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デントラー  作者: 山石木一ろき
27/32

第27話 捕まったアスベル

 ソルガファーン王国の玄関、ウェゼテの港の養鶏場に訪れたリレイズたち。


リレイズ「うちの老いぼれがにわとりを持ち出して悪かった」


養鶏場の管理人「いえ、いいんですよ」


ゼイエン「リレイズ様に謝らせるとはなんてこった」


ニズワトル「いーや。リレイズ様が謝れと言うんなら謝ってやらんこともなかった」


アネッカ「何よ、その反省してない言い方」


 コケッ コケッ コケコケッ


養鶏場の管理人「もうこんな時間だ。卵の回収をしなくては」


アネッカ「おじさん、まさか1人で?」


養鶏場の管理人「費用が無くて、従業員をあまり雇えないので」


ウィリップ「養鶏場のにわとりから卵を回収するのを手伝うよ。な、ゼイエン」


ゼイエン「いい考えだぜ。リレイズ様は休んでいてくださいよ」


 コケッ コケッ


アネッカ「はーい、にわとりさん、失礼するわよ」


 アネッカは効率よく卵を拾っていく。


ラストドン「へへへ、うまそうな卵だな」


 食いしん坊なラストドンは、今にも卵を割って食べてしまいそうだ。


ウィリップ「おっとっと。…にしても多いなあ」


 わりと慎重なウィリップは、卵を大事に抱えて運ぶ。


ウィリップ「ゼイエン、どれくらい回収したんだ?」


 ゼイエンは何やらスイッチを入れた。


 ゴオーッ‼︎


ゼイエン「大量、大量‼︎」


 卵を掃除機で吸い込むという奇想天外な行動に、ウィリップたちはズコーッと転んだ。ウィリップは急いで掃除機のスイッチを切った。


イカリフ「掃除機かよ‼︎ どこから持ってきた⁉︎」


 イカリフはお決まりの『どこから持ってきた』というツッコミを発動。


 卵はいくつかヒビが入ってしまった。その卵を食べていいと養鶏場の管理人は言ってくれた。


 ほかほかに炊けた白米、黄金色の黄身。最高の卵かけご飯だ。みんなでテーブルを囲んだ。


ラストドン「よっしゃああ‼︎ 飯だ飯ぃ‼︎」


アネッカ「ラストドン。食べる前に『いただきます』でしょ?」


 アネッカはラストドンのお守りみたいだ。


ラストドン「いただきまガツガツ‼︎」


 ラストドンは卵かけご飯を豪快にかけこんだ。


ジャソ「米粒を俺の方に飛ばすな‼︎」


 リレイズの親友ガルサフの部下のジャソは、相変わらず不機嫌だ。


アネッカ「おいしい!」


ゼイエン「もぐもぐ。リレイズ様。これからどうすんですか?」


リレイズ「ソルガファーン王国が俺たちに協力するかどうかだ」


イカリフ「ソルガファーンは前の戦争にて現在も王が消息不明だ」


 イカリフは社会をよく理解している。


ウィリップ「マジの話、他国の者に加担する余裕なんて1ミリもないんじゃにいんですかね…」


ウィリップは現実的である。


リレイズ「それを可能にしてこそ、ここに来た意味がある‼︎ 弱音は吐かないぞ、俺は!」


 みんなはリレイズの心構えに感心した。


リレイズ「まずは情報集めだ。ソルガファーン王国の今の状況を知らなさすぎる」


アネッカ「じゃ、のんびり食べてられませんねぇ」


ラストドン「行くぞー‼︎」


 ラストドンは席を立った。


ゼイエン「あははは、短時間でどんだけ食ったんだよ‼︎」


 ラストドンは卵かけご飯を10杯も平らげていた。彼の特技は大食いと早食いだ。


 別行動で、付近の民家へ聞き込みに行くことにした。






 そのころ…。リレイズたちがいる場所から少し離れた海岸を、ソルガファーン城から脱出した2人の女が走っていた。


シャピー「ペント…‼︎」


ペント「どうなさったんですか? シャピー様」


シャピー「走るの疲れちゃった…。ちょっと休憩しよ?」


 シャピーは消波ブロックの山の裏にしゃがみこんだ。


ペント「だめです」


 ペントは即答だ。


シャピー「なによぅ! ちょっとくらい休んでもいいじゃない! プンプン‼︎ だいたいね、ペントは体力がありすぎるの! あたしはあなたほど…」


ペント「すぐに追手が来ます! シャピー様、さあ早く逃げますよ!」






 そのころ…。ハマーニの村を囲む塀の前にいる、チーム・アシュロン。


ミィテ「アスベル。あんたドラグーン号から降りてどうする気?」


アスベル「決まってらー‼︎」


アンドファン「もしや…」


 冷静なアンドファンは感づいた。アスベルは右肩をぐるんぐるんと回した。


アスベル「ドラゴニオン...‼︎」


 光のドラゴンが空めがけて浮かび上がった‼︎ 塀の見回りをする帝国兵たちは気づいた。


帝国兵「なんだ⁉︎ ドラゴン⁉︎」


帝国兵「侵入者か‼︎」


アスベル「…ソード‼︎」


 ドッゴオオオオン‼︎


帝国兵「うわああっ」


 塀の一部が崩れた。


アスベル「やったぜ! すごいぜ! オレの技!」


クレイブル「派手にやったな…」


アスベル「さあ! 村を助けるぞ! どうした、お前ら? 固まってよ」


キーブレー「ミィテさんが…怒ってます…」


 キーブレーは、隣にいるミィテの殺意で背筋が凍りついた。


ミィテ「バカアスベル‼︎ 何考えてんのよ、帝国に見つかって殺されるわよ‼︎」


アスベル「大丈夫だ。オレは死なねぇ。奴らを先にぶっ倒す‼︎」


帝国兵「いたぞ、あいつらが侵入者だ‼︎」


ナエラ「きゃああ、見つかったよぉ」


アスベル「やってやらあ‼︎」


 アスベルは帝国兵に向かって走っていった。


ミィテ「バカ! 逃げんのよ‼︎」


シャペン「アスベルだけがヒーローじゃないぜ。俺も行く! 合戦の始まりだァ」


 おしゃべりなシャペンはアスベルについて行った。


ジェピット「俺もだ! かかって来やがれ! 帝国兵ども!」


 ジェピットも度胸がある。


クレイブル「敵部隊を分散させよう!」


 クレイブルは落ち着いて行動した。


アスベル「ドラゴニオンソード‼︎」


ソロフィー「? ...どうしたの?」


アスベル「...あれ?」


アンドファン「おいおい、本気かよ。さっき力を込めすぎて...」


アスベル「体内のエネルギーを使い切っちまったのか⁉︎」


ソロフィー「そんな!」


 ソロフィーはあきれてしまった。アスベルは腰を下ろした。


アスベル「これはなんとか克服しねぇとな」


ミィテ「座り込んで考えてる場合か!」


帝国兵「ドラゴンの技を放ったのはあの金髪だった」


帝国兵「捕らえろ‼︎」


 アスベルは帝国兵の大群に囲まれた。


アスベル「ありゃりゃりゃー‼︎」


 アスベルは一瞬のうちに手足をつかまれ、遠くへ連れていかれてしまった!


アシュロン「何してんだよー‼︎」


アスベル「助けてくれぇーっ」

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