表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デントラー  作者: 山石木一ろき
19/32

第19話 トウトーンの洞窟

 トウトーンの洞窟。


 飛び交う数多の小さな影は、コウモリのモンスター、プチバッターの大群だった!


プチバッター「キッキッキッ」


 ナエラとソロフィーはミニウェポンを投げた。ナエラのは杖、ソロフィーのはブーメランだ。全員武器を構えた。


 プチバッターは血を求めている。そして血に飢えている。鋭く尖った小さなキバをむき出しにして、アスベルたちに襲いかかった。


アスベル「よけるぞっ」


 洞窟内を飛び回るプチバッターは、一匹一匹は体も攻撃力も小さいが、群れになると1つの大きなモンスターとなる。


 剣や槍やハンマー……武器を振り回せばプチバッターの噛みつく攻撃は阻止できそうだ。


 だが。


クレイブル「う……なんだ……」


ソロフィー「頭がグワングワンする……」


 プチバッターは超音波を放ったようだ。人間の耳には聞き取れない音を出す技だ。

 超音波によって頭が混乱し、右と左がわからなくなってふらついた。


ジェピット「いでっ」


アンドファン「気をつけろぃ」


 ジェピットとアンドファンはぶつかった拍子に頭を打った。


アスベルとベンツ「任せろっ」


 アスベルとベンツは、運良く岩壁の裏に回っていたため超音波をかわしていた。


 アスベルは神技の構えをとり、ドラゴニオンソードを放った。光が生んだドラゴンは、プチバッターを次々と切り裂いていった。


  ズババシュッ‼︎


ベンツ「残りはオレがやる」


 ベンツはスパイラルガトリングを繰り出した。

 洞窟内に銃声が響き、複数の弾丸が螺旋状に放たれた。


 ズドドドッ‼︎ ドドドッ‼︎


 数多の小さな影は地面に散らばった。2人のコンビネーションで見事にプチバッターを一掃した。


 仲間たちは超音波の混乱から覚めた。


クレイブル「強いなぁ、お前たち」


ベンツ「わかれ道、俺はさっき右を行った。左に行ってみるか」


 左の道を選んだ。奥へと進んでいった。洞窟の構造は、いくつもの道に分かれていた。道を記憶するにはメモを取るべきだ。


 先頭を歩くベンツの足が止まった。地面にキラキラ光る『何か』が落ちている。


アスベル「伝説のかけらだ!」


 並ぶようにして2つかけらが落ちていた。アスベルはすぐさま両方を拾った。


アスベル「取り込んでやる!」


 やる気満々のアスベルだが、かけらは反応しない。


ソロフィー「私たちも試させて」


 ソロフィーから順にかけらに触れていった。


 ナエラとシャペンが祈りながらかけらに触れたその時だ! かけらは強く輝き、2人の体に吸い込まれるように消えていった。


シャペン「当たりだぜ!」


ナエラ「これで自分の潜在能力を引き出せるようになったのね」


 シャペンとナエラは喜んだ。


アスベル「ちきしょーっ」


ジェピット「気長に行こうや、なっ、リーダー」


 拗ねるアスベルにジェピットが声をかけた。


アンドファン「またわかれ道だ。ベンツ、どの道へ進む?」


ミィテ「ねぇ、あれって……奥に人がいるわよ」


 ミィテが指差す先に、青白い光が見える。伝説のかけらが輝いているわけではなさそうだ。人が1人しゃがんでいる。じっとしている。


ナエラ「いやぁぁぁ、虫!」

 

 突然大声をあげたナエラは、ソロフィーにくっついた。蝶のようなものが横切った。


ベンツ「こいつらはアントフライだ」


シャペン「なぁ、ベンツ。この洞窟の中のモンスターは、みんなして大群で登お出ましするのかよ」


 次々と姿を現したのは、名前の通り、アリの体に蝶のような羽が生えたモンスターだった。体長は先程のプチバッター同様小さめだが、数が多い。


 アスベルたちは再び武器を構えた。


アスベル「あれは……こいつらの親玉か?」


 アスベルが気づいた()()は、アントフライと似ている外見だが、さらに大きな体をしたモンスター、ジアンフライだった。


 ジアンフライは、手下であるアントフライたちにがっちりと囲まれて守られている。奴の表情は、アジトに足を踏み入れられたことに腹を立てているように見えた。


アスベル「奥にいる()()()、このままだとあぶねぇぞ」


 アスベルは、おーい、と叫んだ。だが、青白い光に包まれた人間は返事をしないうえ、しゃがんだまま動かない。


ソロフィー「ケガしてたり体調が悪くて動けないのかも」


 助けに行こうにも大群によって道は塞がれているため、簡単には奥へ行けない。


 アントフライは自由自在に飛び、四方八方に狙ってきた。


ジェピット「ぐわあっ」


クレイブル「うぐっ」


 アントフライは、ジェピットとクレイブルの肩に噛みついた。


ナエラ「大丈夫ですか⁉︎ 傷を見せて。回復します」


 ナエラは2人に駆け寄って杖をかざした。


アスベル「人食いか」


ベンツ「それだけじゃない。こいつらは毒を持ってる。腹の毒針で刺されないように気をつけるんだ」


シャペン「おっかねぇ」


 ズババッ‼︎


 シャペンはファイアソードで斬りかかった。アントフライたちは次々に焼けていった。


シャペン「お、燃やすのいいじゃん」


ミィテ「げほっ。シャペン! 沢山倒してくれたのはいいけどね、洞窟内でこんなに燃やしたら超煙たいんだけど!」


 ミィテはバックサーベルで敵を斬りつけつつ、サーベルを振った時に生じる風圧で炎を消した。ソロフィーもブーメランを勢いよく投げて、燃え広がる炎を消していった。


 ベンツの乱射はアントフライの羽を破り、アントフライたちはヘロヘロと地面に落ちていった。


アンドファン「だいぶ数を減らせたか……」


 アンドファンはハンマーを地面におろしてふぅと息をついた。


アスベル「来るぜ、親玉が!」


 ジアンフライは護衛のアントフライたちを押しのけ、アシュロンに襲いかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ