想い合う心
ある日の朝、オリビアの部屋のベッドの上でレオナルドがオリビアに抱きついていました。
「ねぇ、レオ。そろそろ起きたいから、この手を離して?」
「いやだ」
「お願い」
「もう少しこのまま」
「もう…。もしかしてレオ朝が苦手?」
「あぁ、だからあんましゃべんな。頭に響く」
「はぁ、もぅ」
オリビアはレオナルドに捕まっていたため動けず起きられなかったので、諦め仕方なくそのままレオナルドの胸あたりに顔を埋めました。
「なぁ、オリビア」
「んっ?」
「何で俺に好きだって言った?別にお前の気持ち何て、言われなくても俺分かってたぞ」
「それは、言わないつもりだったんだけど…」
「だけど?」
「こうやって最近普通にくっついてたし、何か言わないのにくっついてるのも変だなと思って」
「そうか、俺は嬉しいからいいけどな」
「うん」
「顔、上にあげろ」
オリビアが顔を少し上へと向けるとレオナルドが顎に手を添え、自身に向けさせるとすぐにキスをしてきました。
朝から濃厚に舌を絡ませてくるレオナルドに、オリビアは戸惑いました。
「まだ朝なんですけど」
「いいだろ別に」
「激しすぎ」
「口答えするなら、その胸触るぞ」
「それは絶対ダメ」
「何で?」
「だって許したら絶対レオ、最後までするでしょ?」
「当たり前だ、俺をなめんな」
「だからダメ」
「分かってるよ、それだけはオリビアが言いって言うまで待つ」
「ありがと」
「俺はお前が大事だ。絶対俺を選んだ事を後悔させない」
「うん」
「前に言ったろ?世界中をいつか2人で周ろうって」
「そういえば言ってたね、そんな事を」
「本当にしたいと俺は思ってる」
「そうだね、私もしてみたい」
「いつか叶えようオリビア」
「うん、いつか出来たらいいね」
「あぁ。お前は聖女だから俺を好きだって事、誰にも言わないから安心しろ」
「本当に?」
「本当は言いたいけど我慢する」
「レオ…」
オリビアはそれを聞き、思わずレオナルドに抱きつきました。
「どうした?オリビア」
「何か私、幸せだなあと思って」
「こんなんで幸せなのか?」
「うん、凄く幸せ。レオが私を大事にしてくれてるのが伝わってくる」
「お前、本当に俺のこと好きなんだな」
「好きだけど?」
「何だよ、ついこの間まで言わなかったくせに」
「いたいってば」
レオナルドはふいにオリビアの頬をつねりました。
「こんな事で幸せ感じるな。俺がこれからお前をもっと幸せにしてやる」
「うん、楽しみにしてる」
「あぁ、やりてぇ〜!」
「えっ!ちょっ、そんなこと今まで1度も言わなかったじゃん!」
オリビアはとっさに後ろに下がり、レオナルドから距離を取りました。
「言わなかっただけだ。こんな側にいて全く思わないわけねーだろ」
「そうですか…」
「そうだ。妄想こっちは山程してっからな?オリビア」
「あぁ…、はい…」
「オリビア、頼むからもう少しブスになれ」
「えっ?それは何で?」
「何でって、お前がいつも可愛すぎるから、こっちは抑えるの大変なんだよ」
「そんな事、言われたって…」
「ならもっと食いまくって太れ、それなら出来るだろ?」
「私、結構食欲ある方だけど?」
「なら体動かすな、カロリー消費するな」
「えぇ〜、私体動かすの好きなのに…」
そしてその日の夜、オリビアがソファーに座りレオナルドはオリビアの顔を見ながら膝に頭をのせ、オリビアはレオナルドの頭を撫でていました。
「ジュリアスさん、すげー強い」
「そうね、確かに強いわね」
「俺いつかジュリアスさん、超えられんのかな」
「珍しく弱気ね、レオ」
「本当に俺、ジュリアスさん超えられるのか?オリビア」
「それはレオ次第よ」
「そうだな」
「レオならきっと超えられるわよ」
「何でそう言い切れるんだ?」
「私にはそれが分かるから」
「何でそんな事、分かるんだ?」
「それは自分でもよく分からないんだけれど、頭に浮かんでくるの」
「頭に浮かぶ?何が?」
「レオが白いマントを羽織ってて、クリスタルのフィブラを左胸に付けながら、私の隣に立っている姿が」
「ふ〜ん」
「きっとこれは遠くない未来よ」
「オリビア」
「んっ?」
「俺、頑張るからな」
「うん、期待してる」
レオナルドは起き上がると、オリビアの隣に座り直し抱き締めました。
「オリビア本当に俺でいいんだな?」
「言いって言ってるでしょ?」
「嫉妬深い我がままな子供だぞ?」
「自覚してるの?」
「少しは」
「いいよ、それで」
オリビアはレオナルドを抱きしめ返しました。
「私、本当はもっと前からレオの気持ち気付いてたの。だけど気付かない振りしてた。私は誰も選ばないって決めてたし、それで傷付いて欲しくなかったから」
「オリビアらしいな」
「でもレオは真っ直ぐにずっと私を見てくれてて、これでいいのか正直分からなくなった」
「そうか」
「私はレオのその嫉妬深い我がままな所に負けたの。だからレオはそのままでいい、そのままでいて」
「分かった、オリビアが言うならこのままでいる」
オリビアは抱きしめていた手を緩め、レオナルドの頬に手を添え目を合わせました。
「今のレオが私は好きだよ」
「………(照)」
「照れたの?」
「うるせっ」
オリビアは顔を近付け、レオナルドの耳元で囁きました。
「レオ大好き」
「やめろ!」
「きゃっ!」
レオナルドはオリビアをソファーに押し倒しました。
「同じことしてやる」
「えっ?」
押し倒したままレオナルドもオリビアの耳元で囁きました。
「お前は可愛いよ」
「!!!」
そう耳元で呟きレオナルドはオリビアの顔を覗きました。
「照れてる」
「今日は負けない」
「はっ?」
オリビアはレオナルドの服を掴み、自身へ近付けさせるとキスをしました。
「お前、今どっちが上か分かってんのか?」
「あっ…」
レオナルドはそのままオリビアの上に覆い被さったまま、深く口付けました。
レオナルドはキスをしたあと起き上がりながらオリビアも一緒に起こし、ソファーに隣に座らせ自身へ抱き寄せました。
するとオリビアはレオナルドの手を取り、自分の手をその上に重ねました。
「レオの手おっきい!」
オリビアの指はレオナルドの指の第一関節に、やっととどく程の長さしかありませんでした。
「お前が小さいんだよ」
「そうかな?」
「そうだ」
するとオリビアは、隣にいるレオナルドの顔を少し見上げながら言いました。
「てかレオ背伸びすぎじゃない?子供の頃は私と同じくらいだったのに」
「同じじゃない、俺の方が昔からデカかった」
「少しだけね」
「5センチくらいは違った。それ言うならオリビアだって、だいぶ背伸びたろ?」
「そんなに違ったかな?そりゃあ前よりは背伸びたけど、これ以上もう伸びそうにないし、レオに追いつけないの悔しい」
「オリビアはこれで丁度いいだろ」
レオナルドはそう言いながら、オリビアの頭を撫でました。
「このままがいいの?」
「あぁ、抱き締めやすいからな。だから伸びるな」
「レオがいいなら、これでいいか」
「そうだ、これでいい。しかしお前も負けず嫌いだよな」
「それ、レオにだけは言われたくない」
「可愛げのないこと言うな」
「はいはい分かりましたよ、レオ様」
「レオ様って何だよ」
「そのままの意味だけど?」
「またキスして、腰抜けにするぞ」
「えぇ〜、やだ〜」
「キスだけで気持ちよくなったんだろ?」
「何その自信」
「本当の事だろ?」
「よく覚えてな〜い」
「なら、またするぞ」
「レオ様こわ〜い」
「だから何だよ、そのレオ様って」
「あっ、猫飼いたいな」
「はっ?」
「やっぱ飼うなら黒猫かなぁ」
「猫なんていらねーだろ」
「そうだね、私でっかい猫もう飼ってるし」
「まさか俺の事か?」
オリビアは指を折り曲げながら言いました。
「我がままで、気まぐれで、基本自分中心で、ツンデレで」
「おい、それ全部俺の事いってんのか?」
「違うよ、猫の話だよ」
「へぇ〜」
「でもライオンってネコ科だよね?」
「そうだな、だから何だ?」
「別に〜、何でもないよ」
「俺は猫だって言いたいのか?」
「ううん、そんな事ないよ。でも私、昔から猫は好きだよ」
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それから数ヶ月後、オリビアは宮殿からきた馬車に乗りブライアンに会いに行きました。
「久しぶりブライアン」
「オリビア、会いたかった」
ブライアンは相変わらず、オリビアの顔を見るなり抱きついてきました。
「もう、苦しいってば」
「ごめん、ごめん」
互いに向かい合わせでイスに腰掛ると、すぐにブライアンが話しかけてきました。
「オリビア最近、私に何か隠してる?」
「えっ?何を?」
「時々、オリビアの声が聞こえない日があるよ?」
ブライアンはここ最近、不思議に思っていた事をオリビアに聞いてきました。
『それレオに会ってる日だわ。エルリアに聞こえないようにしてもらってるから』
オリビアはブライアンに指摘され、思わず心の中でそう思いました。
「私にだってプライバシーがあるのよ」
「それもそうだね」
「ならブライアンは、私に四六時中なんでも聞かれたい?」
「それは…、困る…」
「でしょ?私だって同じよ。ってそんなに私の事いつも聞いてるの?」
「あっ…、いや…、時々…」
「私だって女の子なんだから、聞かれたくない事もあるわ」
「うん、ごめん、オリビア。これは私の方が悪いね」
「まぁ、いいわ。私も最近あまり来なかったから許してあげる」
「ありがとう、オリビア」
「そういえば今日、ジュリアスさんいないのね」
オリビアはブライアンの側にいつもいるジュリアスがいない事に気付き、あたりをキョロキョロ見渡しました。
「うんそうなんだ。何だか嫌な感じがするって言って、騎士団の方に今日は行ってる」
「嫌な感じ?」
「あぁ」
「そう、何もないといいわね」
「そうだね、オリビア」




