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16 第五章 第一話 鏡の賢者


 馬鹿王子の歯、何本へし折れたかな、なんてわくわくした瞬間に、


 えっと、ここどこだ?




 見渡す限り真っ白で、部屋というには広すぎて、


 目の前には、テーブル×1、椅子×4、ティーセットとお茶菓子の乗ったワゴンテーブル。


 私とマクラ以外に、ふたりいる。


 私と同い年くらいの男の子と、


 信じられないくらい素敵なメイドさん。


「こちらへ」


 というメイドさんのお誘いに、着席。



「こんにちは、『鏡の賢者』です」


 男の子が自己紹介。


 何となく、聞き覚えがあるようなないような。



「彼女は『伝説のメイド』こと、アヤさんです」


 なんか、セシエリアさんから聞いたことあったような。



「モノカさんとマクラちゃんですよね」


 マクラがきちんとご挨拶できてお母さん嬉しいですよ。



「この度はご迷惑をお掛けしてごめんなさい」


 いえ、とんでもないっす、っていきなり出てきたあなたはどちらさま。



「僕は結構な昔からこの世界をアヤさんとふたりで旅してるんですけど」


 はあ。



「たまに世界にとんでもない悪さするバグ、じゃなかったよからぬ存在が生まれるんです」


 なんか言ってはいけないこと、言いませんでしたか。



「それで普段は僕たちがこっそり修整、じゃなかった退治するんですけど」


 だめだぞ私、今はつっこみ禁止だ。



「今回はたまたま条件に見合ったおふたりがいたのでお手伝いしてもらおうかな、と」


 条件?



「ああいうのって、本来『女神』だけで浄化できるんですけど」


 『女神』ってマクラかよ。



「マクラちゃん、まだちっちゃいから『信心』で手助けして欲しいかな、なんて」


 『信心』って私かよ。



 『信心』とは、仲間を『信』じる『心』だそうです。


 つまり、お互いに信頼し合ってる仲間の固有スキルを使えるようになっちゃう、らしい。


 そりゃあボッチ状態じゃ発動しないよな。


 って、こんなアレなお姉さんが『女神』を使えるようになってよろしいのかしら。


 おっと、そういえばノルシェとアイネの固有スキル、私知らないんだっけ。


 ま、いっか。


 旅してるうちに、そのうちに、ね。



「本当にありがとうございました。 僕、あんまりこの世界に干渉したく無いんですよね」



 なるほど、この世界をちょっとだけ管理している賢者くんが、


 たまたま条件に合った私とマクラに馬鹿王子をぶん殴らせた、と。



 ……ま、いっか。


 こっちにはとくにデメリット無さそうだし。




 今回の件の説明会の後は、まったりふれあいタイム、みたいな。


 アヤさんの煎れてくれたお茶にほっこりしたり、


 マクラが煎れたお茶にアヤさんがほっこりしたり、


 アヤさんに抱っこされているマクラに私がほっこりしたり、


 ちなみに賢者くんは、どこにでもいるような、普通の優しい男の子でしたよ。




 で、そろそろ帰ろうかなって時、


「何かお礼したいんですけど」


 おぅ、まじすか。



「希望とか、あります?」


 そりゃあ決まってるぜ、関係者一同の総意ですよ。



「マクラの『女神』所有が、他の人からは分からないようにして欲しいです」



「モノカさん、優しいんですね」


 よせやい、照れるぜ。



 賢者くんが、マクラの頭をなでなですると、


「はい、これで鑑定の儀でも「回復魔法(小)」としか認識されませんよ」


 あざーっす!



「僕と会ったことは秘密にしなくても良いですけど『鏡の賢者』ストーカーとか湧くかも知れないので気をつけてくださいね」


 ストーカーはアイネの件でこりごりです。



 後ですね、例の某国肝入り占い師。


 賢者くんの女装だったんですって。


「巫女服姿、大変よろしゅうございました」


 アヤさんがこっそり教えてくれましたよ。


 超見たかったです。




「本当にありがとうございました」


 賢者くんとアヤさんが深々と礼。



「またね、けんちゃんっ」


 マクラさん、むっちゃ仲良しですね。



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