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10.


お父様に、魔物の死体を捨てるなら欲しいと言ったが、保留にされた。

どうやら、魔物が利用できると知らなかったらしい。

お父様自身、辺境のために利用できるならしたいと言っていた。

お父様が必要なら、その分を貰う事はしない。

自分が取りに行けば良いだけだから。

 

それにあの討伐で、一人で『終末領域』に行く許可を貰った。

好きなときに、いつでも行って良いらしい。

ただ、行く時は一声かけるようにとだけ言われた。

それだけなら簡単だ。


また、解体と素材を使う場所を、兵舎の近くに用意してくれた。

これで自由に素材が使えると、とても嬉しかった。

交換条件として、素材の使い方を教えて欲しいと言うことだったけど、私は全然構わない。


だから素材を扱うときは、兵舎に声をかけるようにしている。

そしたら引退していた兵団のお爺さんたちが、素材の解体や調合なんかを見にくる。

もうすでに何回か実施していて、お爺さんたちが狂喜乱舞で喜んでいた。

画期的な発見なんだとか。

 

今はお爺さんたちも、解体や調合なんかに挑戦している。

私も時々呼ばれるので、その場で指導している。

兵士のみんなも、武器や防具が強くなって怪我が減ったと喜んでいた。

私も役に立てて良かったと思う。


ここに来てから、たくさんの感謝を貰った。

たくさんの感情に触れるようになった。


前の私も嫌いじゃなかったけど、今の私も嫌いじゃない。

これからも色々な変化が訪れるだろう。

それが、今は少し楽しみでもある。




ーーーーー


辺境伯城での生活が、日常となってきた今日この頃。

日課となった魔物狩りから帰ってきた時のこと。


「王族が来る?」


父の執務室に呼ばれて行った先で、父からそう言われた。


「ああ。辺境の確認に、定期的に来ることになっているのだが、今回はルーナを見に来るのだろう。」


「どうして、私を?」


「跡取りがいるのに、どうして引き取ったのか気になるのだろう。」


「そう。」


「まあ、普段通り過ごすといい。」


「わかった。」


王族が来るとしても、特に何かしないといけないと言うわけではないらしい。

普段通りでいいなら、まあ問題ないだろう。

私を見に来るらしいが、私には関係のないことだ。


私は父の部屋から退出した後、訓練場に向かった。

兄たちと領域に行ってから、フォル兄から度々、訓練をつけてほしいと言われるようになった。

何でも、私の姿を見てもっと強くなりたいと思ったのだとか。

私としても、手加減のいい訓練になるから、手合わせするようになった。

たまにテオ兄や兵士も参加することがある。

 

初めは私に対してよく思っていなかった人たちも、手合わせをする私を見て、態度が変わってきた。

今ではみんな、私に好意的で、たまにお菓子をくれたりもする。


「ここは実力主義で、強い人は尊ばれる土地だから。」

 

人々の変化、に疑問に思っていた私を見て、フォル兄がこっそり教えてくれた。


ただやっぱり、イライアスには相変わらず避けられているが。

前みたいに、敵意丸出しよりよっぽどいいので、放置している。




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