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第百七話 「一日の終わり…と」

い、意外と早く書けましたので、投稿です。

また久々に見ましたがPVが五十六万越え、ユニークが十万を越えてました。

本当にありがとうございます。

調子によってバラつきがあるときなどありますが、どうか、宜しくお願いします。

「あ~、楽しかった!」


「そいつは良かったよ‥‥ふあぁ」


 帰りの馬車の御者台にて遊び疲れたせいだろう、隣で唯一元気なティアに言葉を返すと同時に思わず大きな欠伸が出た。


(まあ、あれだけ遊べばな‥‥)


 あの後、俺、エル、レティス、ティアは互いに競って湖を端から端へと横断する競泳をし、結果だけを言えば順位は俺、エル、レティス、ティアの順番で、言い出しっぺのティアが再開という結果になってしまったのだが、そのせいか昼休憩の間はティアが不機嫌で、シルバーは休んでたんだから不公平だ~、とティアが抗議してきて。


 そこから話を聞いた全員で競泳をする羽目になってしまい、しかし結果はティアが最下位という結果になり、ならバレーという流れになり、二十五点先取、フェイが審判でチームは俺、エル、リリィ、対するティアはレティス、ルヴィの三対三の対決になった。もちろん、そのままでは面白くないので身体強化魔法ありでだ。

 そして。互いに本気で戦った結果、俺たちのチームが勝ったのだが、ティアがもう一回、もう一回としている間に時間は過ぎていき、終わりの方ではみんな疲れていたり、ティアを勝たせるために分からない程度に適度に手を抜いたりしてティアのチームが優勝うしたのだった。


 その頃には帰りの時間を考えてかなりいい時間帯に差し掛かっていたので、俺たちは来た時と同じように女性陣は馬車で、俺とフェイは近場の林(フェイとは別の所)で服へと着替え、その後合流して体力を残していた俺が御者をして帰り道を進んでいたのだが、馬車が進み始めて五分ほどで後ろが静かになり、話し相手がおらず退屈になったティアが御者台へと来たのだった。


(ティア、タフだな…)


 俺は体を鍛えたりしてスタミナにかなりの自信があったが、それでも現状はかなり眠かったのに対し、隣のティアは二か月の間は鍛えはしたがそれを抜きにしても元気で、第三者が見れば俺とティアは外見的には揃って幼いのだが、俺は中身が合計年齢二十代後半だが、ティアに対して何処か年寄りめいたそんな感想が浮かんだ。


「ねぇ、もし出来たら来年も誘ってほしいんだけど…いいかな?」


「ふあぁぁ‥‥ん? 別にティアが嫌じゃないのならいいぞ?」


「え、本当に?」


「ああ。嫌という奴を連れてきても意味はないからな」


「やったっ!」


「まあ、次に来るときはレオンもちゃんと呼んでやらないとな」


「ええ~? あいつは別に来なくてもいいと思うけどなぁ」


「…ふっ」


「あ、笑った~!」


 レオンの名前を出した途端、機嫌が悪くなったティアは不満げな表情で足をぶらぶらさせ始めてしまい、その子供っぽい様子に俺は思わず笑ってしまい、ティアが更に足を動かしつつ、頬をぷっくりと膨らませる。


「すまん。ティアの年相応の姿を見たたら、ついな」


「むう、年相応って、私もシルバーも子供なんだからね!」


「ああ、そうだな」


 ティアの言葉に表面では同意しつつ、俺は辺りを視るも特に魔物の姿もなく、さしたる危険もないために静かで、穏やかな時間が過ぎていく。そんな中でいつしか隣のティアが静かになったことに気が付き横を見ると。


「…‥‥‥‥」


「寝ちゃったか」


 いつの間にか、ティアは小さく船を漕いでおり、夕日がちょうどティアとかぶっており更にティアが幼いように俺は感じた。


「ったく、それじゃあ落ちるぞ」


 そう呟きが答える声はもちろんない。そもそもこの御者台の前に板などはなく、前に倒れてしまえばそのまま転落してしまう可能性もあり、そうならないために俺は手綱から手を離すと、隣で船を漕いでいたティアの方へと手を伸ばし、そっと肩へ手を添えるとゆっくりと起こさないように俺の方へと倒すタイミングで、手近な所に枕になるような物がないことに気が付いた。

 このまま御者台に直に眠らせるのは衝撃などの観点からあまり良いとはいえず、それなら俺の膝に頭を乗せたほうがいい、がしかし子供とはいえ女の子で男の膝で寝るのはどうなのか…。と僅かに迷った後。


「‥‥まあ、無いよりはマシか」


 文句を言われた、それはその時に考えよう。そう自分を納得させゆっくりと、起こさないようにティアの頭を膝の上へと置き、少しでも衝撃がいかないように右足の力だけを抜き、そのまま俺は再び手綱を握るその時、ティアは小さく身じろぎをし。


「お‥う‥さ‥‥」


「ん?」


 小さく、おそらく寝言だったのだろう。小さすぎて聞き取れはしなかったが、それでも何か夢を見ている様子だったので俺は深く気にせず、その間も馬車は進み、陽が落ちる少し前に家へと到着し、その後、起こしたティアが恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にするというちょっとした出来事こそあれど、それ以外は特に何もなく、普通に夕飯を食べ、普通に風呂に入ってとごく平和な時間が過ぎていくのを感じると同時に、長い夏休みが終わるのだと思い俺は眠りについた。その日の深夜。


扉から気配を感じたことで俺は深く沈んでいた意識が目覚める。


「‥‥なに?」


「…シルバー様。夜遅くに申し訳ありません、奥様がお呼びです」


「‥‥わかった」


本来であれば、母さんがこんな夜中に俺を起こすようなことはない。だが、起こすという事は何かしらの異常事態が、それもおそらく俺に関係する何かが起こっていることが考えられ、俺は寝巻のまま急いでベットから降り扉を開けると同時に俺は身体強化魔法を発動。


「!?」


「シッ!」


扉を開けると同時に、待ち構えられていたことに驚きながらも、鋭く差し込まれる短剣。

それを余裕もって横へ移動することで回避、そのまま指を一直線に揃え、目の前の黒衣を纏った何者かの耳のすぐ近くに右手を伸ばし、そのまま中指と親指の腹の部分に極小の圧縮した風を解放し衝撃波を作り出す風魔法「衝圧エアロプレス」を発動、そのまま擦り合わせる事で爆散させ。


(今!)


その衝撃波は三半規管へと押し寄せ、襲撃者の平衡感覚を壊し、その隙を付いて背後へと周り、拘束すると同時に頸動脈を押さえ、襲撃者は僅かに抵抗した後、気絶し、その体から力が抜けたのを確認し、その体を床へと横たえる。


「…女か」


顔は見えないように隠していたが、薄暗い闇の中、更に黒い服を身に着けていたとしても

わかる、体は絞られてはいるがそれでも女性特有の柔らかさと大きくはないが服を押し上げる存在を主張する胸の膨らみから女であることに違いはなかった。


今話は、前半は平和的でしたが、後半では、何やら胡散臭い連中が登場しました。次話で何者なのか、何故襲われたのかなど書ければなーと思っています。

今回はこれにて失礼します。あまり長くなく、申し訳ありません。ですが、今話を皮切りに物語がまた動き始めます。少しでも楽しんで貰えると嬉しいです。

また、評価や感想などを頂ける幸いです。長くなりました、皆様、また次話で。

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