もしもいつか
宮殿から帰ったレオナルドとオリビアは、さっそく寝室へ行きました。
バッグに服を詰めながら、レオナルドがオリビアに話しかけてきました。
「本当にそんな事、言ってたのか?」
「うん、そうなの。明日迎えが行くからって」
「へぇ〜、ジュリアスさんもなかなかいい人だな」
「そうね」
バッグに荷物を詰め終わった2人は、階段を下りリビングのソファーに座りなが寛いでいました。
「まさかあんなにハッキリ団長を、オリビアが断ると思わなかった」
「だって、まだジュリアスさんに勝った事ないんでしょ?」
「あぁ、ない」
「勝ってもないのにレオが団長なんてやったら、そんなに人に誰もついてこないわよ」
「そうだな…」
どうか物寂しそうな顔をしたレオナルドの手を取り、オリビアは言いました。
「分かってる、レオがジェイドの団長としてずっと頑張ってきた事。だけどクリスタルの団長はそれとは違う。責任も重圧もきっと比じゃない。だからこそ皆んなから認められてから、私はなってほしかったの」
「あぁ、分かったよ。オリビアには敵わないな…」
「でもレオはなるよ団長に、今じゃないだけ」
「オリビアのためにもなるよ。ジュリアスさんに宣言したもんな」
「うん」
レオナルドはオリビアを抱き寄せキスをしました。
「それにしてもジュリアスさん、オリビアに散々アプローチしやがって、しかも俺の目の前でだぞ。普通ありえねぇだろ」
「そうね」
「そうねって、それだけかよ」
「えっ、他に何かあるの?それに私はちゃんと断ったわ」
「そうですね」
「何で拗ねるの?レオ」
「拗ねてない」
「拗ねてる」
「うるさい」
「怒んないで」
「怒ってない」
「もう」
オリビアはレオナルドの太ももに頭を置きました。
「あっ、これいいかも」
「何だよ急に」
「たまには私だってしてもらいたい」
「たくっ…」
『可愛すぎるだろ』
レオナルドはそう思いながら、自身の太ももに頭を置いたオリビアの頭を撫でました。
「レオは、いっつもこんな感じなんだね」
「だな」
「これ寝れるやつだ」
「寝るなよ?」
「分かってる。でも寝ちゃったらベッドまで運んでくれるんでしょ?」
「あたりめーだろ」
「レオ優しいもんね」
「俺が優しいのはお前にだけだ」
「ヤバっ」
「はっ?何が?」
「ねぇ、今のもう1回言って?」
「なんで?」
「いいから言って」
「何か嫌だから言わない」
「けち」
「俺が優しくするのはお前だけだ、オリビア」
オリビアはそれを聞き黙ってしまいました。
「何だよ、何か言え」
「キャー!」
「何だよその反応、分かんねぇな」
「ヤバい、死ぬ」
「何で死ぬんだよ」
「旦那がカッコよすぎる、どうしよう!」
「それで死ぬのか?」
「うん、キュン死にする」
「あれでか?」
「あれでです」
そしてその夜は2人で少し早めにベッドに入り、レオナルドに腕枕されながらオリビアは話しかけました。
「明日たのしみ」
「そうだな」
「どんなとこだろう?」
「いいとこだよ、きっと」
「うん、好きだよレオ」
「何だよ急に」
「何か言いたくなった」
「俺も好きだ、オリビア」
レオナルドはそう言いながら、オリビアの頭に手を伸ばし撫でました。
「私と結婚して嫌いになったりしてない?」
「何でそんなこと聞くんだ?」
「レオに嫌われてたら嫌だなって」
「そんなこと思うわけねーだろ」
「本当?」
「本当だ、そんなのこと考えた事もねーよ」
「良かった、なら安心した」
「さっき俺の言葉でキュン死にするとか言ってたけど、俺もお前にキュン死にしそうだよ。それも毎日な」
「そうなの?」
「そうだよ。お前は一つ一つ全部が可愛すぎるんだよ。このままじゃ俺、早死する」
「ダメ、死んじゃヤダ」
「お前を残して死なねーから安心しろ」
「うん、死ぬ時は一緒がいい」
「そうだな、その時は一緒に死のう」
2人はどちらからともなく、キスをしました。
「もしいつか生まれ変わったら、私を見つけてね」
「分かった、見つける。ちゃんとオリビアを俺が見つけてやる」
「でもレオ少し抜けてるとこあるからな、私の方が先に見つけるかも」
「いや俺の方が先だ。オリビアの方が『ボ〜っ』としてるから、俺に気付かない」
「そんなことないもん」
その後2人は再び口付けをし、いつものように寄り添いながら眠りにつきました。
次の日の朝、ブライアンの手配した馬車が家へ到着し、2人は荷物を手に乗り込むと、馬車はすぐに出発しました。
今回オリビアとレオナルドはブライアンの用意した馬車で、ジュリアスの家の別荘へ行くことになりました。
2人はまだ新婚旅行をしておらず、その事に気付いたジュリアスが今回のお詫びにと、別荘を数日間2人に貸してくれたのです。
馬車が走ること数時間、レブムラン伯爵家の別荘へ着いた2人はさっそく中へと入り、2階の寝室へと上がりました。
「ここかな?寝室」
「じゃないか?」
2人はドアを開け中へと入りました。
「すっご〜い!」
オリビアは荷物を置くと、すぐにバルコニーへと出ました。
「綺麗!」
なんと目の前には一面の湖が広がっていました。
「レオ凄いよ!ねぇ」
「あぁ、凄いな」
「凄く綺麗な湖」
レオナルドもオリビアの後を追いバルコニーへ出ました。
『お前の方が綺麗だよ』
綺麗だと喜びながら湖を見ているオリビアを見ながら、レオナルドはそんな事を思っていました。
「近くに行って見るか?」
「うん!」
2人は外へと出ると湖へ向かいました。
「近くで見ると、もっと綺麗ね」
「そうだな」
山間にあるその湖は、青く澄みキラキラと水面が輝き、とても綺麗な湖でした。
オリビアは履いていたサンダルを脱ぎ、湖の水に足をつけました。
「少し冷たいわ」
オリビアはサンダルを持ちながら少し歩きました。
「あっ、蟹がいる」
オリビアがしゃがんで小さな蟹を見ていると、レオナルドが近づきました。
「何かいたのか?」
「蟹がいるの、ほらっ」
オリビアは指を差して自身の近くへ来たレオナルドに教えました。
「へぇ、本当だ」
レオナルドもその場で屈みながら蟹を見てきました。
「もしかして湖に魚いるんじゃない?」
「そうかもな。釣りでもしてみるか?さっき釣り竿どっかで見たな」
「うん、じゃあ今晩のご馳走に釣って」
「あぁ、分かった」
「やった事あったっけ?」
「昔、川で兄さんと少しな」
その後レオナルドは別荘に置いてあった釣り竿で釣りを始めました。
オリビアは釣りをするレオナルドの隣に座り、話しかけました。
(※座っているのは近くにあった丸太)
「釣れそう?」
「分かんねぇ」
「ここ本当に誰も来ないね」
オリビアは辺りをキョロキョロ見渡しながら言いました。
「そうだな、本当に来ないな」
「こんなに素敵な所に別荘なんてジュリアスさんの家凄すぎ、それも誰も来ないなんて」
「さすが伯爵家だな」
「うちもだけどね」
「お飾りのな」
「ふふっ、そうね(笑)そっか私ロートサンじゃないんだ、今度からシァーリエって言わなきゃ」
「あぁ、そうだ。間違えんなよ?」
「まだ間違えそう」
「すぐ頭に入れろ、絶対間違えるな」
「はいはい」
「それにしても本当に2人きりっだな」
「うん、本当誰もいない」
「家だと使用人いるけど、ここだといないな」
「そうだね」
レオナルドはオリビアに顔を近付けキスをしました。
「数日間どこでもし放題だな」
「まぁ、確かにそうだね」
「覚悟しとけ」
「手加減してよね」
「嫌だ、そんなのしなくてもお前ついてこれるだろ」
「場合による」
「いやオリビアなら大丈夫だって、あっ」
「どうしたの?」
「きた!」
「えっ、うそ、魚?ホントに?」
レオナルドは見事魚を釣り上げ、そしてその後もう1匹釣りました。
なので今日は魚を1匹ずつ食べる事にしました。
魚をバケツに入れその場に置き、2人はしばらく手を繋ぎながら湖の回りを歩きました。
「魚、本当に釣ると思わなかった」
「俺も驚いた」
「後でお礼に私が魚料理作るね」
「あぁ、俺も手伝う」
「きゃっ!」
その時オリビアが急にレオナルドに抱きつきました。
「どうした?」
「蟹、踏みそうになった」
「裸足危ねーから靴履け」
「は〜い」
その後、別荘へと帰り2人で料理を作りました。
レオナルドは別荘の中の棚をあちこち開け、何が入っているのかを確認していました。
「酒もいっぱいあるな」
「中の物は好きにしていいって言ってたよ」
「じゃあ、せっかくだし飲むか」
「2人で飲むの初めてだね」
「そうだな」
料理も出来た所で、少し早いですが2人で乾杯しながら夕食にしました。
「この魚凄く美味しい!」
「だな。この魚、旨いな」
「レオが釣ったから美味しいんだね」
「オリビアが作ったからだろ」
「じゃあ2人で作ったからだね」
「そうだな」




