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03 第一章 第三話
「こっちじゃなかったようだね」
魔族の男は、人を小馬鹿にしたような喋り方をする。
「何用かな」
リリシアの問いに魔族がにやける。
「急いでるんで、それじゃ」
魔族に無礼な知り合いはいないが、魔族の家族ならいるぞ。
「ニエルに何か用か」
「うん、式の準備を手伝ってもらいたくてさ」
「式?」
「せっかくの結婚式だから、花嫁の関係者にお願いしたくてさ」
「花嫁?」
魔族が、不愉快そうに顔をしかめる。
「君たちは招待してないからね」
分かりやすい殺気を放つ魔族。
久しぶりの対人戦、いや、対魔戦かな。
何となく、対魔忍という言葉が頭に浮かぶ。
リリシアの静かなる突進が、開幕の合図。