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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
第三部 【不変と誠実】

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挑発

大聖堂の中へと入り2人は席へと着きました。

2人の席の近くには、いつものメンバーが顔を揃えていました。


オリビアは近くの席に座ったブライアンに、さっそく声をかけました。


「今日はちゃんといるのね、ブライアン」

「もちろん。それに私がいろいろと今回はやったからね」

「ありがとうブライアン、いろいろしてくれて」

「いいよ、オリビアのためなら」


次にオリビアは、ブライアンの隣りの席にいたジュリアスに声をかけました。


「今日はありがとうございます、ジュリアスさん」

「いえいえ、あなた様のためですから」

「今日はお酒も飲むんですか?」

「えぇ、特別に許可をいただきました」

「ブライアン、あんまりジュリアスさんをいじめないであげてね」

「分かりましたよ…」


ブライアンが少しだけ気まずそうな顔し、それを見たオリビアとジュリアスが微笑みました。


その時オリビアは、ふいに気付きました。


『しまった、他の男と話すなってレオに怒られる!』


そう思い隣にいたレオナルドの顔をすぐにオリビアは覗くと、特に怒っている様子はありませんでした。


『よかった、レオも大人になったのね』


オリビアが安堵し前に向き直った時、レオナルドが隣に座るオリビアの肩を抱き寄せながら、オリビアのこめかみに「チュッ」っと軽くキスをしました。


「ちょっとレオ、皆んなの前で…」

「いいだろ、いつもしてんだから」


『いつもしているだと…(怒)』(その場にいた男性陣一同心の声)


『何か皆んなの肩から、湯気が出ているような気がするのは気のせい?』


オリビアは皆の方を見ながら、そんな事を思っていました。


「レオナルド明日から、びっちり訓練します。楽しみにしておくように(怒)」


するとジュリアスがレオナルドにそう言いました。


「ジュリアスさん、俺明日からしばらく休みです(笑)」

「あぁ、そうでしたね(怒)」

「少し疲れてれるんじゃないですか?ジュリアスさん(笑)」

「そうかもしれませんね(怒)」


『レオ、ジュリアスさんにいつもこんな態度なの?』


オリビアがそう思っていた時、他の団長達もレオナルドとジュリアスの駆け引きを見ながら、言い返すレオナルドを凄いと思っていました。


そんな場の空気をモルガが読み取り、話を切り替えました。


「オリビア様」

「なにモルガ?」

「オリビア様のお姉様、相変わらず綺麗でしたね」

「そうね、昔からモテてたわ」

「妹さんも、可愛らしい方でしたね」

「あぁ、ジゼルね。そうね可愛くなっててビックリしたわ」


オリビアはふとブライアンの方を見ました。


『やっぱりジゼルが気になるみたいね。目が少し泳いだわ』


そうあの時、オリビアの投げたブーケを受け取ったのはオリビアの妹ジゼルでした。


そして尻もちをついたジゼルに、手を差し伸べたのはブライアンでした。


『ジゼルなら私に嫉妬もしないし一石二鳥だわ。この2人くっついてくれないかしら(笑)』


オリビアそう思いながらブライアンを見ていたのを、隣に座るレオナルドは気付いていました。


しばらく経ち、オリビアとモルガはまた一足先に部屋へと戻りました。


モルガは一緒にオリビアの部屋へと来ると、オリビアのドレスの着替えを手伝ってくれました。


「オリビア様、今日は本当に綺麗でした」

「ありがとう、モルガが泣いてるのが見えたわ」

「だって感動しちゃって。美男美女があんな綺麗な教会で結婚式とか、素敵すぎます」

「ありがとう褒めてくれて。本当に嬉しいわ」

「私もいつか結婚式やるなら、あそこでやります!」

「えぇ、その時は是非呼んでね」

「もちろんです!」


モルガが部屋を出ると、移動やらで疲れたオリビアはすぐにベッドに潜りました。


『ここも今日で最後か。少し寂しいけど明日からの方が楽しみだわ』


そう考えながらオリビアが目を閉じたとき、レオナルドが部屋へ入ってきました。


「レオ、今日は早いわね」

「さすがに、あんな奴らといつまでも飲みたくない」

「そう」

「ジュリアスさん、全く変わんねーし」

「それはレオもでしょ」

「まぁな」


レオナルドは着ていた服を脱ぎソファーに適当に掛けて置き、薄着姿になるとすぐにベッドに入りオリビアを抱き寄せました。


「オリビアあったけぇ」

「レオ、冷えてるね」

「俺あんま体温高くないから、冷えやすいんだ」

「そうなんだ、私は常に高い方だから温めてあげる。そんな薄着じゃ、レオ風邪引きそうだし」

「助かる。そういやさっきブライアンのこと見てたろ?」

「えっ、見てたかな」

「見てた。ガン見してた。俺よりよく見えたのか?」

「ちらっとしか見てないわよ。レオの方がブライアンよりイケメンだもん。よく見えるわけないでしょ」

「じゃあ何で見てたんだよ?」

「妹のジゼルと何となくブライアン、気が合いそうだなって思って見てたの」

「へぇ、本当だろうな?」

「嘘言ってどうするの?」

「はいはい」

「はいはいって、もう嘘じゃないのに」

「分かったよ、俺はオリビアを信じてる」

「最初からそう言えばいいの」

「オリビア」

「なにレオ?」

「愛してる」

「うん、私も愛してる」


2人は深く口付け合いました。


「レオ、お酒の香りがする」

「オリビアもな」

「何だかこれだけで酔いそう」

「酔ってもいいぞ?酔ったオリビア可愛いからな」

「そんなに私、酔うと変わる?」

「変わる、子供ぽくっなる」

「えぇ〜、何かそれヤダ」

「それがいいんだよ。普段と違うからな」

「う〜ん、レオも酔って変わるとこ見たい」

「俺だって少しは酔う」

「少しでしょ?」

「あぁ」

「何か悔しい」

「なんで拗ねるんだよ(笑)」

「ねぇ、レオ」

「なんだ?」

「これから、ずっと一緒にいられるんだね」

「あぁ、そうだ。これからはずっと一緒だ。オリビア」


その夜2人は、これから共に一緒にいられる喜びを互いに感じながら、寄り添い眠りにつきました。


翌日、大聖堂へ宮殿からの馬車が到着し中にはブライアン、ジュリアスが乗っていました。


そして同じ馬車にレオナルド、モルガと共にオリビアは乗りこみ、新しく2人が住む新居へと向かいました。


「ねぇ、ブライアン本当にここ?」

「そうだよ、オリビア」


オリビアの目の前には豪邸が建ってあり、本当にここなのかとブライアンに聞きました。


「ちょっと、やり過ぎじゃない?ブライアン」

「そんなことはない、聖女様が住むんだから」

「あぁ、そうなんだ…」

「オリビア様、私が荷物をお運びいたします」

「あっ、ありがとうございます。ジュリアスさん」


ジュリアスはオリビアの荷物を持つと、家の中へと運んでくれました。


「気に入ってくれた?オリビア」

「えぇ、まぁね。広くて何だかすごいけど」


家の中へと入ったオリビアは、辺りをキョロキョロと見渡していました。


「広さはそのうち慣れるよ」

「ありがとうブライアン、ここまでしてもらって」

「いいさ、聖女様との約束だからね」

「オリビア様!」


すると、そこへモルガがやってきました。


「オリビア様の部屋どこにしますか?2階ですか?」

「そうね。2階かしら」

「じゃあ見に行きましょう!」

「えぇ」


オリビアとモルガは2階へと階段を上がり、2人で部屋をいろいろ見て回りました。


オリビアが2階へ行ったのを見たジュリアスは、側にいたレオナルドに話しかけました。


「レオナルド」

「何ですか?ジュリアスさん」

「君も私と同じ伯爵家になった。そういう振る舞いも、これから教えるから覚悟しておくように」

「げっ」

「その言葉使いもだ。オリビア様に恥をかかせるような行動は慎め。お前の振る舞い1つで、オリビア様が周囲から白い目で見られ傷付くんだ。いいな、分かったか?」

「はい、分かりました」


ジュリアスはレオナルドの側にさらに近寄り、耳元で話しかけました。


「それからお前が何かしたら、いつでもオリビア様を奪う。それを肝に銘じろ。幸い俺はオリビア様に好かれているからな。オリビア様の心がお前から離れれば、俺に向けさせるなんて造作もない。悔しかったら早くその腕で俺を負かせてみろ。レ・オ。ふっ(笑)」


ジュリアスはそう言うと、近くに置いてあったオリビアの荷物を持ち2階へ登っていきました。


「オリビア様、お部屋は決まりましたか?」

「あっ、ジュリアスさん。まだ迷ってるんですけど〜」


レオナルドは、その場に固まってしまい動かなくなりました。

そんなレオナルドに気付いたブライアンが話しかけました。


「どうした?レオナルド青ざめて。ジュリアスが何か言ったか?あいつ結構言うときは言うからな」

「あぁ…、まぁ…」

「珍しいな、レオナルドがそんな顔をするとは。どうせオリビアを奪うだとか、何か挑発されたんだろ?」

「あぁ…、まぁ…」

「なら、奪われないようにしろ」


ブライアンはレオナルドの肩に手を置きながら声をかけました。


「私はお前の方を応援する。ジュリアスは正直私も嫌いだ。完璧すぎてイラつく時がある。早くお前が団長になれ。それでオリビアの話を毎日聞かせてくれ」

「ブライアン、お前いい奴だったのか?」

「今更、気付いたか」

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