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新年祝賀行事の裏側2

父さん、私、困ったよ。


今日は休み、寒いけど天気です。

これからどうしよう…。

「何、たそがれてるんだ?」

二階の寮の部屋についてる洗濯干場兼バルコニーでボーッとしていたら声をかけられた。

「イルディス殿下!」

なんでこんな職員寮の方にいるんだろう?

庭にはイルディス殿下がいて慌てた。

「大丈夫か?」

イルディス殿下が心配そうに言った。


それにしても、なんで思い付かなかったんだろう?

深い緑の目と髪はルーアミーア王族の特有の色だよね。


「大丈夫です。」

私は手をふった。

自分でも驚くくらいドキドキしている。


そういえばよく、美人女優とかと週刊紙を騒がしてるの読んだきがする。

かっこいいもん…リカ王子は、今回の婚約騒動以外見たことない…。


「降りてこないか?」

イルディス殿下が手招きした。



で、本当にいくなんて私、変だよ。


「なるほど、リカの姫君は可愛いな。」

庭に設置されたベンチで並んで座りながらイルディス殿下が言った。

「私は別にリカ王子の姫君ではありません、政治官です。」

そういいながらイルディス殿下を見上げる。

深い緑の目が見つめてる。

「あなたがリカとの婚約を嫌なら、ちからになろう。」

イルディス殿下が言った。

「お願いします。」

力一杯お願いした。

「…あいつは本気であなたの事が好きだと思うが…気持ちはどうにもならないからな。」

イルディス殿下が少し寂しそうに言った。


そんなこと言われても…。

私は別に一応玉の輿?何て望んでないし。


「さて、どうにするか?」

イルディス殿下が腕組みした。

「そうですね。」

私は期待するように見上げた。

イルディス殿下がふっと微笑んだ。

「そんな顔してると襲われるぞ。」

そういいながらなぜか私の頬にき、キスした。


わー、リカ王子にされたこ…あるな。


「やめてください。」

私はベンチから立った。

「無防備なのがいけない、男はみんなデケロゴスだと言うぞ。」

イルディス殿下が妖しく微笑んだ。


デケロゴスって何さ?

狼とか言いませんか?


「では、こうしようか?」

イルディス殿下が端末を操作してから立ち上がった。


やっぱり見上げるほど大きい。


「どうするんですか?」

私は身構えた。

イルディス殿下が私をだきこんだ。

「オレと結婚すればいい。」

イルディス殿下が言った。


私は固まった。


「あの、困りま…。」

私がいいかけたところで気配を感じた。

「イルディス、なんのようですか?」

聞きなれた美声だ。

「リカ、オレとセレスト・フェリア政治官はこう言う仲だ、身を引いてくれるな?」

顔をイルディス殿下のお腹に押し付けられて発言を封じられた状態でイルディス殿下の色気のある声を聞いた。

「……お断りします。」

妙に冷ややかにリカ王子の声が聞こえた。

「もう、遅いセレストはオレのものだ、辞表は後程送らせてもらう。」

イルディス殿下がそういいながら私を抱き上げた。


ええ?辞表?やめるきないです。


「い、イルディス殿下!」

私がいいかけたところでリカ王子の睨み付けるような眼差しを感じた。

「セレさん、私はあなたが来なければ、仕事はしません。」

リカ王子が静かに言った。


おい、そりゃどこの中学生ですか?


「リカ、お前、そこまで。」

イルディス殿下がたじろいだ。

「リカ王子!そんなんだから残念王子って呼ばれちゃうんですよ、綺麗なのに!」

私は誰の腕の中にいるのか忘れて叫んだ。


「残念王子で結構です、ピアリさんの時と違います、私はセレさん、セレスト・フェリアを愛してます!」

高々とリカ王子が宣言した。


緑の瞳がキラキラして従兄弟のイルディス殿下と少し薄いけど同じ色なんだなってちょっと思った。


「どうする?セレスト・フェリア?」

イルディス殿下が聞いた。

「とりあえず下ろしてください。」

なにも決まってない。


だけど誠実に対応しないとブルー・ルリーナ王宮が麻痺することだけは確実だから。


それに緑の瞳にどこか逆らえない。

すぐそばに別の緑の瞳があるのに。


「分かった、リカを頼む。」

イルディス殿下が安心したように微笑んだ。

「はい。」

うん?なにを任された?

「セレさん、こちらへ。」

リカ王子が手招きしたのでなだめようと近寄った。


リカ王子!なんで抱き締めるんですか!

あの、き、キス?


「もう、二度と離しません。」

リカ王子の綺麗な顔が目の前にあってまたキスされたよ。


え?ええ?えー?


あの?私…別に…。


「みせつけるなよ、あーあ、側室手に入れ損ねた。」

イルディス殿下がぼやいた。

「側室?」

側室ってルーアミーア王国の王族ってありなんだっけ?

「ええ、妻子持ちです、奥方を愛してる癖によくもセレストを誘惑しましたね。」

リカ王子がどこか暗い笑いを浮かべた。

「ふん、それで愛しい相手を手に入れられたんだろうが、オレはもういくからな。」

イルディス殿下はそう言って手をヒラヒラ振って歩き出した。

「セレスト、行きましょうか。」

リカ王子がそう言って私を…なんで抱き上げようとする?

「どこもいきません!」

私はもがいた。

「愛を確かめるのに庭は不味くないですか?」

リカ王子が妖しい笑いを浮かべた。

「あ、愛?」

なんかいつもはない色気を感じるよ。

「まあ、セレが良ければ私はかまいませんよ。」

そう言ってリカ王子は私にまたキスした。


なんかきちんと話をつけないとヤバイ気がする…いやそれよりに、逃げた方が…。


「行きましょう。」

油断した私をリカ王子が抱き上げた。


あ、案外力あるんだ。

そういう場合?

どうしよう?父さん。

なんかほだされそうで怖いです。


考えてみれば顔は超極上の美貌なんだよね。

中身さえともなえば…。


ためだよ、私、中身はしょせんパンツ王子なんだよ?

今日は残念王子に見えないよ。

デケロゴス

ルーアミーア王国特有の生き物一メートルくらいの虫で集団で狩りをする。

絶滅危惧種。


男はみんなデケロゴス。

ルーアミーアの格言。

男はみんな狼と同様の意味。


ルーアミーア王国王族は側室は可となっております。

イルディスは正室しかいません。

ラブラブです、子供もいます。


駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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