表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デントラー  作者: 山石木一ろき
22/32

第22話 アスベルの過去 Part1 〜槍太陽弐夜団〜

 トウトーンの洞窟の外...。


アスベル「俺、すでにかけらを取り込んでるのか⁉︎」


ベンツ「いつ手に入れたか忘れたのか?」


アスベル「今思い出してるところだ。......あ‼︎」


ミィテ「思い出した?」


アスベル「ああ。昔、()()()()()()が持ってた宝石みたいなものを触ったことがあるんだ。そういやあれ、伝説のかけらだって言ってた」


ジェピット「マーグベルス? 誰だそりゃ」


アスベル「槍太陽弐夜団のリーダーだ。すげぇ強い軍団だったんだ。俺にとって...」


 アスベルは話し始めた。






 デドン歴806年。今から8年前、アスベルが8歳の時の話だ。


 アスベルの住むボルボトーンの村に、数年前からとあるデントラーチームがよく訪れるようになっていた。


 彼らは『槍太陽弐夜団』と名乗った‼︎ そんじょそこらのチームとは違い、かなりの実力を持っていた。


マーグベルス「レオンベルス号の頭によじ登るガキがいるとはな」


 リーダーのマーグベルスは焦る様子はない。 


 レオンベルス号とは槍太陽弐夜団のデントレインの名前で、獅子のような立派なデザインだ。アスベルはレオンベルス号の頭部で仁王立ちしている。


バリカン「景色眺めたらさっさと降りてこーい」


 サブリーダーのバリカンものんきだ。


アスベル「遊びじゃない! これは証明だ! 度胸試しだ!」


バリカン「何する気だ」


仲間たち「見ろよ。またアスベルが面白ぇこと考えてるぜ」


アスベル「ここから飛び降りて地面に着地する。成功したら槍太陽弐夜団のメンバーに入れろ!」


マーグベルス「単に脅しじゃねえか」


バリカン「高いぞ、怖いだろ」


 アスベルの言っていることはみんな冗談だと思っていたが、なんとアスベルは本当にレオンベルス号から飛び降りた。


 ゴッツーン‼︎


バリカン「岩に頭ぶち当てたぞ‼︎」


マーグベルス「何で頭から落ちるんだよ!」


アスベル「いでぇぇぇよぉぉぉっ、チクショー‼︎」






ミズナ「目が覚めた?」


 目の前にミズナの顔が。アスベルは痛みで気を失っていた。頭を触ると包帯が巻かれている。ミズナが手当てしてくれたらしい。ミズナはアスベルにとって、歳の離れた面倒見のいい姉のような存在だ。


アスベル「マーグベルスたちは⁉︎」


ミズナ「店で食事してるわ。アスベルの話で持ちきりよ」


 ドタドタドタッ


 ミズナが切り盛りしているのはこのレストラン。村で唯一の飲食店だ。ミズナの住居とつながっている。


 レストランは槍太陽弐夜団のメンバーで貸切状態。にぎやかだ。


 酒を飲んでいるワミツォロゴが声をかけた。

ワミツォロゴ「おっ、アスベル! 目が覚めたのか」


アスベル「ああ、へっちゃらだ! マーグベルス‼︎ 俺、着地したぞ! 仲間にしてくれよ‼︎」


マーグベルス「失敗じゃねぇか。よくその程度ですんだな...」


アスベル「俺が強いってことが証明できただろ?」


マーグベルス「もうあんな危険な真似はするな」


アスベル「なんだよ! 約束と違う...」


フーシュロン「リーダーは約束交わしてないと思うぜ」

 チーズをつまみながら言った。


アスベル「なあ、俺を仲間に入れたくない理由はなんなんだよ。俺、毎日必殺技の特訓してるんだぜ。村の大人にだって組み手でいつも勝ってるぞ」


バリカン「リーダーがなかなか答えを言わないんで、サブリーダーの俺が教えてやるよ。リーダーがお前を旅に連れて行かないのは、お前がまだ世間知らずなガキだからだよ。お前の言う〝強い〟ってのは、世界には通用しないレベルだ」


マーグベルス「教えてどうする。気づかせないと意味ないだろ」


アスベル「世界には通用しないって、メカジジイにも何回も言われたな...」


リュマンボゲ「アスベルのじいさん、めちゃくちゃ厳しいもんな。わっしゃっしゃっ」


 酒樽を持ち上げて滝飲みしている。


アスベル「旅に出るのに歳は関係ない! 充分戦力になるぞ、俺は! そこらのガキと同じにしないでほしいね」


ウオヒッシ「お前8歳じゃん!」


ブーマゴン「まだまだチビだな」


 ウオヒッシとブーマゴンは料理を取り合いしながら言った。


ヒマンブス「取り合いはよしなさいよ。ブーマゴン、あんたも子供と間違われるくらい背が低いけどね」


ブーマゴン「うるせー、ヒマンブス! 肥満ブス! ブーブー! ブヒブヒ!」


ヒマンブス「ひどーい! あんたそれ悪口よ!」


アスベル「...俺より幼稚じゃねぇか?」


クリジモンツ「メシの時だけはたしかにそうかもしれない。ウィーック」


 酔っ払いのクリジモンツが言った。


アスベル「それに、俺のこと世間知らずって言うんなら、旅しながらいろいろ覚えていきゃいいじゃん」


アコヤリシゴ「いろいろって何よ?」


 ジュースをおかわりしながら聞いてきた。


アスベル「えーっと...」


 槍太陽弐夜団は口を揃えて言った!


「準備上手になれ! 暇があれば武器を磨く、直す! 道具を買い揃える! 食料を調達する!


聞き上手になれ! 人に会えば情報収集! 冒険のカギとなる!


トラブルに強くなれ! 危険を判断する! チャンスを逃さない!」


マーグベルス「とまあこんな感じで、修行以外にも大事なことはたくさんあるということだ」


アスベル「そ、そんなこととうにわかってらぁ」


 圧倒されてご機嫌斜めだ。






 次の日...。槍太陽弐夜団は再び旅に出発しようとしていた。町と町の紛争を止めに行くのが目的だ。


ミズナ「少し離れているけど、また戻ってきてくれるかしら」


ベガボルト「騒がしい連中だった。だが実力は期待できる」


アスベル「もう会えなくなるかもしれないのか...」


マーグベルス「よし、出発だ」


 シュゴオオオッ


マーグベルス「望遠鏡用意!」


 マーグベルスが望遠鏡を覗き込むと、アスベルのドアップ顔が‼︎


アスベル「町までどのくらいで着くんだ?」


全員「おいーっ‼︎ いつのまに乗り込んだんだよ‼︎」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ