冒険者登録
転生されたのは町中で、自分の手を見ると透けていた。
「安全な場所に転移させたからのう安心するように。して、世界に馴染むまでは透けておる。回復魔法くらいは使える様にしといたからのう、財布の中にこの世界の通貨で一年は暮らせる通貨を入れておるっでのう。ではたっしゃでのう」
膨大な量の知識が頭に流れ込んできた。生産、そして回復魔法の知識である。少しだけ痛んだけど、戦闘に特化している人達はもっと凄いんだろうな。知識量が違い過ぎるだろうし。道具やらしき場所の前で立ち止まり、簡単なポーションである、薬草からできるアイテムの為、薬草を物色する。するとへいらっしゃいと声をかけられたので、安定化したのだとわかった。喋っている言葉も分かるし。ここは日本なんじゃないかと思わされる。
薬草と薬瓶を百個買って、ギルドの場所を聞いて行くんだけど、道具屋の隣がギルドだった。中に入ると、お姉さんが椅子に座っていたので近付いていく。
「あら、ギルド、マスターズにようこそ。新人未満さん?」
「見ただけで分かるんですか?」
「そりゃまー、ギルド登録してない人は指輪をしてないので分かります。ご登録ですか?」
「お願いします。」
日本語で良いのだろうかと思いながら記入していく。名前性別を書いて渡す。
「では、こちらの測定器に手をかざしてください・・・春さんは男の方だったのですね。実に可愛らしいので女の子かと思いました」
手鏡を借りてみると自分が男なのに実に可愛らしい容姿をしている事が分かった。これはこれで良いのかもしれないけれど、死んだ事よりも衝撃を受ける。お姉さんに手鏡を返して、お姉さんに言われるがままに、石に手をかざす。お姉さんが驚いている。
「錬金術と回復魔法が最大ですか・・・他の適正は無いにしても凄いですね。逸材です。情報を登録した指輪をお渡しします。これであなたも冒険者です」
指にはめると適当なサイズになって、ぴったりはまって抜けない。情報は全て指輪を介して行われる優れもの。そして、冒険でパーティを組む場合も。指輪を介して話が出来るらしい。
壁に貼ってある依頼のポーション依頼を根こそぎ持ってギルドカウンターに行く。どうやら神様のおかげで、錬成には一日と掛からず物ができてしまうみたいで。依頼された量のポーションを持っていった。




