第10話 アシュロンの仲間
ジェピットは、小柄ながら瞬発力を活かして早く走れる。
クレイブルは、クールだが熱烈な意気と情熱を持っている。
シャペンは、喋ることが好きで口数が多く、自由な性格だ。
3人は、ジギガンが率いるデントラーチーム『アシュロン』のメンバーだった。
ジェピット「ジギガンさんと別行動して、ここらのはぐれデントラーを退治してたんだ。悪事を働く奴らが多くてよ」
シャペン「さっき、厄介な事をしやがる2人組のはぐれデントラーを押さえようとしてた。なのにうまいこと逃げやがった」
シャペンは唇を尖らせて言った。
ジェピット「アスベルはジギガンさんのこと知ってるんだな」
アスベル「ああ。オレ、アシュロンの新リーダーだから。お前たちもオレの仲間だ」
3人「えっ? 新リーダー?」
アスベル「未完成だった必殺技ドラゴニオンソードを成功させて、はぐれデントラーのレフトゼロって野郎をぶっ飛ばしたんだ。そしたらジギガンのおっさんが、お前なら信用できるっつってよ、アシュロンのリーダーの座とドラグーン号をくれたってわけだ」
ジェピット「本当なのかよ?」
ジェピットは驚いた。
シャペン「ふーん、必殺技ドラゴニオンソードか」
シャペンはドラゴニオンソードについていろいろ聞いてきた。
クレイブル「リーダー交代するなんて聞いてないぞ。勝手に決めるとはなあ」
クレイブルは困った顔をした。
シャペン「いいじゃん。ちっとはマシな運転してくれるだろ」
今までアシュロンの中で運転ができるのはジギガンだけだった。だがジギガンは残念なほどに運転音痴だった。それはジギガンの唯一の弱点だった。しょっちゅう行き先を間違えた。
ミィテ「やだぁ、あの人」
シャペン「ジギガンさんがいない今こそ笑っていいぞ」
ジェピット「ドラグーン号はこの辺に停めてるのか?」
アスベル「もう少し先だ。さっき岩山にぶつかったんだ。それで運転手をやってくれる奴を探してる」
クレイブル「おいおい。つまり、アスベルは全く運転ができないのか⁉︎」
シャペン「なんだよ、期待できると思って歓迎したんだぞ」
アスベル「運転手が見つからなかったら、オレが運転の練習をしようと思ってる」
ジェピット「まあいいよ、とにかく」
3人は、ドラグーン号の元に着くまでアスベルらと同行することにした。
クレイブル「君はアスベルの仲間なんだな?」
ミィテ「仲間というか…。ディガイアン商会ってあるでしょ。あたし、その令嬢なの。1人旅の予定だったんだけど、ドラグーン号で山の麓まで運んでくれるらしいのよ」
クレイブル「あのミニウェポンの‼︎」
ドガアアアン‼︎
ジェピット「なんだ⁉︎ 爆発音か」
シャペン「ありゃ駅のある方向だ」
ミィテ「駅ってことはもしかして」
アスベル「アンドファンが」
シャペン「アンドファンって誰だ?」
シャペンはどんな時も興味津々だ。
ミィテ「電車の運転手よ。たった1人で運転してるわ」
シャペン「てっきり廃線だと思ってた」
ジェピット「しまった、電車が狙われたんだ」
ジェピットはくやしがった。
クレイブル「さっき話した2人組のはぐれデントラーに違いない。あいつら、デントレインを創るんだと言って、あらゆる所から部品になる物を奪ってるんだ」
アスベルは駅の方向に走った。
アスベル(あいつは電車の運転手だ。戦闘には慣れてないはずだ)
アンドファンが我が夢を語る声が頭に浮かんだ。
アスベルは夢を一番大事にしている。夢があってこそ自分は強くなれるからだ。夢を追い続ける者からそれを奪う者が許せなかった。
ジェピットに続き、全員でアスベルを追いかけた。
ホームに停まった水色の電車は、今まさに破壊されていた。
剣を握る青年はウォーノ、斧を振る男はハロハゴミーと名乗った。
アンドファン「いい加減にしろ‼︎ こんな事をして何がしたい‼︎」
アンドファンは額から血を流していた。2人の猛攻から逃げるので精一杯だった。
ハロハゴミー「しつけぇな。デントレインを創るのに電車の部品が必要だと言ってるだろう」
ハロハゴミーは強面だ。
ウォーノ「運転ハンドル、速度計、車輪。これだけじゃまだまだ足りねぇぞ」
ウォーノはかき集めた部品を床に並べた。
ハロハゴミー「1つ1つちぎっていくのも面倒だな。車両丸ごと持って行くか」
ハロハゴミーは先頭車両を力づくで押した。
ハロハゴミー「どりゃあああ!」
ドォォォォン‼︎
先頭車両は横転した。割れたガラスの破片がアンドファンの体に刺さった。
ウォーノ「おい、ハロハゴミー、てめぇ! こっちが使う部品なんだぞ。もうちょっと大事に扱えよ」
ハロハゴミー「ちと乱暴すぎたか」
ハロハゴミーはもじゃもじゃした髪をかいた。
ウォーノは軽やかにジャンプして、ガラスの破片まみれの車内に入ってきた。
ウォーノ「いい加減降りてもらうぜ。お前がいたら邪魔なんでな」
アンドファン「くっ……」
ウォーノは、手すりにしがみついて離れないアンドファンに剣先を向けた。アンドファンは倒れた座席に足が引っかかり、後ろに倒れた。ウォーノの振るう剣を運良くも避けた。かけていたサングラスが吹っ飛んだ。
ウォーノは怒鳴った。
ウォーノ「お前がいたら邪魔だっつってるだろ!」
アンドファン(くそ、オレは相棒のこの電車を守れないのか。乗客がいても守れないということだ……非力だ。それでもオレは運転手なのか!)
その時!
アスベル「待て! そこまでだ!」
アスベルたちがホームに現れた!




