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武技憂気日本大戦  作者: 囲井 鯀
―弐―
3/111

 オレは出雲大社を後にする。


「む、待て、私を置いて行くな」

「俺達は急いでるんだよ」


 ただし、足早に。

 興味本位で千夜に連れられ出雲大社に寄ってみたら、なんてことはないただの古ぼけた神社だった。いや、神社自体が持つ荘厳さには驚かされるものはあったが、それだけだ。酷くつまらない思いをした。


「そうであったな。すまなかった」

「いや、たまには息抜きも必要だろ」


 なにせ、歩きっぱなしだったからな。


「まあ、わかってくれればもう何も言わないよ」

「いや、何も言ってくれないのは少し困るな」

「何か忘れてんのか? オレは何も知らないぞ」


 知ってると思うけど。それとも、他の理由か?


「いやいや、道中無言で歩くだけというのは物足りないであろう?」

「俺に聞くなよ。自問自答しててくれ」


 すれ違いざまに鳥居を撫でながら答える。


「私は物足りないと思うのだがなっ!」

「あー、オレもだなー」

「そうか、やはりそうであろう。そうに決まっている」

「そうだな」


 今日も空はどんよりと曇っている。昼だから歩くのには苦労しないが、いつ雨が降るか心配でしょうがない。


「ところで被。一つ聞いていいか?」

「面倒臭い」

「良いだろう、もう一度言うぞ。一つ、聞きたいことがあるのだが、どうだ被?」


 目を逸らしているにも関わらず、ひしひしと言い知れぬ圧力が千夜から伝わってくる。ここで無視しても、おそらく千夜は聞いてくるだろう。


「……なんだ?答えられることなら答えてやれるぞ」

「それは嬉しい限りだ」


 早くしてほしい。


「三人ほどであろうか、私たちは囲まれている、ということに気付いているか?」

「そういうことは早く言え」

「彼は無気力な被でーす。そして隣りの彼女はちょっと話し方が可笑しい千夜ちゃんでーす。別に二人は付き合ってるわけではありませんよー」


 ↑誰でしょうね?

 天の声……。

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