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新年祝賀行事の裏側3

新年最初の投稿でございます。

今年もよろしくお願いいたします。

あれ?可笑しいな。

私、白髪にな…銀髪?


リカ王子ってちゃんと王宮の居住スペースに部屋あったんだね…執務室、私物だらけだからないんじゃないかってあやぶんでたよ。

「起きましたか?」

意外に筋肉がついてた腕が絡まってた。

ついでに銀髪も絡まりついてた。


意外やいがい肉食系パンツ王子…どうするかな?

…と言うか…私はどうすればいいんですか?


「さて、新年祝賀会の前にセレさんの父親にあわないとですね。」

リカ王子がきれいな緑の目をあけた。

「う、うちはケエラエルですよ。」

王都から遠いんです。

ルリの果樹園が沢山あって超田舎です。

「ええ、呼んであります。」

リカ王子が目を細めて言った。


こ、この残念王子改め腹黒王子!

どうやって忙しい父さんを呼び出した?


「父さん、来るのいやがったでしょう?」

別れたお母さんがいる王都は行きたくないっていってた。

「大事な娘さんの将来のことですから直接話したいと端末の通信で話したら来てくれましたよ、私が忙しいのは理解していただけたようです、執務室が背景でしたから。」

リカ王子がそういいながら私を優しく抱き込んだ。


なんだろう…身体中いたいけど…安心感があるんだよね。


「さて、支度をしましょう。」

リカ王子が私にキスしていった。

「支度?なんのですか?」

私は綺麗なリカ王子の顔を見つめて言った。

「もちろん、正装ですよ。」

リカ王子が微笑んだ。


ん?まてよ…父さんに会うのに正装?

あの瑠璃絹のズルズルしたんですか?


「父さんは根っからのルリ農家ですよ。」

だから引くね。間違いなく引くよ。

「さて、行きましょうか?」

リカ王子が私を抱き上げた。


動ける自信がないから諦めるか。


あ、諦めるんじゃなかった。

一緒に風呂入ったら疲労困憊です。


「セレさん、似合うわよ…セレ様かしら?」

衣装担当者イールさんに言われた。

「そうよね、結婚したら王子妃様だもんね。」

化粧担当者ピュリエーヌさんが言った。

「王子妃…なんか頭がいたいです。」

私は頭を抱えた。

「ありゃ、薬持ってくるかい?」

ピュリエーヌさんが頬紅を入れながら言った。

「セレ、辛いなら抱えていきます。」

綺麗な王子殿下は完璧に髪の毛を複雑に結い上げて瑠璃絹の正装を神話の神様のようにまとっている。


うーん、今日の私はいつもの数倍綺麗なのに(プロに身支度してもらったから。)リカ王子の方がその数倍綺麗なんですが?


「さあ、お父様がお待ちですよ。」

リカ王子が私を軽々と抱き抱えてあるきだした。


お陰さまで皆様に見られました。


王宮の応接室に父さんがしっかり正装してカチンコチンになって座ってました。


国王夫妻もいるんですが、正装して父さんの向かいの席でなんか言ってる。


「フェリアさん、素敵な娘さんですわね。」

王妃様がロイヤルなスマイルで言いました。

「あ、あの愚女(ぐじょ)でして…。」

父さんがしどろもどろで言った。

「いえ、うちの愚息に勿体ないですわ。」

王妃様が言った。


「ああ、リカきたか…フぇリア氏がおいでになっている。」

国王陛下がキラキラした目で私たちを見た。

「はい、父上。」

リカ王子がロイヤルな微笑みを浮かべた。


父さん、みとれないでください、残念王子に騙されてますよ。


「この度はわざわざ来ていただきありがとうございます。」

リカ王子が私をソファーに優しく座らせてから父さんに王族の礼をした。


父さんはボーッとなった。


父さん、その人残念パンツ王子だから…ああ、肉食系残念パンツ王子ともいうけどさ。


「せ、セレスト、それで本当に?」

父さんは目をそらして私に聞いた。

「はい、セレストさんと結婚させていただきたいのです。」

リカ王子がなぜかこたえた。

「リカ、フェリア氏はセレスト嬢に聞いている、口をはさむな。」

国王陛下が口をはさんだ。


なんか、注目されてる…。

こ、ここで断れば…。


あれ…おかしいな心が沈むんですが…。


「父さん…私、どうしよう…。」

涙があふれてくる。

「せ、セレ?どうしたんだ?もし嫌ならオレがどんな事をしても!」

父さんが拳を振り上げて言った。

「…ち、違うの…なぜか…この残念王子が…好き?」

ああ、自分の気持ちがわからない。

「残念王子で結構です、セレ、私はあなたがいなければ生きていけませんから。」

リカ王子が私の肩をそっと抱いた。


う…うん、わからない…でもこの人はいつでも本当に…企むけどどこか憎めない…。


初めてリカ王子の執務室に配置された時はなんてきれいな人なんだろうって思った。

神話の神様とかこの世のもの思えなかったよ。


『新人さん、パンツ買ってきてください。』

その一言で台無しだったけど…生きてるって分かったし…。


文句も言うし、人の事はめるしワーカーホリックだし…。

でも…なんか憎めない。


でも…一緒に居たいような気がする…。

隣が女子力ない私でもいいのかな?


「父さん…私…結婚してもいい?」

やっと絞り出した。

「…ああ、かまわないぞ…ん?ああああ?つーことは王家と親せきか?参った。」

父さんが当たり前な事を言った。

「セレさんのうかつは、もしかしてお父さま譲りですか?」

残念王子がしみじみ言った。

「…悪かったな…って王族にいっちまった!」

父さんが頭を抱えた。

「フェリアさん、義理の息子になるのですからどの様に扱っていただいてかまいませんよ、親戚になるのだから。」

国王陛下がニコニコ言った。


…しまった…もしかしたら、フェリア家のうかつさは王家のかっこうの餌食かもしれない。

残念王子が義理の息子、王家と親せきの発言の時点で父さんが固まってるよ。


「あの…。」

私が言いかけた所でリカ王子にキスされた。

「さて、新年祝賀行事にまいりましょうか、フェリアさん親子も同行していただきなさい。」

国王陛下が言った声が聞こえた。

「そうですわね、国民に婚約を報告しなくては。」

王妃様が言った声が聞こえた。

「では、セレ、いきましょう。」

やっとはなれたリカ王子が極上の笑みを浮かべて私を抱き上げた。


逃亡防止ですか?


私はおもわず父さんを見た。

父さんは茫然自失で護衛官に立たされてる。


うかつなフェリア家はこうして泥沼にはまっていくんだよね…。

私、はやまったかな?


今年の新年祝賀行事でばっちりと『婚約者』として紹介されたよ…。

まあ、自分は決断した事だからいいけど。

父さん、まきこんでごめん。

駄文を読んでいただきありがとうございます。

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