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ふゆのうた 他、六首

作者: 槁木 しかい

一。

ふゆのうた しじまのうちに かなでては

おとなきおとが あふれだす

すがたみえねど いぶきはみちる

けはいなくとも いのちをつなぐ

かれてはてても めぶきをたくす

はるよ はるやい おまえをよばう

むすうのこえがきこえるか


二。

天に哭き 地に嘆きては 喝飛ばす

然りとて止まぬ 人の歩みか

路傍の石を 見やるが如し


三。

見て観えず 聞いて聴こえず 上の空

虚な顔の 人の多さよ

生きるも死ぬも 嗚呼変わりなし


四。

葉落ちて 哀れ痩せ枝 晒せども

内に秘めたる 蕾や見事

耐えて忍んで 春を待ちたり


五。

行き去りて 舞い戻りては また去りて

人も季節も 巡り廻って

果てぬ旅路に 流れ流れて


六。

朝ぼらけ 遠き故郷(ふるさと) 垣間見て

目を凝らすれば 揺らぎて消ゆる

消えてもなおも じっと見つめる


七。

寒空に 白頭晒す 好々爺(こうこうや)

赤く色づく 愛子(まなこ)の頬よ

ちらつく雪を 振り払い

そっと手拭い 被せけり

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