嫉妬
「レオナルド、何か分かったか?」
「あぁ、少しな」
翌日、宮殿にいるブライアンをレオナルドが訪ねてきました。
レオナルドは宮殿の中には入らず、入口付近で2人で立ち話をしていました。
「夜中になると『聖女は罪人』って書いたビラを、男がまいているって情報が入った。そこで俺は団員たちと街の中でそいつが現れるのを待ち伏せした」
「それで?来たのか?」
「あぁ、情報通り怪しい男が現れビラをあちこちに撒いていた。だから俺はそいつを捕まえて騎士団に連れてって尋問した」
「で、そいつは何か吐いたか?」
「仲間の中に俺は王の息子だと名乗る男がいるって喋った。王になったらいい思いさせてやるって言われたってな。そいつが黒幕じゃないかと俺は思う」
「王の息子?」
「あぁ、お前に子供がいない以上サルテ王だろ」
「分かった、後はこちらで調べる」
どうやらレオナルドはブライアンに情報を提供しに来たようです。
「オリビアは元気か?」
「あぁ、元気だ。毎晩一緒に寝ている」
「何だと?(怒)」
「手は出していない。君みたいに野蛮じゃないんでね。昨日も怖い夢を見たと可愛い顔で私にしがみついてきた」
「くそっ…。本当に手出してないんだろうな?あぁ?(怒)」
「君と違ってオリビアが嫌がる事はしたくないのでね。でもオリビアの方から求めてきたら、そこは男として応えるつもりだ」
「オリビアの方から求めてきたら…」
「想像してるのか?鼻の下伸びてるぞ、レオナルド」
「うるせぇ。絶対手出すなよ?ブライアン。じゃあな」
レオナルドが馬に乗り宮殿を後にすると、ブライアンは部屋へと戻りジュリアスを呼びました。
「陛下、何か御用でしょうか?」
「サルテ王に、私と弟2人以外に子供がいるか調べろ」
「承知」
その夜、オリビアの下をジュリアスが訪ねてきました。
「申し訳ございませんオリビア様、陛下は本日こられなくなりました」
「分かりました。5分だけ待ってもらえますか?」
オリビアはそう言うと急いで作っていたサンドイッチを箱に詰めました。
「これをブライアンに渡してください」
「分かりました」
「そしてこっちは、ジュリアスさんにあげます」
「えっ、私にですか?」
「はい、疲れた顔してますよ?食べて元気出して下さい」
「分かりました。ありがとうございます」
「あっ、後1つだけお願いがあるんですけど…」
オリビアの下からブライアンの所へ戻ったジュリアスは、さっそく箱を差し出しながら言いました。
「ブライアン様、オリビア様に伝えた所こちらを」
「えっ?オリビア、君は全く…」
翌日の夜、ブライアンが部屋へと戻り2人一緒に食事をしました。
「サンドイッチ美味しかったよ、ありがとうオリビア」
「なら良かった。そうだ今日ねジュリアスさんと手合わせしたの」
「ジュリアスと?」
「うん、ずっとここにいるから身体動かしたいってお願いしたの」
「そうだったんだ」
「そしたら外に連れ出してくれて、ジュリアスさん剣凄く強かったの」
「へぇ〜」
「ジュリアスさんって何でも出来ちゃうんだね」
「そうだね」
「ブライアン、何か怒ってる?」
「そんなことないよ」
「そう?」
その夜いつものように一緒にベッドに入ると、ブライアンがすぐに話しかけてきました。
「オリビア」
「どうしたの?」
「2人でいる時に他の男の話やめよう」
「えっ?あぁ、ジュリアスさんの事?うん、分かった気を付ける」
「本当に分かったの?オリビアは少し天然な所あるからな。まぁ、そこが可愛いけど」
「天然かな?分かったわブライアン、もう言わない」
「よし。でも今日は私を妬かせたからお仕置きね」
「えっ?ブライアン?」
ブライアンはすぐ側にいたオリビアを抱き寄せると、目の前の露出していた首筋をひと舐めしました。
「ひゃっ!」
「オリビアはここが弱いのかな?この間も同じ声出てたね」
「もう、ブライアン…」
「そんな目で見てもダメだよオリビア。これはどう?」
「くすぐったい…!」
次にブライアンはオリビアの耳を親指でさすりました。
「可愛い」
「やっ…、ブライアン…、ひゃっ…、いたいっ!」
ブライアンは身体をベッドから起こしながらオリビアの耳を舐めると、耳の下から下に少しずつ首筋を這うように舐めていき、首の付け根あたりにキスマークを付けました。
そしてもう1つ首の後にも、キスマークを付けました。
「痛いわ、ブライアン…」
「ごめん、そんなに痛かった?」
「うん…」
「なら私にも同じ事していいよ」
「えっ?」
「オリビアのキスマーク私に付けて?」
「そんなこと出来ないわ、やった事ないもの…」
「なら舐めて」
「私が首を舐めるの?」
「そう、それならいいでしょ?」
「うん…」
オリビアは起き上がり、恐る恐る寝ているブライアンの首を少しだけ舐めました。
「こう?」
「うん、それでいい。オリビア絶対してくれないと思った」
「だってブライアン怒っちゃったから…」
「ありがとう、オリビア。お礼に次はもっと首を攻めてあげる」
「もうそんな事いいわ…」
「照れてるオリビアも可愛いな」
「うぅ…」
「好きだよオリビア」
「!!!」
「おっ、反応した。少しは私を意識してくれるようになったみたいだ」
「こんな事されてしないわけない…」
「こんな事って?どんな事?」
「ブライアンのいじわる…」
「本当に好きだよ、オリビア」
「もう…」
翌朝ブライアンが部屋を出る前にオリビアに言いました。
「まだ消さないでてくれたんだね。ありがとう」
「えっ?」
ブライアンはオリビアを抱き寄せると、首の付け根にキスをしました。
「じゃあ、行ってくるよオリビア」
「うん、行ってらっしゃい」
ブライアンを見送ったあと、オリビアは慌てて鏡の前に立ちました。
「あっ!昨日の…」
オリビアは昨日の事を思い出し、顔を赤くしながらキスマークを消しました。
その夜、ジュリアスに騎士団に連れて行ってもらったとブライアンに話したオリビアは、またお仕置きをうけていました。
「ほらっ、ここに乗って」
「恥ずかしい…」
「仕方ないな」
「きゃっ!」
ブライアンはソファーに座り、自身の膝の上にオリビアを向かい合うように跨がせて乗せました。
オリビアはブライアンの肩に手を添えました。
「顔近い…」
「何か問題ある?」
「ないけど…」
「キスマーク消したの?」
「うん、消した」
「そっか残念、なら今日は私に付けて」
「キスマーク?」
「そう」
ブライアンは片手でオリビアの背中に手を回し支えながら、自身のシャツのボタンを器用にもう片方の手で外し胸元を露出しました。
「首じゃ見えるから、ここらへんに付けて?付けないなら何されても文句言わない?」
「付けます」
オリビアは覚悟を決め、ブライアンの胸元にキスマークを付けました。
「よく出来ました」
「でも上手く出来なかった」
「いいよ少しでも付いたなら」
「うん、下りていい?」
「ダメ」
ブライアンはそのままオリビアを抱きしめました。
「捕まってて」
「えっ?わぁ!」
ブライアンはオリビアを抱きしめたまま立ち上がると、ベッドの方へ移りオリビアを座らせ自身も隣に座りました。
「ブライアン、以外と力あるんだね」
「最近少し鍛えてる」
「そう言えばさっきもシャツの隙間から、腹筋見えたかも」
「ごめん、さっき少しオリビアの胸顔に当たった」
「少しじゃなかったと思うんですけど…」
「あっ、バレてた?」
「だってあの状況で抱きしめたら、そりゃあ位置的に、ちょうど…」
「柔らかかったよオリビア」
「そうですか…」
「今またやっていい?」
「ダメ」
こうして2人だけで過ごす、まるで新婚のような日々はあっという間に過ぎていきました。
そして次の日、オリビアはまたクリスタルの騎士団達の訓練場所に行き、一緒に訓練をする事になりました。
「本日私は所用があるので夕方頃、迎えに来ますオリビア様」
「分かりました、ジュリアスさん」
「服、軍装にしたんですね」
「まぁ、いちおう。ここに来るならこれが良いかと思いまして」
「似合っています」
「ありがとうございます」
(※軍装はブライアンが用意した)
「後頼んだぞ」
「はっ!」
近くにいた団員にジュリアスが声をかけました。
『いくら聖女だからって女の相手するほど、こっちは暇じゃねーぞ。団長は何考えてんだよ…』
オリビアを任された団員は、心の中でそんな事を思っていました。
数時間後ジュリアスがクリスタルの騎士団の訓練所に戻ると、数十人の団員達がオリビアの足元に転がっていました。
「オリビア様、これは一体…?」
ジュリアスは驚きながら、恐る恐るオリビアの所へやってきました。
「あっ、ジュリアスさん!弱かったので鍛えておきました。帰りましょ〜」
「そうですか…、それほど弱くもないと思いますが…」
「そうですか?」
朝にオリビアをジュリアスから任された団員は、ジュリアスと一緒に帰って行くオリビアの背中を見ながら思っていました。
『あの聖女、団長と互角…、いやもしかしたらもっと…』
(※オリビアは最後もちろん団員達に回復魔法をかけた)




