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第百二十話 「砂上の城」

少し空きましたが、続きがかけましたので、投稿します。

(水星の魔女、個人的にすごく良きでした)

 ルヴィとの鍛錬。元々はエルとの魔法の避ける鍛錬の予定だったが、ルヴィが来たことで急遽エルが審判のもと、ルヴィとの実戦に限りなく近い鍛練をすることにして。


「うう~…」


「今日も、俺の勝ちだな」


「…はい」


 そして、何度目か忘れたが今回の勝利者も俺で。そんな俺にルヴィは涙目で悔しそうに見てきて流石にそんな表情をされたらほっとくわけにもいかず、俺はルヴィの頭をポンポンと優しく撫でた。


「けど、強くなってたよ」


「…でも、まだ勝てないです」


「まあ、勝たれたら家族を守っていう俺の男として立つ瀬がなくなるからな」


「…それは、ズルいです」


「ズルくて結構さ」


 俺がそう言うとルヴィは悔しいさと嬉しいが混ざりあったような表情を浮かべていると、俺の隣にエルがそっと抱きついてきて。


「でも、隣なら問題ない」


「…ああ。そうだな。隣なら一緒だから、な?」


「…エルさんもです。ズルいです」


 そう言いながらルヴィを見るとルヴィは先程とは違い膨れっ面でエルを見ながらルヴィはエルとは反対側から俺に抱き付いた。


「今は、これで納得してあげます」


「ありがとう」


 ルヴィにお礼を言っていると後ろで一際大きな砂煙が舞い上がり。


「うおおおおおっっ!!??」


 地面に轍を残しながらレオンが砂煙を突き破るように吹き飛ばされて、それを追うように二つの刃が疾走する。


「はあああっ!」


「ぐっ!?」


 振るわれた双剣の剣の腹を殴ることでそれぞれの軌道を変える。


「やるわね!」


「幾ら模擬用の剣とは言え、痛いんだからな!」


 右足に力を込めて足を止め、左足でラヴィの胴に蹴りを放つがそれは先程軌道を変えられた剣によって防がれる。


「な、に?!」


「ふう、あぶないあぶないっ!」


「がっ!」


 防がれないと思っていたが故の拳撃を防がれ、その動揺によって生まれた隙にラヴィが放った蹴りにレオンは避ける事も、防ぐことも出来ずに吹き飛び盛大に壁に激突し、ラヴィはそれ以上の追撃をしようとはしなかった。


「あっちも、勝負あったか。エル、ルヴィ任せていいか?」


「はい!」


「ん。任された。シンはどうする?」


 あれだけ派手にぶつかれば鍛練場の壁が頑丈とはいえ少なからず破損しているはずで、破損した箇所の修復をエルに、その補助をルヴィに頼む。


「俺は一足先に席取りをしておくよ」


 そろそろ夕食の時間で。恐らくというか、確実に俺達とレオンとラヴィ達の分も席取りが必要であろう事は明白で。

 夕飯時の席取りは中々に荒れるので、そんな所に美少女である二人を行かせる、というのは論外だった。だが、一人では限界があるので俺はラヴィの所へと向かい、話し掛ける。


「どうだ?」


「いい感じよ。うかうかしてたら抜かれてしまいそう」


「そうか」


 楽しそうに話すラヴィがレオンを毎回強引に鍛錬に連行する理由。それは自分より強くなるであろうレオンへの期待が多分に含まれているからなのかもしれなかった。


「悪いが、夕飯の席取りをしたくてな。レオンを借りていいか?」


「ん。大丈夫よ」


「じゃ、遠慮なく」


 ラヴィの返事を聞いた俺はそのままレオンを背負うとそのまま食堂へと背負って移動し、そのまま食堂へと向かったのだが。気絶したままで連れてきたレオンがそれに気づかずに食堂でラヴィの名前を大声を出して大きく赤面するという事があったが、それは彼の名誉の為に割愛させてもらう。

 そんなある意味で平和な日常の時間が流れたが、それが砂上の城だという事を知らせる話がある人物を通じて俺たちに齎されたのは翌日のお昼時が近くなった時だった。


「…ん~、ふぅ」


 午前最後の授業が始まり、その半分が終わりあと半分。そうすれば昼休憩が始まる。そう自分に言い聞かせながら魔力操作に関する授業を聞いていると。


「失礼します」


「誰ですか? 今は講義のじか………っ!?」


扉が開き一人の女性が入ってきて、授業を聞いていた全員が入ってきた女性に視線が集まるが、その視線は直ぐに驚愕したものへと変わった。何故なら入ってきたドレスを纏い扉には護衛と思しき兵士を待たせている女性はこの国に置いて国王に次いで重要人物とされている人で。そして、俺と同じく面識のあるはずのレオンはと言えば別の意味で驚いていたが。


「講義の最中、お邪魔いたします」


「ら、ら、ら、ラミリア王女殿下っっ!?」


「‥‥え、本物っ!?」


誰がそう言ったかは分からなかったが、それによって教室は俄かに騒がしくなり。そして、この講義を担当していた初老の講師であるサンジェルは慌てて臣下の礼を取り頭を下げ、ラミリアを知っている俺達も周りに合わせて全員が臣下の礼を取る中でラミリアの視線が俺達を見ている事が分かった。


「シルヴァ・シュトゥルム、レオン、エル・シュネーヴァイス、リリィ、ルヴィ、レティス。この六名は今より学院長室に来てください」


では、確かに伝えましたよ。そう言うとラミリア王女は教室から出ていき、教室はまるで波が寄せて返すように騒がしくなったが、巻き込まれるのが面倒だったのでその頃には既に俺たちは教室を抜け出しており。それでもそれは先送りにしかならない事を理解しながら、こんな状況でラミリアに教室まで呼びに来させたディアネルに仕返しを考えながら、俺たちは学院長室へと向かったのだった。

短いですが、如何でしたか?次話は主人公たちが呼び出されたその理由が発覚するはずです(多分)

少しずつですが、執筆、投稿をしていきますので、また楽しみに待って頂けると幸いです。

では皆様、暑いのでお体にお気を付けて。また次話で!

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