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第三十六話 「鍛冶娘」

う~ん、やっぱり‥…文才が欲しい‥‥です。

一応戦闘シーンあります(下手ですが)

エルたちと一緒に夜を過ごした(エロい事はしてないぞ、一緒に同じベットで寝ただけ。)翌日、俺はシュトルの町を訪れていた。町はあの出来事以降も通っており、今では家の用事と、あの時報酬として冒険者となったので時折依頼を受けていたのだ。しかし今日この町を訪れたのは別の用事、六年前に知り合い、それ以降も付き合いがある少女が経営する鍛冶屋だった。そして今俺はその鍛冶の店へと向かっているのだが、六年前に比べて更に人も物も増えていた。


「それにしても六年も経つと町は変わるもんだな」


そう言いながら俺は目的の鍛冶の店【ヘーパイストス】へと向かいながら町を観察(みて)そう思った。何せちょくちょく用事などで来ていたが今日は明らかに人通りが多かった。特に見た感じでは冒険者風の人たちが多かった。

そこで思い出したのは【ヘーパイストス】の存在が知れ出してこの町に訪れるのは武器商や、品質のいい装備を買い求める冒険者が増えていると前回ギルドに用があって寄った際にギルマスのゲンドゥさんがそんな話をホクホク顔で言っていたのを俺は思い出した。まあ町が繁栄するとこちらとしても収入が増えるので悪い事は無く寧ろいい事だった。だが如何せん人が多いと面倒ごとも起こりやすいという事だ。


「人が増えるのは良い悪しって事かな」


そんな事を呟きながら俺は人ごみを縫うかのように進み、やがて目の前に目的の鍛冶屋兼武器屋の店【ヘーパイストス】二号店が見えた。因みに一号店は店主であるイシュラが住んでいる住居であり、仕事場である鍛冶と店があるが裏路地にある店だが、表通りに店を出して以降もイシュラはそこで寝泊まりし、仕事をしていたのだった。っと


「危ない、危ない、危うく行き過ぎる所だった‥‥お?」


考え事をしていて店を通り過ぎてしまいそうになったが、どうにかその事に気が付き、店の前に着くと、何やら中で誰かが喧嘩している声が聞こえてきた。そしてその一方の声は聞き覚えがあったが、もう一方は聞いた覚えがない男の声だった。なんだろうと思い俺が店の中を覗くと、豪奢な服を身に纏った今の俺より四、五歳ほど上の少年が店主であるイシュラと言い争っていた。


「だから、そちらの言い値で買い取ろうと言っているのに、一体何が気に食わないんだ!」


「ですから、この店の商品を全て買うのは例え貴族様であっての無理な話ですと言っているのです。それにあなたはこの町の領主の許可を得て買いに来ているのですか?」


「ぐっ‥…それは」


「許可を得ていないのならお断りさせていただきます。私は領主様の許可を得ているのであればお買いになるのは構いません」


「だから言い値で「ですが、許可を得ておらず、なおかつ言い値で買い取ろうというのはおかしくはないですか?」」


何やらイシュラが言葉で圧倒しているが、要するにあの貴族の子供が家の威光で店の商品を買い占めようとしたが、それをイシュラが止め、そこを言い値で買い取るから売ってくれと言われ、領主の許可を得ているのかと問い、少年は許可を得ていないと言い、それなら駄目ですとイシュラが言ってそれでも買おうとする貴族の少年に無理だとイシュラが返しているようだと何となく俺は理解した。そしてイシュラに負かされた男は恐らくプライドが傷つけられたのか、いきなり声を荒げた。


「たかが町民の、それも腕がいいだけの女の鍛冶師風情が、調子に乗るな!」


そう言うと腰に差していたとても実戦には使えそうもない装飾過多な剣を全部抜いた瞬間に俺はその男の背後に回り込み、手首を抑え込んだ。


「あ~、はいはい、たかが喧嘩だけで剣を抜きなさんなって。危ないでしょ?」


「なっ、貴様!」


俺は背後から男の手首を握る手を少しづつ力を込めながら諭す様に言った。すると逆にそれが癇に障ったのか、男は後ろにいる俺を睨みつけながら、


「な、貴様、この私が誰だか知っているのか!?ルディルト侯爵の嫡子、クルアトだぞ!」


「いや、たかが一貴族の侯爵やらなんぞの名前なんて、それもその息子だろうが興味もないし、知ろうとも思わないな」


「貴様!?」


馬鹿にされたと思ったのか、男は剣を抜いた手を動かそうとしたが、その腕は動かない様に既に俺がツボを抑えており、また鍛えているという面でも俺に比べれば小枝のような腕で少しは筋肉も付いていたが、歳に見合わず少ないなと俺は少々失礼?な事を思っていた。

そして一方のイシュラはいきなり現れた俺に驚き、そしてようやく状況を飲み込めたのか、男の後ろにいる俺に声を掛けてきた。それもとびっきりの笑顔で。


「まあ、いいわ。取りあえず、【ヘーパイストス】へようこそ。歓迎するわ、シルバー・シュトゥム様?」


「敬語を使わなくてもいいだろ?もう六年以上の付き合いになるんだからな」


「あ~、確かにそうね。あれからもう六年も経つんだよね」


「貴様ら、この侯爵の嫡子である俺を無視してタダで済むと思っているのか!?」


「え、思っているぞ?侯爵の嫡子サマ。何せ、俺の母さんの領地で問題を起こした奴に対しての罰則を与える事は俺でもできるしな。まあ取り敢えずお前には商店内での暴行未遂、加えて店内で剣を抜いた事に対しての銃刀法の違反だな」


「ぐああああっは、離せ!?」


そう言って貴族の馬鹿を息子を腕に力を込めて剣を落とさせて、腕を抑えているとイシュラはふと気になった事があったのかこちらに尋ねてきた。


「そう言えばだけどシルバー、一体どのあたりからいたの?」


「え、確か、こいつが「だから、そちらの言い値で」の辺りから見てたけど?」


「割と最初じゃないの‥‥」


それなら早く助けてほしかったとイシュラが肩を落としながら言い、それは悪かったなと俺は少しばかりに笑みを浮かべながら返し、イシュラも仕方がないわねと苦笑を浮かべた。そんなしかし何処か嬉しさが混じった苦笑を見ながら俺は先ほどから煩貴族の馬鹿息子の手を持ったそのまま背負い投げの要領で店の入り口辺り目掛けて放り投げた。


「がはっ!」


「ほれ、忘れ物だ。それと、この店は俺の知り合いがやっている店だから、今回は見逃すが次は、無いぞ?」


ドスの聞いた声でそう言うと男の顔の目の前で、先程男が落とした剣を両手で丸く握りつぶして放り投げる。すると男は青顔をして立ち上がると、


「ひいいいぃぃ!た、助けてくれ~!?」


助けを求めながらそのまま丸められ使えなくなった元、剣を拾う事無く脱兎の勢いで店を出た。

それでも何かを倒すような音が聞こえてきたので焦りのあまり何かに当たって倒すなり、壊すなりした事にイシュラも苦笑を浮かべていた。そしてそんなイシュラに俺は声を掛けた。


「それにしても、最近多いな、ああいう手合いの連中が」


「ええ。名前が売れて確かに儲けとかも良くなったことは良い事なんだけど、どうしても名前が売れるとああいう手合いが多いのよね」


はあ、と何処か疲れの籠ったため息を吐くイシュラにそれは大変だなとそれを想像して同情してしまった。確かにああいう手合いが多くなれば気疲れも増えてしまうだろうなと。そんな俺の同情にイシュラはありがとうと言いよしっと声を出し、頬を叩くとその表情は職人特有の引き締まった表情へと変わった。


「それで、シルバーがこの店に来るって事は何か用事があったんじゃないの?」


「おお、そうだった。いや、俺達はもうそろそろ学院に行くからな。その挨拶と、イシュラに頼みたいことがあったんだ」


「頼みたいこと?」


可愛らしく首をかしげながらこちらを見て来るイシュラに俺はある物を作ってくれないかと頼んだのだった。そしてそれは自分を慕ってくれる三人の少女たちへの贈り物にしようと思っている品物(もの)だった。


そして、太陽が中天に差し掛かる程の時間、シュトルの町の西にある「闇影の森」と言われる光が余り差し込まない薄暗い森の中に一人の少年と手に持つ剣が森に差し込む僅かな光を受けて煌いた。


「せやあああ!」


その剣は光を反射しながらも(魔物)の首筋を確実に切り裂き、その首から噴水の様に鮮血が噴き出るも、その魔物はまだ死なんとばかりに口を開くとその口から黄色い球状の液体を少年目掛けて吐き出してきた。少年はその速さと大きさを把握し、それでも辺りに飛散する可能性も考慮して早めに少年は余裕を持て回避した。そして少年が避けた場所に着弾した液体は四散し着弾した地面と辺りにあった草木に散るとシュウシュウと触れた場所から煙を上げていた。


「あぶねえ、ありゃ触れたらまずそうだな」


そう言いながら少年、シルバーこと俺はそのまま一気にトップスピードで目的の魔物「ギフトスネーク」に距離を詰めた。

今相対している魔物の名前は「ギフト・スネーク」

体長は八メートル程でその体の太さはまるで巨木の様に太くまたその表面にはドラゴンのような鱗が生えており並大抵の剣では受け付けない程の強度を誇っており、牙はまるで岩をもかみ砕くことが出来る程丈夫であった。イシュラから話を聞いた時はモ〇ハンに出てきたガ〇ラアジャラやダ〇・ア〇〇ュラみたいなのを想像していた。そして一番近かったのはガラ〇アジャ〇の方だった。


牙からは液体が滴っておりそれが先ほどの吐き出した液体、毒であり、その牙からの毒の液体を吐き出したモノだった。因みにこの「ギフト・スネーク」のギフトは贈り物とかのgiftではなく、毒のGiftの方であるという事を言っておこう。別に倒してもどこぞの神仏が集う舞台の世界とは違って恩恵などは特にないという事を言っておく。

因みに前世の龍宮隼人の時はその作品の読者の一人でファンでその本は大好きで全巻持っていた。


(新刊出たかな‥…新刊、見たかったな‥…)


とそんな前世での事を思い出しながらも俺は東洋の龍に似た蛇へと一直線に距離を詰めて行く。「ギフト・スネーク」も流石にそれを許すはずもなくしかし今度は先ほどとは違い赤い色の吐き出してきたが、


「さっきのよりも赤い(こっち)の方がこの体でも触れたらやばい気が滅茶苦茶するな」


そう言いながら俺は飛んでくる赤い液体を避けながらしかしスピードを落とす事無く「ギフト・スネーク」へと距離を詰め、腰の剣を僅かに抜いて刀身に指を当て、僅かに傷を付けると刃の部分にイシュラに鍛えてもらった剣の僅かな窪みに血が流れていき刃全体に行き渡る。そしてその状態で限界まで距離を詰めて、抜刀。


「血は刃と混じりて全てが劔と化す、その血の刃、龍を殺めし剣となす」


そして通り抜けてた俺が剣を再び鞘に戻していく。その間に「ギフト・スネーク」は無防備なシルバーの背に向かってブレスを吐こうとしたが口が開くことは無く、体もぴくっぴくっと微かに動くことしかできなかった。


血刃創牙ブラッゾ・ファング


シルバーが剣を収めると同時にその巨体はズズンッ!と力なく倒れその体を大地へと倒れ込んだ。そして俺は確実に仕留めたかを風で確認を取ると立ち上がる。


「やっぱり、俺の血にはドラゴンに対して猛毒のようだな。」


改めて自分の体に流れる血が龍を殺す毒であることを俺は再認識した。しかしそれは今は置いておくとして俺は早速「ギフト・スネーク」の牙と鱗の剥ぎ取りを始めた。

何故「ヘーパイストス」でイシュラと話していた俺が「「ギフト・スネーク」と戦うようになったのか、それはイシュラからの直接の依頼だった。


「ふ~ん、別に良いわよ。それに特別にタダにしてあげる」


「おおっ、マジか!?「ただし」やっぱ何かあるのか」


「当たり前でしょ?商売なんだから」


そう言ってちゃっかりしているイシュラに俺は思わず苦笑を浮かべると仕方がないとばかりに首を振った。

そしてそれならば何をすればいいのかを俺は尋ねるとそれは魔物の討伐とその魔物の素材の採取だった。


「「ギフト・スネーク」?」


「そう、町の西にある年中光が余り差し込まない「闇影の森」にあらゆる毒に耐性があって毒のブレスを吐いて来るの。でアンタに頼まれたのを作るのにちょうどいいのがそのギフト・スネークの素材が必要なのよ」


「なるほど、要するに、作ってもらうにはまず素材を持って来いって事か」


俺がそう言うとイシュラはそういう事とばかりに笑みを浮かべてきたので俺は思わず苦笑する事しかできなかった。だが考え方によっては確かに自分が何もしないのよりはいいだろうと俺は考える事にし、ギルドに指名依頼で出されている事を教えてもらい俺はそのクエストを受けて「闇影の森」を訪れ「ギフト・スネーク」の討伐をし、その素材を採取したのだった。


内容が分かりにくければ申し訳ありません。

要するに 1.町で貴族からイシュラを助ける 2.「闇影の森」の森で蛇と対決 3.そこまでの経緯という流れです。

因みに作ってもらおうとしているのはまあ、想像にお任せします。

次もイシュラとの話が続きます。

次の投稿も、二週間程で思いつけば投稿したいと思っています。楽しみにしていただければ嬉しいです。

最後にですがPVが五万、そしてユニークが1万を超えていました、びっくりと同時に画面に向かってお礼を言ってしまいました‥‥。改めてありがとうございます。

さて、ではまた次話で。

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