異世界転生って、もっとカッコいいモノだと思ってたんだけど……!?
(書き溜めがないため、不規則投稿になると思いますが、どうぞよろしくお願いします)
もし死んだら、三途の川を渡って、裁きを受け、そのうち新しい命に生まれ変わるモノだと思っていた。
でも。
「それでは、円滑な異世界転生のために、必要な質問を幾つかさせていただきます。
短い間ですが、ご協力よろしくお願いいたしますね!」
どうやら最近は、あの世の仕組みもちょっと違うらしい。
* * *
8畳くらいの真っ白い部屋。オフィス向けの灰色いデスクが中央に置かれ、簡素なパイプ椅子が幾つか添えられている。
―――これでのぞき窓があったら、まるで取調室だな。
パイプ椅子の片方に腰を下ろした俺は、ボンヤリとそんなことを思う。
「初めまして。転生担当官のセリナと申します」
俺の向かいに座っているのは、黒いスーツに身を包んだ少女。
長く癖のない黒髪。ぱっちりとした目で、光彩は茶色。あどけなさの残る顔立ちで、年の頃は高校生……いや、童顔の大学生、かな?
「あの……私の話、聞いてますか?」
「ああ、すまん。聞いてる。続けてくれ」
セリナと名乗った少女が、こっちを見て、困惑したような表情を浮かべていた。
俺が返事をすると、安心したように笑った。
「では、続けますね。
あなたは、鶴峯拓也さん。年齢は38歳。現住所は……」
セリナは手元にある書類を眺めながら、ツラツラと俺の個人情報を口にしていく。
「……以上で、間違いはありませんね?」
「間違いなく俺のことだな。
ただ、見ず知らずのアンタが、どうして俺の個人情報を握ってるんだ?
そもそも、ここはどこだ? 何で俺はこんなところにいる?」
何が何だかさっぱり分からない。
この場所で目を覚ます前、俺は一体何をしていたっけ?
―――たしか、会社に二日間くらい泊まり込んで、徹夜で仕事をしてたような。
ようやく仕事に目処がついて、帰宅して、それから……。
「拓也さんはご自宅の玄関で倒れて、そのままお亡くなりになられました。いわゆる過労死ってやつですね」
「血も涙もない解説をどうも」
死んだと言われても、実感が湧かない……と言いたいところだが、そういえば最近はやたら調子が悪かったな。
例えば、食事もあまり喉を通らなかったし、階段の上り下りが億劫だったり、仮眠を取ろうと思っても全然寝付けなかったり……。
「そうか、俺は死んだのか」
「はい、残念ながら。お疑いになられるのでしたら、その証拠をおみせしますが」
「死んでる自分の姿とか? それなら見たくないんだが」
「そうですか。では、これで試すというのはどうでしょう?」
物騒なことに、セリナはデスクの上にカッターナイフを置いた。
「今の拓也さんは魂だけの状態です。
肉体はもうありませんので、斬っても血は流れません。
どうぞお試しください」
「へー……今、血はって言ったな? 痛みはどうなんだ?」
「……」
ついっとセリナが視線を逸らしやがった。
おい、さすがに痛いのは勘弁してほしいぞ。
「冗談です。今の拓也さんは肉体がありませんから、痛覚も存在しません。
では、信じていただけたということで、説明の続きを」
「アンタ、実はメンタル強めだろ」
俺はカッターナイフを手に取って、刃を出す。
確かに最近は体調が良くなかったとはいえ、自分がもう死んでいるとはにわかに信じがたい。
どちらかといえば、ロクでもない企画に巻き込まれている可能性の方が高いだろう。
もしこれがドッキリ企画とかなら、俺が怪我するのはマズいはず。絶対に止めに入るだろう。
「本当に斬るぞ? いいのか?」
「ええ、どうぞ」
自傷行為なんて趣味じゃない。
だから、自分の左人差し指の表皮を、本当にうっすらと刃で切ってみた。
「……」
出ない。たしかに、血が出ない。
それに何より、痛みも全く感じない。
薄く切っただけだから、血が出ないこともあるかもしれない。
でも、俺は痛がりな方だ。痛みを感じないということは絶対にあり得ない。
そもそも、カッターを持っているというのに「物を掴んでいる」という感覚さえも朧気で気持ち悪かった。
「納得いただけましたね? では、次の説明に移らせていただきます」
あり得ないことが起きてしまった以上、もはやセリナに対して反論する気も起きなかった。
「残念ながら、拓也さんはお亡くなりになりました。
そして、ここへいらしたわけです。
この、死後の世界へ」
「ソウデスカ……」
死後の世界って本当に存在したのか。
他に色々と考えなければならないことがある気はするが、ショックが大きすぎてそれ以上の感想を抱くことができなかった。
「死後の世界って、思った以上に質素な造りなんだな」
「失礼な。これは予算の都合……って、話を逸らさないでください!」
セリナが頬を膨らせた。子供みたいに喜怒哀楽がハッキリしていて分かりやすい。おもしろい子だ。
「拓也さんは、今回の生でとても頑張られました。それこそ、死の直前まで。
そのため、特別に、転生先を選ぶ権利を授けられたのです」
「ヤバめの勧誘する人か、高額商品の押し売りする人にしか見えないな」
「うっ……ああ言えばこう言いますね!? その優しそうな顔立ちは詐欺ですか!?」
「俺は正直な感想を述べてるだけだが」
「とにかく! あなたは異世界に転生する権利を得たのです!!」
俺の言葉を遮るようにして、セリナはそんなことを言い出した。
「異世界転生……俺が?」
「はい!」
首を傾げて尋ねると、セリナは「その反応、待ってました!」と言わんばかりの笑みを浮かべる。
「それでは、円滑な異世界転生のために、必要な質問を幾つかさせていただきます。
短い間ですが、ご協力よろしくお願いいたしますね!」
時々手元の書類を確認しながら話をしている。
もしかして、あれはマニュアルなんだろうか。
異世界転生に関する手続きのマニュアル、なんてものが存在するのだとしたら……なんだか笑えてしまうな。
「何なんだよ、円滑な異世界転生って。異世界転生って、突然しちゃうもんじゃないのかよ」
「あ、そちらの説明を欲されますか」
そう思いますよねー、などとセリナは朗らかに笑っている。
「最近、人間の現実世界離れが進んでいるという話がありまして」
「ニンゲン、ノ、ゲンジツセカイ、バナレ……?」
なんだそれは。そんな話、どこでされてるんだ。聞いたことがないぞ。
「最近は、異世界への転生を希望される方が増えているのではないか……という話題で、死後の世界では持ちきりでして」
暇なのか死後の世界は。もっと明るくて楽しい話をしろよ。
「魂は輪廻転生するのが基本とはいえ、「その人」にとって「死」は一度きりですからね。
もしそうならば、異世界への転生を望まれる方のための専門部署を、早急に立ち上げねば、ということになりまして。
そうして新設されたのが―――この転生部異世界課なのです!」
ツッコミどころが多すぎて、もはやどっからツッコんで良いのか分からない。
「拓也さんも異世界転生をご希望なさっているようでしたので、サンプ……もとい、ご体験いただいて、良かった点や、逆に改善すべき点を教えていただければと」
店の利用アンケートみたいなこと言い出しやがった。
いや、そもそも、異世界に転生したら、この世界へ感想届ける手段を失うのでは?
そして、何よりも。
「俺、別に異世界転生なんて希望してないけど」
「えっ!? そ、そうなんですか!?」
正直な気持ちを言ったら、途端にセリナがしょげてしまった。
「す、すいません。こちらの手違いでしたか……」
見てるこっちが辛くなってくるくらい、しょげている。めげている。
「お部屋にあれだけ異世界転生モノの本を置いていらっしゃったので、てっきりご希望なのだと」
「異世界転生モノが好きだったことは認める」
俺は漫画も小説も、アニメもゲームも大好きな、いわゆる「オタク」だった。
中でも、現世で悲しい死を遂げた主人公が、その記憶を保持したまま異世界に転生して新たな人生を歩みはじめるという、異世界転生モノが大好きだった。
「そ、そうですよね!」
「ただ、「見るのが好き」と「体験してみたい」は別の話だろう」
「仰るとおりです……」
セリナはすっかり縮こまってしまった。
ちょっと罪悪感が芽生えてくる。
いや、待て。その姿に騙されるな。俺は大事なことをツッコミ忘れているぞ。
「そもそも、なんで俺の年齢氏名住所だけじゃなく、部屋にある本の種類まで知ってるんだ!?
俺のプライバシーを侵害するな!」
「ご安心を。死後の世界では合法です。
ほら、本人確認はキチンとしないといけないじゃないですか。転生という、人生を左右する事柄を取り扱う部署なので。
ご希望調査も兼ねて、拓也さんの部屋にある薄い本の内容まで確認済みです」
「ウワー、聞きたくなかった。色々と」
見ず知らずの年下(と思われる)女子に自分のプライバシー筒抜けとか、羞恥心で死にたくなる。
いや、俺もう死んでるんだっけ。
死んだと言われ、さらに知りたくもない事情までバラされて、さすがの俺も凹んでしまう。
「残念です。せっかく、同志とお話できると思ったのに……生で異世界転生の瞬間を拝めると思ったのに……」
「同志?」
ポツリと呟かれた言葉で、俺はおおよその事態を察した。
「なるほど。アンタも異世界転生モノが好きなのか」
「そうですっ!」
ガバッとセリナが身を乗り出してきた。
こいつ、切り替えが早いな。
「だって、素敵じゃないですか!
この世界では辛いことばかりで、死すら悲しみに彩られていて。
でも、異世界では努力が認められて、幸せになれる!」
興奮した様子で、ずずいっと顔を近づけてくる。
茶色の瞳がキラキラと輝いて。頬は薄紅色に染まっている。
「時間だけはたくさんありましたからね、たくさん読みましたよ!
どの作品も尊いですが、私が特に好きだったのは……」
そこまでしゃべって、ふいに黙り込んだ。
どうやら本来の業務を思い出したらしい。
「すいません。私的な話は横に置いておいて」
威厳を取り戻そうと思ったのか、コホンと咳払いをした後、居住まいを正してる。
いまさら遅いと思うのだが、そこをツッコむのは野暮だろう。多分。
決して、俺もツッコミ疲れたのだとか、そういうことではない。
「うう、異世界課の初仕事だと思って、張り切って準備してたのに……こちら側の手違いだったとは。
本当に、誠に、申し訳ありません」
セリナは深々と頭を下げた。なんだか俺がいじめたみたいで、居心地が悪い。
「申し訳ありませんが、少々このままここでお待ちください。
ご意向は、私が責任を持って転生部現実世界課にお取り次ぎいたしますので」
そう言って、セリナは立ち上り、この殺風景な部屋を出て行こうとする。
「待った」
「はい、何でしょう? 何かお入り用の物でもございますか?」
セリナはすっかり元気をなくしている。
俺は指先でトントンとデスクを叩いて、もう一度座れと合図した。
「話は終わってない。俺が知っておきたいコトは、まだあるからな」
「……その分、次の人生をスタートするのが遅れてしまいますよ?」
「別に急ぐもんでもないだろ。どうやら俺は死んだばかりらしいし」
あなたは死にました。さっさと次の人生を始めてください。
そんなことを言われたって、ハイそうですかと納得なんてできるか。
ここがどういうところで、転生がどういうものなのか。もう少し詳しく聞いたって、バチは当たらないだろう。
「私、新人なので、あまり込み入ったことはお話できませんが、それでもよろしければ」
セリナが再び椅子に腰を下ろしてくれたので、気になっていたことを聞くことにする。
「俺は、人間が死んだら、三途の川を渡って、裁きを受けて、新しい命に生まれ変わるんだと思ってた。
でも、あんたの説明だと、そうじゃなさそうだな?」
「ああ。伝統スタイルを好む方には、そういう転生の仕方になってますよ。なくなったわけじゃないです」
おいおい、それじゃあまるで、俺がこのスタイルでの転生を望んだみたいじゃないか。
「基本的には、お亡くなりになる前に事前調査をして、その方の思いに沿ったお迎えと送り出しをしています」
「死後は、その人の死生観にあった取り計らいがされるってコトか」
なるほど、個人によって対応が違うってか。そりゃそうだよな、うん。
「そうです。今までは、伝統的なスタイルに則った転生プランをご利用いただいていたわけですが……「最近は異世界転生を望まれる方が増えたのでは?」という話になって、急遽こういうプランもご用意したわけです。
そして、拓也さんの場合、あまりお迎えに対してはこだわりがなさそうでしたので、こちらのスタイルとなったわけです」
「そんな言い方されると、俺が情緒もへったくれもないヤツみたいじゃないか」
お前にはこの取調室みたいな場所がお似合いだと言われたようで、少し腹立たしい。
まあ、腹が立ったところで、どうにかできるもんでもなさそうだが……。
「まあ、いいや。とにかく、この仲介所みたいなところを経由して、俺は異世界に転生することができるはずだった、と?」
「ざっくり言えばそんな感じになりますね」
なるほど、よく分からん。
そう喉まで出かかったが、ぐっと堪える。
「そもそも論としてさあ、この方法だと、エモさの欠片もないと思うんだが」
セリナは感想を求めていたようだし、思ったことは正直に伝えておこう。
「気づいたら、好きだったあの物語の、こういうキャラに転生してましたーとか。
死んだと思ったら、すごい神様とかが待ち受けていて、チート能力授けてくれてーとか。
そういうエモいポイントが必要だと思うんだよ」
「分 か り ま す !」
セリナがガッと身を乗り出して、俺の両手を掴んできた。
「そうですよね! やっぱり、シチュエーションって大事ですよね!?
こんなクッソ雑な部屋に呼び出されて、お前の好きな世界はどんな世界ですかとか質問攻めにされる展開なんて、燃えないし萌えないですよね!!」
手を掴まれてブンブンと上下に振られているのに、その感触は乏しい。まるで、自分の腕が見えない糸に操られて、勝手に動かされているような感覚だ。
それに。
熱弁しているセリナの頬は、上気しているように見える。だが、重なった肌にぬくもりは一切感じられない。むしろ、わずかに冷たいく思えるくらいで。
視覚と触覚のアンバランスさが、ここが現実世界じゃないと証明しているようだった。
「うちの上司、効率重視だから、そういった面での予算はかなり渋るんですよ!
そこを異世界側に任せちゃうと場所代とか人件費とかが余計に費用がかかるから、そういうのは上得意様だけにしておきなさいって!」
「そこは予算ケチっちゃ駄目だろ」
今、聞きたくもないドロドロとした部分を聞かされた気がする。
これ以上、俺の異世界転生に対する夢を壊さないで欲しい。
「あ、ご心配なく。全部が全部がこうだという話じゃないです」
「諸説あります、みたいに言うんじゃない。
あと、どこに向かって予防線張ってるんだ?」
「それは勿論、あなたに対してですよ、拓也さん。
物語に描かれているような転生もあります。
ただ、それがすべてじゃないという話なだけで」
クソ、つまるところ「俺はハズレを掴まされた」という話か。
どうせ死んで転生するなら、もっとヒロイックでカッコいい転生をしたかった……。
「できるものなら、私だって、女神様になりきって、あなたの転生をサポートしたかったです!
こう、奇麗な服を着て、神殿みたいな場所で、あなたをお迎えしたかったですよ!?」
「分かった、あんたの好みは分かったから、落ち着け」
捕まれた手を振ってアピールすると、ようやく手を離してもらた。
「でも、上司に「それはあなたの好みでしょう? 仕事にプライベートを持ち込んでは駄目よ」って言われたんです!
ホントに、ほんっとーに! あの人は分かってないっ!
この課が受け付ける方々は、転生に対して、もっと夢や希望をもっていらっしゃるはず!」
「いや別に、ここに来る人だけの話じゃないと思うが」
「もう! 拓也さんは、うちの上司と私、どっちの味方なんですか!?」
すっかり同志認定されたらしい。何というか、最初に比べて、物理的だけじゃなく、感情的にも距離が近くなってる気がする。
「まあ……どちらかと言えば、アンタが言ってたみたいなヤツの方が、俺の好みかな」
「そうですよね!」
セリナは威勢良く胸を張った、と思いきや、すぐに肩を落とした。
「ああ、どうしてうちの上司は分かってくれないんでしょう?」
「知らん。お前らの事情もよく分かってないしな、俺は」
俺は顧客扱いなんだろうか。
だとしたら、あんまり内情を深く聞くのも悪い気がする。
というか、俺が顧客なのだとしたら、こんな醜態をさらすなよと言いたい。
「ひとつだけ分かるのは、この世もあの世も関係なく、どこでも上司と部下の軋轢って発生するもんなんだな、と。
まあ、なんだ……あんたも大変だな」
企画を持ち込んでも、上司に却下される悔しさ。理解を得られない腹立たしさ。
その気持ちは、なんとなく理解できる。
だから、軽くねぎらいの言葉をかけた……つもり、だった。
「はっ! 私、分かりました!」
「絶対に分かってないフラグだぞ、それは」
パッとセリナの顔が明るくなった。
盛大に嫌な予感がする。
この子のことは知らないことばかりだが、それでも、何かよからぬことを企んでることは容易に想像がつく。
絶対、ロクなことにならないぞ。
「拓也さん、異世界への転生は望まれないんですよね?
でしたら、このまま死後の世界で暮らしません? そして、うちの部署に、課に所属すれば良いんですよ!
―――死後の世界で、私たちと一緒に、素敵な異世界転生プランを作っていく。
ほら、これもまた立派な異世界転生ですよ……多分!」
「ほらな! ロクな話じゃない!」
アンタ、俺の人生なんだと思ってるんだ。
……あれ、でも俺はもう死んでるから、人生って言っていいものなのか?
そう考えている間に、セリナは俺の横に来て、ガッチリ腕を掴んでいた。
「同僚に同志が増えれば、きっと上司もニーズってヤツを分かってくれますよね!
さあさあ、思い立ったが吉日。さっそく、直談判しに行きましょう」
「待て待て待て! 特別に与えられた選択権ってヤツはどうなっ……!?」
セリナはグイグイと腕を引っ張って、俺を立ち上がらせた。
最初の説明はどうした。俺には権利があるんじゃなかったのか!?
「ここでは、現実世界の物も、合法的な入手ルートが用意されてます!
漫画に小説にアニメ、ゲーム……続きや次作が気になっていた作品、いっぱいありますよね?
異世界に行ってしまったら入手困難ですが、ここならオフの日に楽しみ放題です。
それって、魅力的じゃありませんか?」
「それは確かに魅力的……って、クソ、作品の続きを盾に取りやがって!」
この仕事がひと段落したら消化しよう。そう思っていた積み本の数々を思い出す。
あそこに詰まっていた数々の物語を知らぬまま終わるのは、たしかに惜しい気がする。
そんな俺の迷いを見抜いたように、セリナは強気な笑みを浮かべた。
「さあ、いきましょう!
ここからが、拓也さんの人生のエクストラステージですよ!」
「分かった、分かったから、あんまり急かすな!」
セリナに腕を引かれ、俺は新しい世界への第一歩を踏み出したのだった。
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