23 第七章 第一話 旅の仲間
なんか、私ひとりで勝手に舞い下がったり舞い上がったり、馬鹿みたいでしたね。
「しっかりしてくださいよモノカ、晴れの門出でマクラちゃんを心配させるなんてお母さんらしくないですよ」
すまんノルシェ、これからも私を支えておくれ、我が誓いの騎士。
「ごめんねモノカ、ちょっと前からおかしいなって気付いてたんだけど、そんなに悩んでたとは思わなかったの」
すまんアイネ、これからは気持ちを溜めこまないように何でも早めに相談するよ。
だってマクラの最高のお手本がこんなに近くにいてくれるのだもの。
「ごめんねお母さん、マクラのせいで昨日の夜、泣いてたんだね」
すまんマクラ、思慮の足らぬ母を許しておくれって、うひゃぁ見られてたのか、マクラの中の私のお母さんレベルが直滑降で急降下で地面に激突まっしぐらじゃないの。
「みんなごめん。 せっかくのマクラの晴れの門出をぐだぐだにしてしまって」
「まあ、いつも通りってことです」
ありがとう、ノルシェ。
「これがチームモノカですもんねっ」
ありがとう、アイネ。
「お母さんたち、大好きっ」
ありがとう、マクラ。
おし、やるぞ私。
チームモノカの新しい旅はこれからだ!
って、なんか忘れていませんか。
えーと、そう。
アリシエラさんからの挑戦状じゃなかったお手紙ですよ。
いえね、アリシエラさんの手紙、ずっと気になってたんですよ。
あのアリシエラさんがお楽しみになんて言っちゃうくらいのサプライズですよ。
『シブマ1号、フライトモードッ』とか言わされて飛行機にでも変形しちゃうんですよきっと。
マクラのお宿の前でそんなことになっちゃったら大惨事じゃないですか。
なので、ひと気の無いところで実験ってわけですよ。
幸い辺りに人影は無しっと。
念のため、みんなシブマ1号から降りてっと。
手紙には、
『シブマ1号、シジミモードッ』と高らかに叫びましょう、って、シジミ?
ナイスバディネコミミメイド魔導具技師建築家武具鍛冶屋からの挑戦状ですね。
まあいいでしょう、やってやろうじゃない。
挑戦は、受けて立つのがおんなの花道ってもんですよ。
さあ、自慢の大きな声でっ、
「シブマ1号、シジミモードッ」
うえっへ、なんすかこのけむり、煙幕かよ。
けむりが晴れると、
なんすかっ、なんなんすかっコレ!




