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24 第七章 最終話


「初めまして、マスター、さん」


 メイドさんだよ。


「私は試作型自立式未分類生命体、略してシジミ、とお呼びください、ませ」


 シブマ1号が人間、っていうかメイドさんに化けたよ。


「このモードでの稼働時間は最大16時間です。 稼働限界が近づきますと強制的にスリープモードに移行しますので、もしご質問がありましたらお早めにやっちゃうことを推奨します、です」



 みんながポカーンと口を開けて、いませんね。


「こんにちはシジミさん、私はノルシェお姉さんですよ」


「ウソ、やだ、シジミちゃん、可愛すぎるっ」


「初めましてシジミお姉さん、私の名前はマクラですっ」



 あー、そうくるか。


 いいですよ、私も冷静に対応しようじゃないの。



 えー、とりあえず見た感じのチェックですかね。


 身長は私と同じくらいですね。


 体重は、っと、いくらなんでも女の子のそれを見た目で決めちゃうなんてバチ当たりがすぎますね。


 ぱっと見、体型も私と同じ感じですかね。



「シジミの身長とスリーサイズはマスターを参考に製作されました、です」


 やっべ、ごめんねシジミ、お姉さんのせいでそんなすっきり体型にされちゃったのね。


 いくらなんでもシジミが不憫すぎるよ。


 後でマツカゼでアリシエラさんに胸部追加装甲、注文してあげるからね。



「あのぅ、シジミさん。 ひとつお願い聞いてもらえますか」


 ノルシェどうした、かなり目が怖いぞ。



「私も、お願い聞いてほしいなっ」


 アイネ、お前もか。



「極端な性的接触以外は抵抗するなとの命令が基本理念として刻み込まれています、です」


 後でどの辺までが極端な接触なのか、聞いてみねばなるまい、です。



「「お耳、さわっても良い?」」



 私としたことが今頃気付いたよ、ネコミミメイドだよこの娘。


「その命令があった場合は報復措置として同じことをやりかえせ、との行動が推奨されてます、です」


「失礼しますっ」「やったっ」



 あー、おふたりともほどほどに、ってうらやましいなっおい。


「マスターの目線を解析したところお耳さわりっこに混ざりたい気持ちがとても強く感じられます、けど」

「シジミはただいま両の手がふさがっておりますので、もうしばらくおまちください、ませ」


 はいはい、お耳さわりっこは定員二名ってわけですね。


 悔しくなんかないんだからねっ。



 そういえば、マクラはお耳さわりっこ、やりたくないのかな。


「お母さんと一緒にやりたいっ」


 マクラめ、隙あらば母を泣かせようとするとは、この孝行娘めっ。



「そういえば、シジミの運動能力はいかほどかな?」


「マスターを参考に製作されておりますゆえ、マスターの武術での動作をキャプチャーしたパターンを選択することも可能、ゆえにかなりの使い手、です」


「落ち着いたら手合わせ願えるかな」


「マスターならびにご友人の方々には肉体的ダメージを与えてはならぬ、との命令が基本理念として刻み込まれています、よって手合わせなどの格闘的行動はシジミの負けが確定してますので、あまりおすすめできません、です」

「ちなみに精神的ダメージについては禁則事項はなさげですので、お気に召さぬ言動を行使した場合は遠慮なさらずお仕置きをください、ませ」


 なるほど、物理的には安全装置完備ですな、ってもしかして。



「それ以外の人には安全装置は働かない、と」


「基本的には人様に危害を与えない良い子であれと言われてますが、ご命令しだいで、じゃれあい、手加減、ノーマル、そこそこ、かなり、結構、相当、手練れ、達人、確殺、消去などのさまざまなシジミがお楽しみいただける仕様となっています、です」


 確殺と消去は、できればやめて欲しい、です。




 チームモノカ五人目の旅の仲間は、メイドさん。


 よく考えたら、今まで旅の苦楽を共にしてきたシブマ1号そのものなんですよね。


 さすがはアリシエラさん、粋な計らいじゃありませんか。




 気分一新、新生チームモノカ


 五人の心をひとつに束ね


 困ってる人も悪党も、まとめてお世話のお節介娘


 行くぜ相棒、ミラクルバディーズ


 私たちのぶらり旅はこれからだっ




 あーすまぬ、


 せっかくだから先に佐州さんちにご挨拶しとかないとね。



 あとがき


 リヴァイスという世界は、ひとりの少年がプレイしている仮想現実ゲームです。


 彼は長い時間この世界を旅するうちに『鏡の賢者』と呼ばれる存在になりました。


 お供のメイドさんは『伝説のメイド』と呼ばれております。


 ここで暮らしている人々はいわゆるAIですが、それなりに大変なこの世界を楽しく生きているみたいです。


 リヴァイスの物語は、そういう人々のあれやこれやを短編として紹介するものとなりそうです。




 iPadのメモ帳につらつら溜め込んでいたショートストーリーや小ネタをひとつの世界にまとめようとしたら、こういう設定になりました。


 整合性や何やらいろいろアレですが、お話しがまとまり次第投稿したいと思っております。



 楽しんでいただけたら幸いです。


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