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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
第三部 【不変と誠実】

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即位

レオナルドがオリビアと喧嘩してしまってから約2ヶ月ほど経った頃、レオナルドが大聖堂に会いに来ました。


オリビアも今まで数回、レオナルドに会うのを拒んだため罪悪感を感じ顔を出しました。


「オリビア!」

「レオ…」

「よかった、出てきた。外に行こう?」

「うん」


いつも通り近くの広場に2人で行くと、レオナルドがすぐに謝ってきました。


「すまなかったオリビア、まさかこんなに怒ると思わなかったんだ。勝手に見たのも謝る。許してほしい」

「うん、いいよ、分かった。自分でも大人気なかったと思ってる」

「オリビアは悪くない、悪いのは俺だ。すまなかった」

「レオが素直だと調子狂うから、もうやめて」

「何だよそれ。お前が全然会ってくんねーから、もう会ってくれないんじゃないかって俺、焦ったんだからな」

「そんなに落ち込まないでよ、会ったじゃない」

「あぁ、だから嬉しい」

「私も久々にレオの顔見れて、何かホッとした」


そう微笑みながら言ったオリビアがあまりにも可愛くて、レオナルドは触れようと思わず手を出しましたが、オリビアの頬に触れる前に手を止め引っ込めました。


「あっ!ダメだった。抑えなきゃ」

「約束守ってくれてるの?」


それを見たオリビアはレオナルドに聞きました。


「そうだ、当たり前だ」

「ありがと、レオ」

「オリビアと1回キスしてから、ずっと触れたくなってあの時は止められなかった」

「そうだったのね」

「今だって本当は同じだけど、抑えてる」

「そっか」

「あっ、そうだった」

「んっ?」


するとレオナルドはポケットから小さな箱を取り出し、オリビアに差し出してきました。


「これっ、オリビアにやる」

「えっ、私に?」

「そうだ、開けてみろ」

「えっ、あっ、うん」


オリビアが箱を受け取り蓋を開けてみると、そこには白い小花が数個重なって作られた髪飾りが入っていました。


「可愛い!どうしたのこれ?」

「オリビアに似合うかと思って」

「レオが選んでくれたの?」

「あぁ」

「ありがとう!えっ、でもレオ、こういうの置いてあるようなお店、苦手じゃなかった?」

「そうだ。だから我慢して入った」

「ふふっ、ありがとう。とても気に入ったわ」

「前に川原で白い花摘んで、冠作ってたろ?その時の花冠が似合ってたなと思って、それと似たようなの選んだ」

「覚えててくれたのね、本当にありがとう」

「付けてやる」

「うん」


レオナルドは箱から髪飾りを取り出すと、オリビアの髪に付けてあげました。


「やっぱり、よく似合ってるオリビア」

「自分じゃよくわからないけど、ありがとうレオ」

「こういう時、あの約束邪魔だな…」

「えっ?」

「いや、何でもない」

「約束、私からならいいよね?」

「えっ…」


オリビアはレオナルドの側によると、背伸びをしながら肩に手を置き頬にキスをしました。


「髪飾りのお礼」

「おっ、おぅ…(照)」

「レオ照れてる?」

「うるさい」

「髪飾り、大事にするね」

「あぁ。なぁオリビア、ブライアンには自分からキスした事あるのか?」

「ないわよ。そもそもブライアンとは1回軽くされただけよ」

「そうか、よしっ!」

「なんの張り合い?」

「これは俺とブライアンの勝負だから、お前には関係ない」

「そうなの?」

「後その…、この間のキス、最後少しやりすぎた、ごめん」

「あぁ…、うん…」

「オリビア、自分でその可愛さ調整出来ないのか?」

「えっ、調整?」

「お前は可愛すぎるんだよ」

「レオだって、だいぶ背伸びたし顔だって格好よくなったじゃない」

「…ダメだ、この話やめる。自分が抑えられなくなる」

「うん?」


レオナルドは目の前のオリビアを今すぐ抱き締めたくなりましたが、話題を変え逸らし自分を抑えました。


「そういえば、そろそろだなブライアン」

「そうね、もうすぐね」

「何か、お前が授与するって話が回ってきたけど?」

「うん、私がやるの。楽しみにしてて」

「楽しみに?ただ授与するだけなのにか?」

「うん、だって折角なら今までにない事したいなって」

「オリビア、お前何する気だ?」

「内緒、当日のお楽しみ(笑)」

「無理はするなよ」

「分かってるわ、ちゃんと魔力調整する。じゃなきゃまた倒れてレオに怒られるし」

「よく分かんねーけど、無茶はするな」

「うん、分かった」


帰って行くレオナルドの背中を見ながらオリビアは思っていました。


『レオの気持ちに答えたら、きっと凄く大事にしてくれるんだろうな…。だけど私はやっぱり…』


オリビアは付けてもらった髪飾りを自分で外し、箱の中にしまいました。


『レオからの初めてのプレゼント。ちゃんと大事に使わなきゃ』


レオナルドを見送った後、大聖堂へと戻るとモルガが心配しながら待っていました。


「オリビア様、大丈夫なんですか?」

「何が?モルガ」

「何がって…、レオナルドさんですよ!また何かされたんじゃないんですか?!」

「何もされてないわよ、心配性ねモルガは」

「だってこの間、襲われたばかりじゃないですか?!」

「安心して、レオはもう何もしてこないわ」

「何もって…、じゃあ何でしばらく会わなかったんですか?」

「それはレオが勝手に私の部屋のクローゼットを開けて、中を見たからよ」

「クローゼットを?」

「そうなの、だからつい頭にきちゃって」

「それでも何もしてこない理由にはならないじゃないですか!」

「大丈夫よ、そんなに心配しないでモルガ」

「なぜそんな事が言えるんですか?」

「レオがもうしないって言ったからよ」

「そんな口約束、本当に信じるんですか?」

「信じるわ、私はレオを信じてる。ほらっ、早く中に入りましょ?」

「オリビア様…」



それから数週間後、ビジュヘレ大聖堂ではブライアンの戴冠式が行われようとしていました。


大聖堂には国賓や貴族、国に関わる重要な方々がたくさん招かれ、皆着飾った衣装です。


もちろん騎士団の団長達も招かれ、皆普段とは違う華やかな衣装です。


そんな中、大聖堂奥の壇上の上に白い華やか衣装に見を包んだ聖女オリビアが、壇上横の入口から登場しました。


モルガもオリビアのサポートのためすぐ後から現れしました。


オリビアが登場するやいなや「サピロスを奪還してくれた聖女様だ」とあちらこちらから声が上がりました。


『緊張するから、皆んなこっち見ないで…』


何てオリビアは心の中で思っていましたが、にこやかに微笑んでいました。


そして静かな音楽と共に、大聖堂の入口から一際豪華な衣装とマントに見を包んだブライアンが現れ、ゆっくりと進みながら奥の壇上の方へまっすぐと向かって歩いて行きました。


ブライアンは壇上のすぐ近くまで行くと跪きました。


そして聖女オリビアがブライアンの近くまで歩みより、高らかに言いました。


「ここに女神の祝福により、汝ブライアン・カルボディアを偉大なるアダマス王国の統治者、すなわち王とします」


聖女オリビアはそう宣言した後、近くにいたモルガが差し出したお盆の上に乗っていた王冠を受け取り、それをブライアンの頭の上に乗せました。


オリビアはその後、後ろを振り返り数歩奥へと行き、また皆がいる方に振り返りました。


ブライアンは立ち上がり来賓の方々の方に向き直りました。


ブライアンが振り返った時、一斉に歓声が沸きました。


そしてその歓声に合わせて建物の中だというのに沢山の花が降ってきました。


その花は何故か手に取ると消えてしまいます。


『花?この花、小さいけれどこれは百合の花だ。あれっ、こっちにはアゲハチョウが飛んでる。これって私がつけた騎士団の名前?オリビア、君って人は全く…』(ブライアン心の声)


『えっ、何?花が降ってる。この花、これってシロツメクサだ。こっちは四つ葉のクローバー。まさかこれって川沿いで作った花の冠ってこと?オリビア様が思い出を降らせてるの?』(モルガ心の声)


『んっ?花?花が降ってきた。この花、まさか俺がオリビアにあげた髪飾りの花か?こっちはオリビアの名前、オリーブの花だ。あいつ楽しみにしててってこの事か』(レオナルド心の声)


皆は天上から降ってきた花を手の平の上に乗せながら、それぞれそんな事を考えていました。


『ふふっ、皆んな驚いてる驚いてる(笑)花ビラだと後片付けが大変なのでこれにしました。光の花なら綺麗だし後から掃除もしなくていいしね』(オリビア心の声)


その後、式典はこのまま解散となり、数時間後少しラフな衣装に着替え、ブライアンの本当の仲のいい身内だけで大聖堂の中で、祝賀会が行われる予定になっています。


オリビアとブライアンはそのまま壇上近くで話をしていました。


「ブライアン、今日はちゃんと来なきゃだめよ?」

「分かったよ、オリビアにそんなこと言われたら来るよ」

「ならっ、よかった。待ってるからね」

「それよりさっきの光の花、君の仕業だろ?」

「バレちゃった?」

「当たり前だろ。百合の花にアゲハチョウを降らすなんて、君しか他に思いつかないよオリビア」

「折角の式典だから、何か特別な事をしたかったの」

「ありがとう、君のおかげで特別な体験が出来たよ」

「なら、よかった。じゃあ私そろそろ着替えてくるね。この衣装凄く動きづらくて」

「大変なら私が着替え手伝ってあげようか?オリビア」

「結構よ、これくら自分で出来るわ、ブライアン」


ブライアンとお喋りしたあとオリビアは、壇上横の出入口から大聖堂を出て行きました。

(※この扉は特別な場合にしか使えません)

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