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神無的 不運時々幸運  作者: 神無 乃愛


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「女だからこそ……」

ツイッターでとあるお母さまのお話が呟かれておりました。五月の中頃ですかねぇ。

件のお母さまは中卒で集団就職で都市部に出てきた、つまり「団塊の世代」と呼ばれるあたりか、それよりも前の方。

弟妹のために中卒で故郷を離れ、仕送りをしていたと。

当時はよくあった話です。勉強したくても出来なかった。


ばりっと、ワタクシの母もその世代。それに付随して、亡き伯父を思い出しまして。

母は兄、兄、母、弟と男兄弟に囲まれて育った人です。

ここで話す伯父は一番上ですので、便宜上「伯父①」としておきます。


伯父①、頭もよかったそうですが、高校に行きたい! と思っていたそうなのですが……中卒です。

理由は中三の冬に父親(神無の祖父ですな)が病気で他界したから。自分が大黒柱にならざるを得なかった。

当時母は小学四年、そして弟、ここでは叔父としますが、そちらはまだ四歳だったはずと幼かった。伯父②の年齢は聞いてませんのであしからず(ヲイ)。


進学を諦め、残された弟妹と母親(神無の祖母)。その他に祖母(神無の曾祖母)と曾祖母(曾曾祖母)が健在。それを一気に養うということです。苦労というには生易しかったのではなかろうかと思います。


このことについて、ちらっと母と祖母に聞きましたが、それぞれかなりな苦労が……ここでは割愛します。


この伯父①、ワタクシすっごく尊敬している方です。

そんな環境でも頑張って伯父②と叔父は職業訓練校に進ませます。母の実家、里山にあり、駅までかなり遠いのですが……でも通わせてくれたみたいです。その後伯父②は大工さんに弟子入りしているようですが(ようわからん)。叔父はその伯父②に付いて勉強したらしいっす。ガチでこのあたりは伝聞ですんで、あやふや。


で、妹である母に対してですが……中学三年の頃、当時は就職組と進学組にクラスが分かれていたそうです。母は「就職だろうなー」と思いながらも、進学就職どちらでも行けるクラスにいたそう。

そんな母の背中を押したのが伯父①だそうです。

ワタクシ、母から聞きましたが重要な部分だけ覚えているような話ですので、差別的発言がありましたら、ご容赦ください。


「女だからこそ、学が必要。男であれば、日雇いでもやっていけば何とかなる。でも、女はそうはいかない。学があれば、嫁に行くにしても困ることは無い」


 みたいなことを言ったそうです。

おいらがきっちり覚えているのは、「女だからこそ学が必要」と、「男であればなんとかできる」という部分でしょうか。


おいらのなかでそれくらい印象が残ってます。聞いたのは伯父①が他界して間もなくでしたので、かなり昔。それでも残ってる。


よく、「女に学は必要ない」と子供の中で差別があったりする、と聞きますが逆だ!! と思ったのです。

日雇い部分に関しては、伯父①、自分の子供を独り立ちさせたら自由に生きる! と決めていたみたいで、その時「最悪日雇いで稼げばいい」と漏らしていたらしいので……。


そんな伯父①ですが、早くに奥様を亡くされ、忘れ形見の娘(神無の従姉)を再婚せず育て上げました。無論、周囲の助けがあったと思います。

そして、従姉が二十歳になって間もなく他界しました。工場で部品が頭に飛んできた……それが原因です。


「娘も短大を卒業して就職した。これからは自分の時間。まずは恩返しを……」みたいなことを言ってたみたいです。


実は伯父①の命日は五月の末なんです。そして葬儀があったのがちょうど六月の頭。二十五年以上経った今でも覚えています。


泣いて伯父①を困らせまくっていたので、「泣いちゃいけない。泣いたら心配させちゃう」と思った記憶があります。

優しくあったかく、そして厳しく実の娘と同じくらい見守ってくれた伯父①、おいらは直接道標をいただけませんでしたが、周囲から色々聞いて、それがおいらの道標になってます。


今回の表題「女だからこそ……」は道標というより名言ですが。


伯父①へ

泣き虫姪っ子はあなたの年齢は絶対超えてみせます!!!

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