音楽室の二つの七不思議編 肖像画は呪われてる
ポロン。ポロン。
まだまだピアノの音は鳴き止まない。
「怖いよ…。」
架依が舞歌の後ろに隠れながら歩いている。
「架依…まったく…。」
ポロン。ポロン。ポロン。ポロン。
かなり静かな曲だ。何か悲しい曲にも聴こえる。
「…悲しい曲ね…。」
蜩が呟く。
ポロン。ポロン。ポロン。ポロン。ポロン。
ガーッ!。
悲しい曲は、いきなり激しく鳴りピアノの音が止む。
「な、名にぃ。」
架依が飛び上がる。
カチャ。ガラガラ。
職員室から持ってきた鍵の束から音楽室の鍵を出して扉を開ける。
ポロン。ポロン。ポロン。ポロン。
またピアノの音が鳴き始める。こんどは楽しくなれる曲。
「姿を現しなさい。怨念幽霊!。」
舞歌が叫ぶ
この七不思議で1番扱われる説は幽霊がピアノを練習しているというもの。
ポロンポロンポロンポロンポロンポロンポロンポロンポロン。
ピアノのスピードが早くなる。
「うるさいけどもう一つ。肖像画の目が光るかもしれないからね。」
「うう、怖いよぉ。」
架依には聞こえてないようだ。
「相変わらずよね、舞歌は。」
「そりゃどうも。」
舞歌がなんとなく肖像画を見る。
「…今一瞬光った…。」
舞歌が肖像画を見たら一瞬ベートーベンの肖像画の目が赤く光ったのだ。
「えええ⁉︎。帰りたいぃ!。」
架依も相変わらず泣いている。
カチャ。
もう1つの音楽室の扉が開いた。
「…こっちに進めって事ね…。」
3人はまた歩き始めた。
次回
前世の七不思議編 トイレにも七不思議が二つ