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新年祝賀行事の裏側1

あれ以来、残念王子がどこか可笑しいです。

父さん、どうしようか?


「セレさん、新年祝賀行事の準備はどうになっていますか?」

端末から顔をあげてリカ王子がいった。

「エアリ先輩に聞いてください。」

私は祝賀行事のリストを見ながら答えた。


新人、したっぱが全体図がわかるわけないよ。


「順調ですよ、セレ、ちゃんと盛装準備しておけよ。」

エアリ先輩がそういいながら端末操作をしている。

「盛装が何で必要なんでしょうか?私は出ませんよ。」

私はあえて現状を無視していった。

週刊紙にリカ王子の婚約者ってでて、父さんからどう言うことだって問い合わせがあったから力一杯否定しておいたよ。

「婚約者なんだから出てくださいね。」

リカ王子はニコニコ言った。

「婚約した覚えはありません。」

私はそういいながら立ち上がった。

「ベニイロ様のところにいくなら、ララビタンZを頼む。」

エアリ先輩が言った。

「じゃあ、洗浄符を1ダースよろしくね。」

マーシェ先輩が言った。

「リカ王子はなにかほしいものがありますか?」

パンツかランシャツか靴下か…。

「セレさんの愛が欲しいです。」

ニコニコとリカ王子がアホなことを言った。

「行ってきます。」

私は無視して書類を持ってあるきだした。

まったく、困った残念王子だよ。


私の愛?愛ね…。

うーん、愛より先にわかりあった方が…。

…あの人のパンツからランシャツ、好みまで知り尽くしてるわ。


記憶から抹消したら仕事にならないしな?


よっぽどぼーとしてたらしい。

「大丈夫か?」

なにか…誰かにぶつかった。

「す、すみません。」

顔をあげると見上げるほどの大きな男性にささえられてた。

深い緑の目と短い髪が印象的な精悍な顔が心配そうに私を見てるのがわかった。

「すまないな。」

男性は微笑んだ。


なんかかっこいい。


「そんなこちらの不注意で申し訳ありません。」

私はそう言って政治官の略礼をした。


もしかしたら、他国の要人の可能性があるからきがぬけない。


「かしこまらなくてもいい、オレはルーアミーア人だから、身長が高すぎるんだ、怪我はないか?」

男性が優しく言った。


うーん、リカ王子と大違いだよ、かっこいいしどこか男の色気があるよね。

私はどっちかというとこっちの方が好み…まあ、別に求愛されてないけどさ。


「はい。」

ルーアミーア王国の人なのか…。


ルーアミーア王国は地下空間にある王国で地上の各地に出入り口がある。

光ごけで昼と夜はきちんとあって案外明るいらしい。


洞窟巨人の末裔って言われてるから身長が高いんだよね、この人も二メートルくらいありそうだし。


深緑の髪と目か…なんか思い出したような…。


「では、気を付けてな。」

男性はそう言って去っていった。


ボーッとしてないで仕事だよね。


「うん、全部終わった、売店も行ったし。」

帰ったら、まだ変なのかな?リカ王子。

廊下を歩きながら外を見る。

冬の庭は木に葉っぱがなくて少し寒々しい。

電飾を新年祝賀行事のために飾ってる職人さんが見えた。


やっぱり王宮の裏側は少し地味かな?


「ただいま帰りました。」

私は荷物を持って部屋にはいった。

「おかえりなさい。」

リカ王子が麗しい笑みで迎えた。

わざわざ応接セットに移動して誰かと…。

「あれ?」

ソファーに座っていたのは深緑の目のあの男性だった。

「ここの政治官だったのか?」

男性は微笑んで言った。

「セレさんとお知り合いですか?イルディス?」

リカ王子が怪訝そうに言った。

「さっき、廊下でぶつかりそうなったから抱き止めた。」

イルディスさんがそういいながら出されてた、ルリ茶を飲んだ。

「抱き止めた?私だってしたことがないのに。」

リカ王子が少しイルディスさんをにらんだ。

「不可抗力だ、役得だが。」

イルディスさんが笑いながら言った。


ずいぶん親しいらしい。


「セレ、書類とララビタンをよこせ。」

エアリ先輩が端末を見ながら言った。

「はい、あの方は?」

私は書類とララビタンをわたしながらこそこそ聞いた。

「リカ王子の従兄弟でルーアミーア王国の王太子のイルディス・クラディ・ルーアミーア殿下だ。」

エアリ先輩がめんどくさそうに言った。


ルーアミーア王国の王太子殿下?

間違いなく高嶺の花なんですが?

儚いドキドキよさようなら。


あれ?リカ王子も一応王族だし、高嶺の花だよね?


あの人は残念王子すぎてそれすら忘れさせるのか?


「リカ、婚約したそうだな。」

イルディス殿下が言った。

「ええ、そこのセレスト・ファリア政治官と婚約しました。」

リカ王子がニコニコと私に手招きしていった。

「ご冗談を。」

私は席に戻りながら答えた。

「…お前、妄想か?」

イルディス殿下が哀れむようにリカ王子に言った。

「セレさんは間違いなく私の婚約者です。」

リカ王子がなんか暗い笑みを浮かべて言った。

「……ファリア政治官、もしこいつに脅されてるならちからになりますよ。」

イルディス殿下が冗談めかして言った。

「ありがとうございます、お願いします。」

本当に何とかしてもらいたいよ。

「セレさん?もちろん冗談ですよね?」

リカ王子が微笑んだ。

「本気です。」

ええ、とっても。

「お前、本当に婚約してるのか?」

イルディス殿下が怪訝そうな顔をした。

「今度、親御さんに挨拶にいきます。」

リカ王子がそう言ってクッキーに手を出した。


ええ?困るよ。

本当にイルディス殿下何とかしてくれないかな?

別に残念王子が嫌いなわけじゃないけど。

愛してるわけでもないもん。

父さん、どうしよう?

ルーアミーア王国は連載小説『私は殿下の所有物?』の舞台です。

イルディス王太子殿下の子孫のランティス王太子殿下が暴走してます?(主人公は女の子です。)


読んでいただきありがとうございます。

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