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デントラー  作者: 山石木一ろき
24/32

第24話 アスベルの過去 Part3 〜涙の別れ〜

 トウトーンの洞窟の外。アスベルの過去の話は続く。






 今から8年前の話。アヂの町、ゴヂの町付近...。


マーグベルス「フォーメーションマジック‼︎」


 マーグベルスは陣形をつくった! この陣形によってバリアが形成される! 槍太陽弐夜団はフォーメーションを崩さず、攻撃をしかけた!


 圧倒的戦力により、スズメバチの盗賊団の下っぱたちは次々と倒れていった。


ハチノス「チッ。こんな弱っちい奴ら育てた覚えないで」


マーグベルス「あとはお前1人だ。降参したらどうだ」


ハチノス「うるさいんじゃボケェ! わてをなめとったら承知せんど!」


 アスベルはハチノスに近づいた。


ハチノス「ほぉ、ガキが1人混じっとるやないか」


 ハチノスはニヤリと不気味にほほえんだ。


アスベル「俺が活躍できることをマーグベルスたちに証明してやる! 行くぞ、俺!」


ヒマンブス「下がってなさい、危ないわよっ」


 アスベルは神技の構えをとった‼︎


アスベル「ドラゴニオン...‼︎」


 パワーをチャージする! どんどん大きくなるパワー‼︎


アスベル「う、うわあ、耐えきれ...」


 ボガアアアン‼︎


 チャージに失敗して、あたりは煙で覆われた!


アスベル「ゲホッ、ゲホッ...。す...すげぇ! なんだ今の!」


ブーマゴン「アスベルの奴、いつもより断然上達してるぜ! 」


バリカン「取っておいた伝説のかけらが一致したのは本当なんだな...」


マーグベルス「煙で見えん! アスベル、どこにいる!」


ハチノス「服がすすで汚れてもうたやんけ」


アスベル「うわっ⁉︎」


槍太陽弐夜団「⁉︎」


ハチノス「ガキを人質にとられたらさすがに動かれへんわなぁ?」


 煙が消えると、アスベルはハチノスに片足をつかまれ、宙吊り状態になっていた!


マーグベルス「アスベルを離せ」


ハチノス「1センチでも動いたら、このまま頭と足持って、クソ結びにしてやってもええんやで」


アスベル「離せっ、この野郎!」


 ハチノスはアスベルの剣を取り上げて地面に捨てた。


ハチノス「こんなおもちゃ振り回して、わてにかなうとでも思てたんか? アホちゃうか」


 剣を踏んで壊した。


アスベル「よ、よくも壊しやがったなー‼︎」


ハチノス「ほな、鬼ごっこでもしよか。お前らが鬼やで。5分時間をあげたるわ」


バリカン「遊びに付き合ってられるか」


ハチノス「ガキの血ぃ見たいんか?」


マーグベルス「くっ...」


 槍太陽弐夜団はじっとしている。


 ハチノスはアスベルをつかんだままレオンベルス号に乗り込んだ!


槍太陽弐夜団「乗りやがった!」


 先ほどアスベルがレオンベルス号から飛び出した時、ドアが開きっぱなしになっていた。


ハチノス「今から5分数えや!」


 レオンベルス号は動き出した。


マーグベルス「追いかけるぞ!」


 デントレインを持っていないハチノスが、うまく運転できるとは思えない!




 ハチノスはアスベルを足で踏んだ状態で運転していた。


ハチノス「デントレインちゅーのはいちびった乗りもんやな。でもまあ便利やし、外装をわて好みに変えればこのまま奪ってやってもええわ」


アスベル「そうはさせるか!」


 ガブッ‼︎ 思いきり足に噛みついた!


ハチノス「いっでぇぇ! 何すんや、ワレッ‼︎」


 ハチノスの手元が狂った!


 ドガアアアン‼︎


 レオンベルス号はヤマアラシ山に衝突した。ヤマアラシ山は名前のとおり、とんでもなく大きくて鋭利な針が無数に刺さっている危険な山だ。


アスベル「う...」


 ドアから転がったアスベルは傷だらけで、針に服が引っかかって宙吊りだ。不幸中の幸いで致命傷に至らなかったが、出血量が多いため早急に治療するべきだ。


 ハチノスの姿が見つからなかったが、アスベル同様、もしくはそれ以上の大ケガを負っているのは間違いなかった。それとも死か...。


アスベル「誰か...助け...」


 泣きながら叫んだその時!


マーグベルス「アスベル‼︎」


 マーグベルスはものすごい速さで走ってきて、山をよじ登った。


アスベル「マーグベルス...‼︎ 血が‼︎」


マーグベルス「このくらい...どうってことないさ。お前の方が...ケガしてるじゃねぇか」


 マーグベルスはアスベルを抱き抱えたその瞬間、握っていた針が抜けて2人は真っ逆さまに落ちた。


アスベル「うわあああ‼︎」


 ドサッ‼︎


 マーグベルスはアスベルを守るように地面に落ちた。


アスベル「マーグベルス! 大丈夫⁉︎」


マーグベルス「.........」


アスベル「マーグベルス...嘘だろ...マーグベルス‼︎」


 滴る血...マーグベルスは落ちた拍子に大きな針に喉を掻っ切られていた‼︎ 声が出ない‼︎


アスベル「ごめん...ごめん‼︎ ごめん‼︎  本当、俺...バカだよ! 勝手なことして迷惑かけた...わあああ‼︎」


 マーグベルスはアスベルを抱き寄せた。仲間達が走ってやって来た。






 数日後...。見つかった金は町の復興に使われた。






 早朝...。


ミズナ「まだケガが完全に治ってないわ! 無茶よ」


バリカン「俺たちも必死で止めたんだが、リーダーが頑なに出発するんだって聞かないんだよ」


ミズナ「そう...。だけど心配だわ。声も...戻らないのに...」


 マーグベルスは、しょげた顔しないでくれと言わんばかりに手を振った。


ミズナ「アスベルはまだ寝てるわ。起こしてくるわね」


 マーグベルスはミズナの肩をつかんだ。


バリカン「アスベルの泣き顔見たくないからこのまま出発するんだってよ」


ミズナ「私がアスベルに怒られちゃうわね」






 その頃アスベルの家...。


 アスベルは目を覚ました。傷はまだ痛む。


アスベル「え...これって⁉︎」


 アスベルは部屋を飛び出した。心臓が飛び出そうになった。息を切らして走った。


ベガボルト「まだ間に合うか」


 アスベルの枕元には、立派な剣と、マーグベルスからの一通の手紙が置かれてあった。


『アスベル。


お前は絶対泣くから、黙って出発させてもらうことにしたぜ。それはMソードだ。お前にくれてやる。ドラゴニオンソード、絶対完成させるんだろ? 修行頑張れよ。


謝りたいことがある。今までお前が槍太陽弐夜団に入れてくれと何度も頼んできたが、からかって悪かった。本当は俺はお前を旅に連れて行きたかった。だが、アスベルが危険な目にあって死ぬかもしれないと思うと...今のお前ならわかるだろ?


それから、俺のケガについてだが、気にするな。お前を助けようと決めたのも俺の意思だからな。


次会う時、お前がデントラーになってチームを作ってなければ無視してやるぞ。


元気でな』


アスベル「ハア、ハア、ハア...!」






 レオンベルス号は走り出した。


ミズナ「槍太陽弐夜団のみんな、さよなら。遠い地でも新しい目標のために頑張ってね。...あら」


 アスベルがはだしで走ってきた!


アスベル「マーグベルスー‼︎ 槍太陽弐夜団ー‼︎ 俺をおいて行きやがってー‼︎ 絶対追いついてやるからなー‼︎ 世界一強いデントラーになってやるー‼︎」


 気づいたみんなは手を振った。


アスベル「ありがとう‼︎ ありがとうー‼︎」


 アスベルは泣きながら、鼻水をたらしながら大きく大きく手を振った。


 マーグベルスは笑顔で手を振った。


 


 槍太陽弐夜団、マーグベルスとの出会いは、アスベルの人生を大きく変えたのだった。

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