2.
戦闘音は、今も継続的に聞こえている。
声は、焦燥、恐怖、不安,決意。
あまり状況は良くないようだ。
そう考えて、さらに足を速めた。
私が通り行ける度、木々が高速で後ろに遠ざかる。
邪魔な木は、私が避けなくても木が避けてくれる。
だから私はただ、真っ直ぐ進むだけ。
そして、少し開けた場所で戦う、人と魔物が肉眼で見えた。
それを確認すると、強く一歩を踏み込んだ。
一瞬の間に、目の前には魔物。
まずは一体、首に一閃。
その勢いのまま、止まらずにもう一体。
足を止めて、地面を蹴る。
宙を舞い、一体目を飛び越え、三体目に上から振り下ろす。
そのまましゃがんで、四体目の攻撃を躱す。
そのまま今度は振り上げて、一閃。
剣を振って、血糊を落とす。
後ろで四体目が、地面に倒れる音がした。
全て倒し切るまで、10秒もかかっていなかっただろう。
魔物に対峙していた人たちは、その間、一歩も動かなかった。
良かった。
動いていたら、魔物と認識して、殺していたかもしれない。
せっかく助けたのに、殺してしまったら意味がない。
しんと静まり返った。
このまま放置しておけば、血の匂いで新たな魔物がやってくるだろう。
「いる?」
指差して、問いかける。
「え!?あ、いや、いらないが…。」
〈白炎〉
私は一つ頷いて、白い炎で焼いた。
白い炎は赤い炎よりも、何百倍も温度が高い。
魔物は一瞬にして、灰すら残さず燃え尽きた。
炎が消えたのを確認にたので、私は早々に背を向けて歩き出した。
「ちょっ…君!」
何故か呼び止められた。
無視をするのも憚られ、クルリと振り返った。
首を横に傾ける。
「何でここに、子どもがいるんだ?」
質問の意図がわからない。
反対側に首を傾ける。
「一人?親は?」
私はずっと一人だった。
首を左右に振った。
「迷子、な訳ないし…。あー…一人なら、一緒に来ないか?あったかい布団と美味しいご飯があるぞ。後、甘いお菓子も!」
「いや、隊長。それ完全に不審者のセリフですって。」
あったかい布団、美味しいご飯、甘いお菓子…。
うん、行こう。
私はテクテクと、隊長と呼ばれた人に近寄った。
「え!?それできちゃうの!?逆に心配になるんだけど…。」
「それもそうだが、黙ってろ!あー…じゃあ、一緒に行こうか。抱き上げてもいいか?」
コクンと一つ頷く。
隊長は、軽々と私を抱き上げた。
普段ない高い視界に、珍しくて思わずキョロキョロしてしまう。
隊長たちはそのまま、私が来た方向とは反対側に歩いていく。
反対側は、行ったことがない。
魔物と森の気配が途切れていたから,行く意味がないと思って、足を向けたこともなかった。
興味もなかった。
隊長たちは、その反対側から来たらしい。
足取り確かに歩いていく。
魔物と森がない世界。
いったい、どんな世界なんだろうか。
少しの好奇心と不安を抱えながら、私は隊長に連れられて、外に出た。




