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絶望という光に恋を捧げて  作者: 人生の放浪者
1/9

目を背けないで

はじめまして。異世界転生、ハーレム、SFなど2次元で完結し、現実の恋愛とは無縁の話にうつつを抜かしている人たちへ。これはあなたが体験するはずだった、もしくは体験したかもしれない世界の話。そしてそれがたまたま体験したのが主人公だった。

主人公は人口の数だけある。そして今、この世界の主人公は画面の向こうのあなたですよ。

 全てにおいて始まりがあれば終わりがある。それは何事にも例外は無い。


 恋愛の終わりはないと言うが、それは本当だろうか

年の差、禁断、次元を超えたものなど様々なものがあるが、これらの中に終わりが無い恋愛などあるだろうか。否、それは無いだろう。

 何故人は傷つくのをわかっていながら始まりを作って終わりを拒むのか。心底理解に苦しむものである。


 兎角言う私も、そのうちの一人なのだがね


 これはそんな思想を抱えた私の日記(ものがたり)である



1

 カーテンの隙間から朝の日が差し、私の顔を照り付ける。肌寒い空気が纏う部屋の中、私は重たい体を上げベッドから床に足をつける。

 幸せのあとにも絶望のあとにも明日は変わりなく来るようで、そんな世界に嫌気がさす。何があったかは深くは言わないが、軽く失恋したとだけ言っておこう。原因は不明、唐突に好きじゃなくなったらしい。


「クリスマスの時、指の太さ測ってきたのはなんだったの」


 お互い高校生で遠距離恋愛だったこともあって、言葉にできないほどの嬉しさが込み上げたのを未だ鮮明に覚えてる。

相手にとって私ってなんだったのだろうか。

 未練しか残っていない感情に蓋をして、扉の前に立つ。今ここで縄をくくり死んでしまえば、あの人は私のことを心配して、後悔してくれるのだろうか。そんなばからしい考えが浮かぶほど今の私は冷静じゃないらしい。


 まだ幼稚な考えを持っている頭を冷やすため、充電コードが刺さったスマホを立ち上げる。既読がつかないのをわかっているのに「おはよう」とLINEを送ってしまう時点で、冷やす気は無いのだろう。


 ばかみたい、そう感情を吐露しながら配信アプリを開く。

私と彼が出会ったきっかけのアプリ。思い出がつまったこのアプリを消せば気持ちが変わると思ったけど、空いた心の穴を埋めるために使ってしまう。こんなにも未練が残っているはずなのに、新しく人との縁を結ぼうとしてる自分が一周まわって笑ってしまう。意外と強いんだな、私って


 おすすめの声で出てきた配信者。それがまた、私が同じ過ちを繰り返すきっかけであった。

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