみないか?」

一応、書けたので‥…投稿。新しい種族…吸血鬼

モブの扱いはどうしようかと思っていた所に手っ取り早く捕まえてもらいました。

次はまあ、どうしようか悩んでおります‥‥またスランプ気味。どうにかちょくちょく思いついたので書いて行きたいと思います。付線?の様なのも次で明かせたら明かすかもです・・・

次も‥‥二週間ほどで投稿できればと思います。


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