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デントラー  作者: 山石木一ろき
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第18話 ベンツとの再会

 トウトーンの町から洞窟を目指すアシュロン一行。


ナエラ「見えてきましたね」


 ナエラが指差す先に、洞窟が見えてきた。ドラグーン号で移動するとすぐそこだった。ドラグーン号から降りると、洞窟から人が1人出てきた。


アスベル「お前は……ベンツ‼︎」


 谷底でジャイアントラットに襲われていたアスベルとミィテを助けてくれたベンツだった。アスベルたちはベンツの所にかけよった。


ミィテ「奇遇ね。また会うなんて」


 ミィテは全員にベンツのことを説明した。


アスベル「お前、なんで洞窟に来てたんだ?」


ベンツ「かけらを探しに来た。見つけたんだ」


アスベル「伝説のかけらを手に入れたのか」


ベンツ「ああ。運良く波長が一致した」


 ベンツも強さを求めて旅をしている1人だった。伝説のかけらのことを知り、以前から探していたらしい。


アスベル「お前までーっ。ずるいぞー!」


 アスベルは地団駄を踏んだ。


ベンツ「そのデントレイン。アシュロンだな。アスベル、あの時アシュロンのリーダーだと言ってたが、冗談だろ? アシュロンのリーダーはここ数年ジギガンが務めてると聞いてる」


シャペン「それがさー、訳あってリーダーは交代したんだぜ」


クレイブル「ジギガンさんがアスベルのドラゴニオンソードという必殺技を見て、謎の男ジャルベルの息子だということを確信し、アシュロンのリーダーを任せたんだ。これで本当だと信じてくれるか?」


ベンツ「そうだったんだな。疑って悪かった」


アスベル「洞窟、もうかけらは無ぇのかなぁ」


アンドファン「どうする? 入るのか? 入らないのか?」


ベンツ「アスベル。俺、強さを求めるにはお互いを高め合える仲間が必要だと思ってたんだ。俺も共に行かせてくれ。足は引っ張らない。どうだ?」


アスベル「やったー‼︎ 新しい仲間だーっ‼︎ お前の技、スパイラルガトリングを見た時、仲間に引き込もうと思ってたんだ」


ソロフィー「ほんとアスベルって人の願いを快く受け入れてくれるわよね」


シャペン「アスベルの夢、1000人の仲間を集めることだってよー」


ナエラ「せっ、千人? でも理想高いの素敵」


ミィテ「ベンツ。聞こえなかったんだろうけど、実はあんたが立ち去った後、アスベルはあんたに声かけたのよ。あの時は運転手になってほしいからだったけど」


ベンツ「運転手を探してたのか? 俺はデントレインの操縦はできないぞ」


アンドファン「安心しろ。運転はこの俺アンドファンが務めてる。よろしく」


 みんなは、わいわいと喋り出した。


ソロフィー「ひょんなことから仲間が集まる、それがアシュロンなのね」 


ベンツ「……ジャルベルの息子ということは……オレの親父が言ってた、電聖(デントマスター)の候補なんだな、お前は」


アスベル「あ? デントマスターってなんだ?」


ベンツ「アスベル、知らないのか。デントラーの頂点の別の呼び方だ。俺の親父は、デントマスターなんて呼び方長ったらしいだとか言って、結局、頂点と言っていたけどな」


アスベル「ふぅん。お前の親父ってどんな奴なんだ?」


 ベンツはハッとした。


シャペン「うっかり口を滑らせちまった? 触れたくないことをさらけ出しちまった?」


 おしゃべりなシャペンは、だまっておいたほうがいいことまで言ってしまう時がある。


クレイブル「聞かなくていいぞ、シャペン」


ベンツ「親父については……あまり話したくない」


アスベル「あっそ。じゃあいいけど」


 アスベルは特に何も思わなかった。


ジェピット「さあ、ベンツ。かけらがあった場所まで案内してもらうぜ」


 腰に手を当てながらジェピットが言った。


ベンツ「まだここを探すのか?」


クレイブル「洞窟の中全部探したわけじゃないんだろ? いくつかまだ隠れてるかもしれない」


ナエラ「1つのダンジョンにかけらが1つだけとはかぎらないと思いますよ」






 洞窟に入ると、ひんやりとした風が吹いた。天井は所々崩壊している。地下水脈が通っており、洞窟内は草木におおわれジャングルのようだ。


ソロフィー「私たち初めて入ったわ、ね、ナエラ」


ナエラ「だって洞窟なんて怖いんだもの」


ベンツ「警戒が必要だ。ここはモンスターがうようよといるぞ」


 ベンツを筆頭に、一行は奥へと進んでいった。






 一方、ここは山賊のアジト。通称、オオカミハウス。トウトーンの町の近くに建てられたあばら家だ。


ガベシ「戻りましたぜ!」


ジベシ「ヤーヴォルフのアニキ!」


 ドタドタと足音を立てて、ガベシとジベシが中に入ってきた。


ジベシ「いい情報を仕入れてきやしたよ。伝説のかけらとかいうやつです。そのかけらを見つければ、かくかくしかじか」


 ジベシは興奮しながら言った。


ヤーヴォルフ「んぁ? うるっせぇな、おれぁキムチをおいしく食ってんだよ。人の食事を邪魔すんなや」


 ヤーヴォルフの食べ方は下品極まりない。


ガベシ「人のって……アニキは人間じゃないでしょ」


 ガベシが呆れながら言った。


 ヤーヴォルフはオオカミ人間だ。簡単に言うと、言葉を話す二足歩行のオオカミだ。人から奪ったダメージが入りまくりのズボンを履いている。


ヤーヴォルフ「ああ、急に川で泳ぎたい気分になってきたぜェ!」


 ヤーヴォルフはフランスパンを片手にオオカミハウスを飛び出した。ジベシとガベシが追いかけると、


ガベシ「アニキ! ちょ、どこ行くんすか! そっち、崖っすよ!」


ジベシ「あっ、間に合わなかった」


 ひゅうううん ドォン!


 ヤーヴォルフは崖にダイブした。しかし、崖の底には川など流れていない。


 ヤーヴォルフは訳の分からない行動に出るいわゆる変人、いや、変獣だった。 


ガベシ「大丈夫っすか、アニキ」


 2人はヤーヴォルフを見下ろした。


ヤーヴォルフ「何ぃ? かけら? 潜在能力? はよ言えよ! アホちゃうか、お前らぁ!」


ジベシ「いちおうオイラたちの話聞いてたんだな…」


ガベシ「理解するのに時間かかりすぎ…」


 ヤーヴォルフは崖を軽々と登ると、握っているフランスパンで2人の頭を一続きにしばいた。


 スパコーンッ‼︎






 一方、洞窟では…。


ベンツ「もうすぐ分かれ道だ」


 ガサッ ガサッ


 天井の異変に気づいた瞬間! 数多の小さな影が鋭く飛んできた。


ベンツ「あぶない!」

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