第27話 捕まったアスベル
ソルガファーン王国の玄関、ウェゼテの港の養鶏場に訪れたリレイズたち。
リレイズ「うちの老いぼれがにわとりを持ち出して悪かった」
養鶏場の管理人「いえ、いいんですよ」
ゼイエン「リレイズ様に謝らせるとはなんてこった」
ニズワトル「いーや。リレイズ様が謝れと言うんなら謝ってやらんこともなかった」
アネッカ「何よ、その反省してない言い方」
コケッ コケッ コケコケッ
養鶏場の管理人「もうこんな時間だ。卵の回収をしなくては」
アネッカ「おじさん、まさか1人で?」
養鶏場の管理人「費用が無くて、従業員をあまり雇えないので」
ウィリップ「養鶏場のにわとりから卵を回収するのを手伝うよ。な、ゼイエン」
ゼイエン「いい考えだぜ。リレイズ様は休んでいてくださいよ」
コケッ コケッ
アネッカ「はーい、にわとりさん、失礼するわよ」
アネッカは効率よく卵を拾っていく。
ラストドン「へへへ、うまそうな卵だな」
食いしん坊なラストドンは、今にも卵を割って食べてしまいそうだ。
ウィリップ「おっとっと。…にしても多いなあ」
わりと慎重なウィリップは、卵を大事に抱えて運ぶ。
ウィリップ「ゼイエン、どれくらい回収したんだ?」
ゼイエンは何やらスイッチを入れた。
ゴオーッ‼︎
ゼイエン「大量、大量‼︎」
卵を掃除機で吸い込むという奇想天外な行動に、ウィリップたちはズコーッと転んだ。ウィリップは急いで掃除機のスイッチを切った。
イカリフ「掃除機かよ‼︎ どこから持ってきた⁉︎」
イカリフはお決まりの『どこから持ってきた』というツッコミを発動。
卵はいくつかヒビが入ってしまった。その卵を食べていいと養鶏場の管理人は言ってくれた。
ほかほかに炊けた白米、黄金色の黄身。最高の卵かけご飯だ。みんなでテーブルを囲んだ。
ラストドン「よっしゃああ‼︎ 飯だ飯ぃ‼︎」
アネッカ「ラストドン。食べる前に『いただきます』でしょ?」
アネッカはラストドンのお守りみたいだ。
ラストドン「いただきまガツガツ‼︎」
ラストドンは卵かけご飯を豪快にかけこんだ。
ジャソ「米粒を俺の方に飛ばすな‼︎」
リレイズの親友ガルサフの部下のジャソは、相変わらず不機嫌だ。
アネッカ「おいしい!」
ゼイエン「もぐもぐ。リレイズ様。これからどうすんですか?」
リレイズ「ソルガファーン王国が俺たちに協力するかどうかだ」
イカリフ「ソルガファーンは前の戦争にて現在も王が消息不明だ」
イカリフは社会をよく理解している。
ウィリップ「マジの話、他国の者に加担する余裕なんて1ミリもないんじゃにいんですかね…」
ウィリップは現実的である。
リレイズ「それを可能にしてこそ、ここに来た意味がある‼︎ 弱音は吐かないぞ、俺は!」
みんなはリレイズの心構えに感心した。
リレイズ「まずは情報集めだ。ソルガファーン王国の今の状況を知らなさすぎる」
アネッカ「じゃ、のんびり食べてられませんねぇ」
ラストドン「行くぞー‼︎」
ラストドンは席を立った。
ゼイエン「あははは、短時間でどんだけ食ったんだよ‼︎」
ラストドンは卵かけご飯を10杯も平らげていた。彼の特技は大食いと早食いだ。
別行動で、付近の民家へ聞き込みに行くことにした。
そのころ…。リレイズたちがいる場所から少し離れた海岸を、ソルガファーン城から脱出した2人の女が走っていた。
シャピー「ペント…‼︎」
ペント「どうなさったんですか? シャピー様」
シャピー「走るの疲れちゃった…。ちょっと休憩しよ?」
シャピーは消波ブロックの山の裏にしゃがみこんだ。
ペント「だめです」
ペントは即答だ。
シャピー「なによぅ! ちょっとくらい休んでもいいじゃない! プンプン‼︎ だいたいね、ペントは体力がありすぎるの! あたしはあなたほど…」
ペント「すぐに追手が来ます! シャピー様、さあ早く逃げますよ!」
そのころ…。ハマーニの村を囲む塀の前にいる、チーム・アシュロン。
ミィテ「アスベル。あんたドラグーン号から降りてどうする気?」
アスベル「決まってらー‼︎」
アンドファン「もしや…」
冷静なアンドファンは感づいた。アスベルは右肩をぐるんぐるんと回した。
アスベル「ドラゴニオン...‼︎」
光のドラゴンが空めがけて浮かび上がった‼︎ 塀の見回りをする帝国兵たちは気づいた。
帝国兵「なんだ⁉︎ ドラゴン⁉︎」
帝国兵「侵入者か‼︎」
アスベル「…ソード‼︎」
ドッゴオオオオン‼︎
帝国兵「うわああっ」
塀の一部が崩れた。
アスベル「やったぜ! すごいぜ! オレの技!」
クレイブル「派手にやったな…」
アスベル「さあ! 村を助けるぞ! どうした、お前ら? 固まってよ」
キーブレー「ミィテさんが…怒ってます…」
キーブレーは、隣にいるミィテの殺意で背筋が凍りついた。
ミィテ「バカアスベル‼︎ 何考えてんのよ、帝国に見つかって殺されるわよ‼︎」
アスベル「大丈夫だ。オレは死なねぇ。奴らを先にぶっ倒す‼︎」
帝国兵「いたぞ、あいつらが侵入者だ‼︎」
ナエラ「きゃああ、見つかったよぉ」
アスベル「やってやらあ‼︎」
アスベルは帝国兵に向かって走っていった。
ミィテ「バカ! 逃げんのよ‼︎」
シャペン「アスベルだけがヒーローじゃないぜ。俺も行く! 合戦の始まりだァ」
おしゃべりなシャペンはアスベルについて行った。
ジェピット「俺もだ! かかって来やがれ! 帝国兵ども!」
ジェピットも度胸がある。
クレイブル「敵部隊を分散させよう!」
クレイブルは落ち着いて行動した。
アスベル「ドラゴニオンソード‼︎」
ソロフィー「? ...どうしたの?」
アスベル「...あれ?」
アンドファン「おいおい、本気かよ。さっき力を込めすぎて...」
アスベル「体内のエネルギーを使い切っちまったのか⁉︎」
ソロフィー「そんな!」
ソロフィーはあきれてしまった。アスベルは腰を下ろした。
アスベル「これはなんとか克服しねぇとな」
ミィテ「座り込んで考えてる場合か!」
帝国兵「ドラゴンの技を放ったのはあの金髪だった」
帝国兵「捕らえろ‼︎」
アスベルは帝国兵の大群に囲まれた。
アスベル「ありゃりゃりゃー‼︎」
アスベルは一瞬のうちに手足をつかまれ、遠くへ連れていかれてしまった!
アシュロン「何してんだよー‼︎」
アスベル「助けてくれぇーっ」




