第一話
JR新小岩駅の南口改札を出ると、今にも鈍色の空から雨が落ちてきそうな空模様だった。
内間智明はキャリー型のスーツケースを右手で引き摺り、左手に紙袋を提げていて傘をさすことができない。
だが、眼の前の長い商店街が屋根のあるアーケードだったのを思い出し、少しだけ安堵した。
様々な商店が軒を連ねる長いアーケード型商店街は、土曜日だからなのか、まだ昼前だというのに人の往来が絶えない。
大きな荷物を抱えた智明は、人波を不器用に避けながら、ようやく長い商店街を通り抜けた。
左手に大きなマンションを見ながら、凹凸のあるアスファルトの道を、スーツケースのホイールががなり立てる音を気にしながら進む。
コンビニや居酒屋を通り過ぎ、右に折れて路地に入ると、薄茶色のアルミフェンスに囲まれた二階建ての家屋が見えてくる。
古風な言い方をすれば、お屋敷と呼んでもいいくらいに立派な建物だ。
管理が行き届いているクリーム色の外壁には目立った汚れは見えない。
〈Symbiosis・シンビオシス〉と、ステンレス製の銘板が埋め込まれた鉄製の門扉は、片方だけ開いていた。
智明は玄関まで続くレンガを敷き詰めたアプローチを、スーツケースをガタガタと引き摺りながら、ダークブラウンの玄関扉の前に立ち止まる。
左側のフェンス沿いに駐輪場があり、スポーツタイプの自転車やママチャリが行儀良く並んでいる。
左手に提げた紙袋を足元に置き、不動産屋から受け取った鍵をジーンズのポケットから取り出して、玄関扉を解錠した。
右の肩で扉を押え、中に入ってからスーツケースと紙袋を三和土の上に置き、内部の様子を窺う。
広い玄関の両側に大きめのシューズボックスがあり、それぞれの把手の横に、部屋番号のプレートが貼ってある。
智明は〈203〉のプレートが貼ってあるシューズボックスの扉を開けた。
普通の靴なら三足は収納できる幅の棚が五段ある。
履いてきたスニーカーを一番下の棚に入れて玄関ホールに上がったが、スリッパを持ってこなかったことに気が付いた。
一瞬躊躇をしたが、靴下の汚れはないと自分に言い聞かせ、そのまま滑りの良い引き戸を開けて室内に入った。
玄関ホールの左側には、横幅と踏み台の広い階段が二階に向かって伸びている。
その階段下のスペースには大きめのカウンターキッチンがあり、その横に冷蔵庫や食器棚が並んでいた。
カウンターキッチンの前に伸びる廊下は、正面に見える奥の扉まで続いていて、その廊下を挟んだ右側には、居住者共用の広いリビングになっている。
廊下に面して三人掛け用のグリーンのソファと楕円形のテーブル。
オフホワイトの壁面には大型のテレビ、その前に木目調のローテーブルとグリーンのL字型のソファがあった。
リビングの奥にある大きめのアルミサッシから見える庭は、バーベキューができる程のスペースがある。
庭には今は花が散ってしまっている桜の木をはじめとした樹木や花壇があって、季節の移り変わりを感じることができそうだ。
庭に面した縁側のようなスペースには、丸いテーブルを挟んでロッキングチェアが二脚あった。
その一つに、銀髪が目立つ長めの髪と白い顎鬚を生やした年配の男性が、眼を瞑って身を沈めている。
智明は挨拶をしようと思ったが、男性の睡眠を邪魔するのは申し訳ないと考え、重たいスーツケースと紙袋を持って、音を立てないように注意をしながら階段を上った。
階段を上りきると、大きな踊り場の右手に共用の洗濯機置き場があった。
そして、踊り場の正面に、〈203〉のプレートを貼った木製のドアがあり、そこが今日から智明の塒になる。
203号室から右手の奥に廊下が続いていて、同じ並びに二部屋、廊下を挟んだ反対側には一部屋があり、二階には合計で四部屋があった。
不動産屋の話では一階は三部屋で、二階建てのシンビオシスには、合計七部屋があるとのことだった。
静まり返った廊下に鍵でシリンダー錠を開ける音が響き、智明は誰にともなく申し訳なさそうに肩をすぼめて部屋に入った。
カーテンのかかっていない東向きの窓から曇天の弱々しい光が差しているので、薄暗く感じるが照明を点ける程ではなかった。
入ってすぐの右側に、一口タイプのIHコンロと小さなシンクがあり、その下にビジネスホテルでよく見かけるタイプの小型冷蔵庫がある。
細い通路を挟んでドアがあり、中を覗くと温水洗浄式トイレと鏡の付いた洗面台、曇りガラスで囲まれたシャワーブースがあった。
居住スペースは七畳程の広さで、サッシの上にエアコン、天井にはLED照明が既に設置されていて、ベッド枠の他にデスクと椅子も備えられている。
203号室は角部屋なので、南向きの出窓もあり風通しは良さそうだ。
智明はスーツケースと紙袋を部屋の隅に置き、東側の窓を開けた。
二階なので眺望は望むべくもなく、蝟集している家々の屋根とマンションしか見えない。
南側の窓も開けると、やや湿り気のある重たい風が、土の匂いと一緒に部屋に流れ込んできた。
一通りの大型家具は揃っているので、自分で手配しなければならない物は寝具とカーテン、それとテレビ、掃除機くらいだ。
この四月に勤務している時計メーカーの大阪営業所から久しぶりに東京本社に戻ることになった智明には、四年間近くの交際を経て結婚を約束していた女性がいた。
同僚が開催した合コンに員数合わせを頼まれ、嫌々参加した時に知り合った二歳年下の黒岩碧は、都内の大手家電メーカーに勤務している。
二人の間で結婚の意志が確認できた一昨年の年末に、碧は独身のうちに一度は一人暮らしを経験しておきたいと実家を離れ、今は横浜市で自活をしている。
今回、智明の本社への転勤を機に、二人は碧の部屋で一緒に暮らす予定にしていた。
だが、予想もしていなかった事態で、同居生活を始める前に二人の将来に向けた計画は破綻してしまった。
大阪で使っていた家具と家電はリサイクルショップで処分したり、友人に譲ったりして、衣類を含めた身の回り品とパソコンだけを持って智明は東京に戻って来た。
だが、期待に胸を膨らませていた碧との新生活は実現することなく、無残にも砕け散ってしまった……。
智明はデスクの上に置いてある備品の説明書を綴じたファイルを手に取り、内容を確認するために備え付けの椅子に座った。
表紙をめくろうとすると、壁に設置されているモニターホンから間延びした電子メロディが流れてきた。
椅子から立ち上がってモニターホンを確認すると、小型のモニター画面に作業着姿の男性が映し出されている。
注文していたテレビと設置する台が届いたようだ。
操作に戸惑いながらモニターホンのスピーカー部に返答し、智明は部屋を出て階段を下りた。
玄関の扉を開けると、でっぷりと太った中年男性と、茶髪でひょろっとした若い男性が、台車に積んだ大きな段ボール箱の後ろで軽く頭を下げて挨拶をしてきた。
同じように軽く頭を下げて挨拶を返した智明の先導で、二人は大きな段ボール箱の一つを持ち上げて、階段を慎重に上る。
開け放したままの扉から入り、がらんとした部屋の中央に段ボール箱を置き、二人は静かに階段を下りて玄関に戻った。
再び大きな段ボール箱を部屋に運び入れ、「設置場所はどの辺に?」と、でっぷりの方の作業員が訊いてきた。
アンテナの端子場所を確認していなかった智明は部屋を見回し、南の窓側の左にあるアンテナ端子を見つけ、「あ、あの辺に」と、指で設置場所を指定する。
頷いた作業員が段ボール箱を開梱し始めたので、智明は作業に要する時間を尋ねた。
「三十分はかからないと思います」と、でっぷりの方が愛想よく応える。
でっぷりがひょろりに指示をしながら、開梱したテレビ台を二人で組み立て始めた。
「出来るまで下にいていいですか?」
することもなく手持無沙汰で突っ立てるだけで、しかも人見知りの智明としては、見知らぬ人と狭い空間に居るのがいたたまれなくなり、でっぷりに訊いた。
「終わったら声をかけますから」
でっぷりはそう言って、早くも首筋に滴り始めた汗を、腰にぶら下げている薄汚れたタオルで拭いた。
智明は部屋の扉を開け放したまま段を下り、スニーカーを履いて外に出る。
自分と作業員の飲み物を買いに、来る途中に見かけたコンビニに向かった。
買い物を終えて、飲み物の入ったコンビニの袋を提げて玄関から階段を上がろうとしたとき、「引っ越しですか?」と、キッチンの方から声がした。
階段に踏み出した足を戻してキッチンに視線を向けると、先程ロッキングチェアに身を沈めていた、髪も髭も白い年配の男性が、笑顔を智明に向けている。
「……あ、はい。今日からお世話になります」
智明は年配の男性に頭を下げた。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします。ボクは101号室の市川といいます。このハウスで一番の古株です。年齢もですけどね」
市川と名乗る年配の男性が、ニコニコと笑いながら自己紹介をした。
「あ、すみません。ボクは203号室の内間です……。こちらこそよろしくお願いします」
智明は年長者に先に名乗られてバツが悪くなり、再び頭を下げながら挨拶をした。
「そんなに堅苦しくなさらないで、もっと気楽に……。何か困ったことや気になることがあったら、遠慮なく言ってください。さっきも言ったようにボクはここの主みたいなもんですから、と言っても、ここでは上下関係なんて厄介なものはありませんから主は変だったかな。ま、とにかくボクはいつも一階で屯してますから、気軽に声を掛けてください」
冷蔵庫から取り出したペットボトルのお茶のキャップを開けながら、市川と名乗った男は気さくに言った。
年齢は六十代だろうか。
だが百七十八センチの智明と変わらぬ背丈で、半袖のポロシャツから覗く二の腕は太く、全体的に筋肉質で話し方もはきはきしている。
ロッキングチェアに戻る市川の後姿を見送り、智明は階段を上って自室に戻った。
作業中のでっぷりとひょろりに声をかけ、二人のために買ってきたスポーツドリンクをデスクに置く。
智明は東側の腰高の窓の桟に尻を乗せて外の風景や二人の作業を見るでもなく、機械的にペットボトルのコーラを飲んだ。
意識を緩めると、自然と碧のことが頭に浮かぶ……。
碧に伝えていた大阪から戻る日の前日。
智明は同僚との送別会という、最後の飲み会を早めに切り上げた。
予め新大阪駅の大型コインロッカーに預けていた荷物を取り出し、碧へのサプライズを実行するために、最終一本前の東京行き新幹線に乗車した。
軽い酔いと疲れで新幹線の車内では爆睡していたが、セットしていたスマホのアラームで目を覚まし、新横浜駅で下車する。
JRで東神奈川駅、横浜駅と乗り継ぎ、横浜駅で横須賀線に乗り換え、碧の住む東戸塚駅のホームに疲れの残る足で降り立った。
金曜日の夜ということもあって、東口のショッピングセンターに繋がる陸橋は酔ったサラリーマンを中心に、多くの人が家路を急いでいた。
陸橋を渡り、ホイールの調子が悪いスーツケースと土産物が入った破れかけの紙袋に苦労しながら、智明は地上に下りる。
目についたコンビニで缶ビールとサンドイッチを買い、碧の住むマンションの玄関にようやく辿り着く。
そろそろ日付が変わる時刻だが、明日の昼前には着くと連絡しているので碧は在宅しているだろうと智明は考えていた。
合鍵はまだ貰っていないので、オートロックの扉の前にある呼出しボタンで碧の部屋の番号を押す。
予定外の訪問で碧が驚きの声で返答することを期待して、智明は浮き立つ気分で碧の応答を待った。
数回呼び出し音はするが部屋からは応答がない。
部屋の番号を間違えたかと思い、今度は慎重にボタンを押してみる。
だが、呼び出しのチャイムが虚しく鳴るだけで応答はないままだ。
智明はジャケットの内ポケットからスマホを取り出し、碧に電話をかけた。
呼び出し音はするが、こちらも応答がない。
リダイヤルをするが結果は同じだった。
碧がいるものと思い込んでいたので、ホテルなどは取っていない。
疲れもあり少し焦り始めた智明は、ラインで碧にコメントを送信したが、暫く経っても既読にはならない。
シャワーでも浴びているのかと思い、一旦玄関ホールを出てから十分程待ち、再びマンションに入ってから呼び出しボタンを押したが、やはり応答はなかった。
三階にある碧の部屋を見上げたが、灯りは漏れていない。
新大阪駅で新幹線に飛び乗った時の高揚感は急速に萎み、両肩に重い砂袋を背負ったような徒労感が襲ってきた。
横に置いたスーツケースに恨みがましい視線を送りながら智明は思案した。
記憶では、駅周辺に二十四時間営業の漫画喫茶はなかったような気がする。
日付が変わった今は、横浜方面の終電は既に出た後だ。
智明は八方塞がりの状況を改めて認識し、子供みたいに碧を驚かそうとした自分を責めた。
もう少し碧の帰りを待ってみようかと思ったが、身体的疲労と当てが外れた精神的ダメージが大きく、早く横になりたくなった。
仕方なく、来る前の数倍の重さに感じるスーツケースを引き摺り、東戸塚駅に引き返した。
酔客を中心に列をなしているタクシー乗り場の最後尾に並び、スマホで横浜駅周辺で始発まで時間を潰せそうなところを検索した。
ようやく乗車できたタクシーの運転手に横浜駅西口と行き先を告げ、智明はシートに深く腰を沈める。
しばらくぼんやりと窓外を流れる街路灯や街の明かりを眺めていたが、内ポケットからスマホを取り出し、ラインを確認した。
期待を裏切り、碧に送信したコメントは既読にはなっていない。
電車のない時間にも関わらず、碧がスマホを確認しない理由に智明は見当が付かなかった。
スマホを落したりして無くしたのか。
それとも事故にでもあって、スマホを確認できない状態なのか……。
当然のことながら、この状況では悪い方向にしか思考が働かない。
スムーズに走ってきたタクシーを横浜駅西口付近で降り、智明は絶望的に重く感じるスーツケースを引き摺り、スマホで検索していた漫画喫茶に向かう。
深夜にも関わらず、受付には数人の客が順番を待っていた。
中には高校生ではないかと思うような少女も二人いる。
満室だったらどうしよう、と不安に思っていたが、運良く個室に空きがあった。
智明は料金を払い、穴倉のような部屋に荷物を運び入れ、倒れ込むようにソファに身体を預けた。
脱いだジャケットからスマホを取り出して確認したが、碧へのコメントは未読のままだ。
心身共に疲れていて動きたくはなかったが、とりあえずシャワーを浴びに行くことにする。
温度調整が思うようにならないシャワーを浴び、爽快感とは程遠い気分のまま個室に戻った。
テレビをつけて、東戸塚のコンビニで買ったサンドイッチを温くなった缶ビールで流し込んで、智明はソファに寝転がる。
それから緩慢な動作で何回目かのスマホのチェックをした。
だが結果は同じで、碧へのコメントは既読にはなっていない。
電話をかけてみたが、呼び出しの電子音が虚しく聞こえるだけだった。
呼び出し音がするということはバッテリー切れということはないし、電波が届かないような場所にもいないはずだ。
それなのに電話には出ないし、コメントも見ていないのは何故なのだろう……。
不吉な想像だけがどんどんと膨らんでいく。
泥沼の中にいるような微睡の中で、夢なのか現実なのか分からない光景が不快に交差している。
ようやく眠りに落ちそうになった朝の四時半に、智明はスマホの振動で悪夢が払拭されていない現実の世界に引き戻された。
JR横浜駅の横須賀線の下りは、五時少し前が始発なのを確認していた。
智明は、砂袋を両肩に背負ったような重苦しさのまま漫画喫茶を出る。
澱んだ漫画喫茶の空気と、まだ明けきらない街の空気を肺腑の中で入れ替えるように大きく深呼吸をし、急ぎ足で横浜駅に向かった。
気恥ずかしくなるほど大きな音をたてるスーツケースを引き摺り、まだ眠りから覚めていない街を俯いた姿勢で歩く。
久里浜行の始発電車にはぎりぎりで間に合った。
智明は空いている車内のシートに座り、スマホを確認する。
ラインを見ると、碧に送ったコメントが既読になっていた。
だが、碧からの返信はない。
昨日はどこにいたのか、何故返信をくれないのかといったコメントを、焦って打った誤字交じりの文章で送信したが、直ぐには既読にはならない。
休日の早朝の車内は、智明以外には首を折って眠りこけてる年配の会社員風の男性が一人だけだった。
一瞬電話をしようと考えたが、熟睡している男性の邪魔をするのは気が引ける。
もとよりマナー違反なので、智明は逸る気持ちを抑えスマホをジャケットのポケットにしまった。
少しの間目を瞑っていたが、電車は直ぐに東戸塚駅に滑り込んだ。
碧はラインの確認をしているが、部屋にいるのかはまだ分からない。
電車から一人だけ降車した智明は、昨夜と同じ道順でコンビニに立ち寄ることにする。
数時間前と同じ外国人の店員からアイスコーヒーを買い、店の外に出た。
アイスコーヒーをストローで一口飲み、碧に電話をしようとジャケットからスマホを取り出す。
リダイヤルしようと、智明がスマホの画面に視線を落とした時、人が走ってくる硬い靴音が聞こえてきた。
音のする方向に視線を向けると、碧のマンションの方角からスーツ姿の若い男が、慌てた様子で駅の方に向かって走り去っていった。
男を見送り、スマホの画面に碧の連絡先を表示したその時、今、目の前を通り過ぎた男の顔に見覚えがあることに智明は気付いた。
二月の三連休に上京し、碧と渋谷で買い物をしている時だった。
大型の雑貨専門店でシンプルなデザインの加湿器を二人で選んでいると、その男は碧に声をかけてきた。
碧は一瞬驚いた顔になったが、直ぐに表情を和らげてから男に挨拶をして、隣にいた智明を友達だと言って男に紹介した。
男は碧と同じ職場で働いている『なんとか』と名乗り、ついでと言った感じで智明に軽く頭を下げた。
だが、智明はそれ程関心がなかったので、男が名乗った名前を記憶していない。
男は自分も細々とした文具類を買いに来たといったようなことを碧に話している。
それから少しの間、昨日のあれはどうだったとか仕事の話をし、じゃあと碧にだけ挨拶をして、気取った歩き方で二人から離れて行った。
あの格好つけた男も東戸塚に住んでいるわけはない。
あの日、男が立ち去ったあと、碧が同じチームで一緒に働いているとか、結構チャラいからあまり好きではないとか、智明が訊きもしないのにやたらと饒舌に説明をしてくれた。
その時の話の中で、男の実家は浅草にある有名な老舗の日本料理店で、今も浅草の実家に住んでいるお坊ちゃんだと、碧が話していた記憶がある。
その浅草に住んでいる男が、始発が出る前の早朝に、碧が住んでいるマンションの方から来ることの意味は……。
※最後までお読みいただき、ありがとうございます。
暇つぶしになって次回も読んでみたいと思っていただけましたら、幸いです。
他に【ポイズン~自己中毒~】という物語もアップしていますので、ご興味がありましたらご一読をお願いします。