05 第二章 第一話 チームロイ
いつものように村を巡回して村民のみんなに挨拶。
あんな大騒動があったのに、誰ひとり村を去った者はいなかったのが、嬉しい。
「ご主人さま、ちょっとっ」
後ろから近付いてきた武装魔車から、アリシエラが降りてきた。
何度言っても、ご主人さま呼びだけは止めてくれない。
「魔導探査機に変な反応があるので、確認してきますねっ」
「変な反応?」
「えらく激しい赤点滅が、だんだん村に近づいてきてるんですよっ」
嫌な予感がする。
あの大騒動の時でも感じなかったような、とても嫌な感覚。
「俺も行こうか?」
「ご主人さまは、リノアさんたちに付いていてあげてくださいっ」
「いざとなったら、この子の新兵器が炸裂しちゃいますよっ」
また何か、どえらいものを発明したらしい。
「程々に頼むよ」
「危なくなったら、命大事に、だぞ」
「任せてくださいっ」
「うちの子だってシブマ1号には負けていられませんからねっ」
モノカさんたちの武装魔車シブマ1号の大活躍は、アリシエラの職人魂を刺激しまくっているようだ。
「それじゃ、乞うご期待ですっ!」
いつも、期待以上の大惨事を見せつけられていた俺は、ため息をつきながら手を振って見送った。
どんどん遠ざかっていく武装魔車が、
だんだんと小さくなっていき、
そして、
大爆発した。