第百二十一話 「英霊誓約」
最新話を投稿です…。おやすみなさい。
ラミリア王女から少し遅れてその後を追うように俺たちは歩きやがて目的地である学院長室へと到着すると開かれた扉の前には護衛の二人が立っており、その中ではラミリア王女とディアネル学院長が向かい合うように座りお茶を手に取っていた。
「お、来たようだね。遠慮せず入りなさい」
「それじゃあ、遠慮せず」
着いた事に気が付き声を掛けてきたディアネルの言葉通り、遠慮することなく俺は部屋に入ると空いていた椅子、ディアネルとラミリア王女の丁度間、即ち出入り口に一番近い場所のソファへと腰を下ろす。
そして俺の隣をエルが座り、反対をリリィが座り。
勝手知ったるといった様子でレティスとルヴィは手早くお茶とお茶菓子を用意すると俺の後ろへと立つ。
「え、ええっと‥‥俺は何処に」
「貴方はここよ」
そして、必然的に一人ポツンと余ったレオンが俺に助けを求める眼をしているが。俺としてはレオンが座る場所は既に確定してるので無視をしていると。ラミリア王女がそう声を掛けた。
「え、ええっと‥‥俺は別に立ってても」
「立っていると話し合いが出来ないわ」
「いや、でも流石に貴族でもない俺が王女様と同じソファって言うのも…」
「王女の命令よ。座りなさい?」
「‥‥はい」
ラミリア王女の綺麗な笑顔だが、そこに秘められた圧力とその言葉の力によってレオンは屈しとぼとぼとラミリア王女から少し離れた場所に座ると同時に、ルヴィとレティスがあっと言う間にお茶と茶菓子を用意をし終えるとお茶を飲んでいたディアネルがカップを器に置いた。
「さて、まずは初めに二人にはお礼を言わなくちゃね?」
ディアネルはそう言うとラミリアへと視線を向け、その視線を受けてラミリアは立ち上がるとそのまま俺達とレオンに向けて頭を下げた。
「偶然ではあったとして王女である私を助けたのみならず、王宮を占拠した者達をおよびその首魁であるピッグレンの打倒。それらの功績はまた後ほど王宮よりあると思います。ですが、一国の王女としてお礼を申し上げます。本当に、ありがとうございます」
「いえ、私としては王家に忠誠を捧げる貴族の子息として当然のことをしたまでです。頭を上げて下さい、ラミリア王女殿下。…レオン?」
「‥‥‥ありえねぇ。ラヴィが頭を下げるなんて天変地異が起きてもあり得なごふっ!?」
呆けていたレオンがそんな事を言っていると、スカートの中に隠していた剣の鞘を取り出したかと思うと目にも止まらぬ速さで突きを放ちレオンの腹部を捉えながらも椅子には一切の衝撃を与えない事からその衝撃は余すことなくレオンに伝わったようで、レオンの顔は青いものに変わり。
「何か、おっしゃられましたか?」
「…いえ、その言葉は受け取ります…」
そう答えるとレオンはソファにもたれかかり、天井を仰ぎ見る。
「余計な事を言わなければいいのに」
「「「うんうん」」」
そんな一連の流れを見ていた俺の言葉にエル達全員が頷く中で、ラミリア王女は再びソファに座ると先ほどまでのが嘘だったかのように優雅にお茶を口にする。というか、剣もいつの間にか収納しており、あのドレスの中が気になるが…。またの機会にしておこう。
「それで、お礼の為にわざわざラミリア王女を使って俺達を呼び出した訳を教えろ」
「うん。そうだね。じゃあ単刀直入に言うと、戦争になるかもしれない」
「経済的な戦争、という訳か?」
戦争。それはこのグランブルム大陸で冷戦状態にある国も幾つか存在するが、そのどれもがあくまで経済的な戦争で。実際にこの世界には魔物という危険もある事から人と人が殺し合う戦争は俺が知る限りではここ百、いや三百年は無かったはずだった。
「いや、本当の戦争だ。人同士による、ね」
「馬鹿な…。英霊誓約を破った国が居るのか…!?」
レオン驚きながら口にした英霊誓約。それはこの大陸に住むものならば知っている有名な誓約。
過去にそれぞれの国に存在した英雄の魂と名の下に各国で結ばれた平和の誓い。その内容としてはまず戦争をしない。武力で他国を侵略しない。魔物が侵攻した際は合同で討伐するなど幾つか決められている。
「けど、今は形だけじゃなかったか?」
「そうだね、今はそうなんだけどね」
時間の経過共に風化し、形骸化するのは物だけはなく誓約なども例外ではない。何せ、現在では抜け道によって他国に干渉するなどは当たり前で、英霊誓約が平和を維持しているとは言えず形骸化してしまっていた。が、それでもそれによって平和という形を何とか保っていたのもまた事実だった。
そして、俺は英霊誓約。その最後の項目を思い出しながら口にする。
「確か、誓約を誓った国が他国に侵攻した場合その国は署名した全ての国との国交断絶。そして、連合軍による王家、および国家の滅亡だったけ?」
「ああ。昔は今ほど穏やかではなくてね。そんな状態で誓約をしても意味が無かったからね。だからこそ自制を持つために王家と国を滅ぼすなんて決めたんだよね。けど今回最も厄介なのはその点さ。何せこの罰だけは形骸化してないのだからね」
「教会ですか」
「ああ」
ディアネルの言葉に俺は深いため息を吐きたい気持ちを飲み込むためにレティスが淹れてくれたお茶を一口で半分ほど飲む。
そんな中、一人置いてけぼりになったレオンはある疑問を口にした。
「…あの、教会って?」
「アルカディア教会。各国に支部を持っていて過去の英雄を祀り、その英雄たちが理想郷にて穏やかに過ごせるように祈りを捧げる狂信者達の居る組織の名前よ」
「へぇ~」
「かなり有名なはずなんだけど、貴方知らなかったの?」
「興味が無かったからなぁ」
「興味が無かったからって、貴方ね…」
あっけらかんとそう言ったレオンにラミリア王女は何とも言えない表情を、そして俺は本当の苦笑いを浮かべる他なかったが。ディアネルは逆にそれが面白かったようで笑っていた。
「あははっ。狂信者である事は否定できないけど、基本的に彼らがしているのは慈善活動だよ。身寄りのない子供を引き取ったり、貧困層に炊き出しをしたりね。まあ、中には魔物を討伐したりしているし、噂じゃあ暗殺部隊も保有しているって噂もあるけどね?」
「何その怖い組織」
レオンに冗談交じりにディアネルはそう言ったが、俺としてはその噂程度の暗殺部隊というのが存在している気がしているが。今はその話題ではないので黙ってもう一口お茶を飲み、俺達が呼び出されたその核心を突くために口を開く。
「それで、件の国ってのは何処なんだ?」
「君も薄々察しているあろう国。ボルバレス帝国さ」
これを書いてて思ったのですが‥‥ボルバレス帝国書いたの何話だったか本気で忘れました…。
(探したけど分からんかった…心優しい方教えて‥‥)
愚痴はここまでにしまして、次の話はまだ決まってませんが浮かび次第、書き出していこうと思います。少しでも楽しんで読んでいただけ嬉しいです。急激に熱きなったり、天候が不安定だったりと危険が多いので皆さんもお気を付けください。
それと、総合評価が2000を越えました! 本当にありがとうございます!少しずつですが、頑張っていきます!
それでは皆様、本当にありがとうございます、また次話で。




