約束
翌朝になりオリビアが目を覚ますと、近くの大きなソファーにレオナルドが寝ていました。
『あっ、そうだ昨日あの後、昔の子供の頃の話とかしててそのまま寝ちゃったんだった。レオも隣の部屋に戻らなかったのね』
オリビアはレオナルドの寝てる側に行き、しゃがみ込んで顔を覗きました。
『こうやって普通にしてれば、かなりのイケメンなのに話し方が挑発的だから、初対面の人にすぐ嫌われちゃうのよね』
「何見てる?」
「起きてたの?」
レオナルドは何かを感じたのか、ふいに目を開けました。
「今起きた。でっ、お前は何で俺の顔見てた?」
「普通にカッコイイなぁと思って見てただけだよ?」
「なっ…、お前そう言うの普通に言うなよ」
「何で?」
「たまにそういう抜けたこと言うんだよな、オリビアって…」
「そう?」
「おはようのキスとかないの?」
「ないわよ」
オリビアは立ち上がり、その場を立ち去ろうとしました。
「行くな」
するとレオナルドが立ち上がったオリビアの腕を掴み、自身に引き寄せました。
オリビアは急に引っ張られたため、レオナルドの上に倒れてしまいました。
「わっ!ちょっと…」
オリビアがレオナルドの上に丁度乗るような形になり、レオナルドはオリビアを受け止めました。
そのままレオナルドはオリビアを抱きしめながら、ゆっくり横向きになりオリビアを横に寝せました。
「逃さない」
「もう、急に危ないじゃない…」
「ちゃんと受け止めたろ?」
レオナルドは足を使いながらオリビアをがっちり掴み、オリビアの唇を親指でなぞりながら言いました。
「オリビア、お前は昔から可愛いし最近は、ますます綺麗になったよ」
「…ありがとう」
レオナルドの顔がオリビアに近付いてきた、その時でした。
「オリビア様〜!もう昨日も絡まれて大変だ…っ、たっ、て、」
「あっ…」(モルガ)
「あっ…」(レオナルド)
するとモルガがオリビアの部屋を訪れ、中へと入ってきたモルガとレオナルド2人は目が合いました。
「ギャーーー!!!しししし失礼しました!!!」
モルガは見てはいけないものを見たかのように騒ぎながら、慌てて部屋を出ていきました。
オリビアはドアの方に背中を向けていたので、モルガとは目が合っていません。
「もう最悪…、レオ足邪魔」
「あぁ…、悪い、って…、待て!」
レオナルドの足をどかすと、オリビアはすぐに起き上がりましたがレオナルドもすぐに起きあがり、側にいたオリビアを抱き寄せると頬に手を添えながら優しくキスをしました。
「この状況でするとか…」
「いいだろ、するつもりだったんだから」
「不意打ちやめてよ、避けられないじゃん」
「避けるなよ」
そして今日は騎士の人達が使った後の、汚れた大聖堂の大掃除をする事になりました。
大掃除をレオナルドも手伝い、丸1日かけ大聖堂を綺麗にしました。
その後オリビアは自身の部屋で、今日の夜を過ごすかどうか迷っていました。
『昨日もあれから散々レオに迫られて、交わし続けて何とか凌いだけど、あれをまた今日もやらなきゃいけないの?』
(※昨日はオリビアが「もういい加減にして、部屋から出てって」と怒り「分かった、今日はもう何もしないから部屋から追い出すな」とレオナルドが謝ってきたのでオリビアは許し、その後は本当に何もなかった)
そしてオリビアはモルガにあるお願い事をしました。
「モルガ今日、部屋に泊めて」
「えっ、いいですよ。でもどうしてですか?」
「うん…、まだレオいるし部屋に来そうなのよね…」
「今朝のあれと、オリビア様の今の発言等々私に聞かせてくれますか?」
「う〜ん…、分かったわ、話すわ、だからお願い」
「もちろんいいですよ、断っても泊めてあげましたけどね」
「モルガに騙された…」
そしてその夜、モルガが自分の部屋に来たオリビアへ今朝のことを色々と聞いていました。
「じゃあまず今朝のあれ何ですか?オリビア様!私ビックリしたんですからね!」
「あれはその、何というか…、私が望んだ事じゃないわ」
「そうなんですか?う〜ん、まぁ確かに言われて見れば、レオナルドさんの足でオリビア様、動かないように固定されてましたね。そして2人とも服着てました。それから何故かベッドではなくソファーで寝てましたね」
「よく見てるわね…」
「もちろんです!オリビア様の事は事細かく見てます!」
「あっ、そうなの…」
「となるとオリビア様は、ソファーにいたレオナルドさんに近付いたら捕まったという所ですか?」
「えぇ、そうよ。その通りよ」
「レオナルドさん、積極的ですからね…、オリビア様これからも気を付けないと大変ですよ?聖職者なんですからね」
「はい…、気を付けます…」
その頃オリビアの部屋にはレオナルドがいました。
『オリビア俺から逃げたな。どうせモルガあたりの所だろ。ふん馬鹿だな、自分の私物置いてる部屋に、俺を1人残すなんて…、ニヤリ』
それから翌朝オリビアが自身の部屋へと戻ると、レオナルドがオリビアの部屋のベッドの上で寝ていました。
「レオ、起きて!私のベッドで寝ないでくれる?」
「うるせぇな、どこで寝たっていいだろ」
「ちょっとレオ、いいから早く出てって」
レオナルドはベッドの側にいたオリビアの手を掴もうとしましたが、オリビアはすぐに後ろに下り避けました。
「いつも同じ手には、のらないんだから」
「悪かった、やりすぎた。だからそんな避けるなよ」
「同情かって近寄らせる気でしょ?分かってんだから」
「ちっ、悪知恵つけやがって。昨日はどこ行ってた?」
「モルガの所」
「やっぱな、そうだオリビア」
「何よ」
「そう怒んなよ、俺今日騎士団に戻るから」
「そっ、気を付けて帰って」
「あっさりだな」
レオナルドがベッドから立ち上がろうとしたので、オリビアはさらに後ろへ下がり距離を取りました。
レオナルドは部屋の入口に向かって数歩、歩いたところで立ち止まりオリビアに話しかけました。
「オリビア最後に握手だけしよう」
「何でそんな事するの?」
「いいから、ほらっ、手出せ」
「怪しいから嫌」
「何もしないって、ほらっ、今日いなくなる前に」
「本当に?」
「あぁ」
オリビアは出されたレオナルドの手に、恐る恐る手を出しました。
すると握手だけすると見せかけたレオナルドに、手首を掴まれオリビアは引っ張られると抱き寄せられました。
「嘘つき」
「こうでもしないと、お前捕まえらんないだろ」
「それはレオがいろいろしてくるからでしょ」
「もう最後にする」
「どうだか」
レオナルドが抱き締めていた手を緩めオリビアと目を合わせると、キスをしようと顔を近付けてきたので、オリビアはレオナルドの顔を手で抑えました。
「嫌だってば」
「もうこれ以上しない」
「そんなの、絶対ウソ」
「嘘じゃない、これで最後にする」
「信じられない」
「なら約束する、もうオリビアがいいって言うまでしない」
「本当にしない?」
「あぁ、しない」
「もし約束破ったらどうする?」
「もう、ここに来ない」
「えっ?来ない?」
オリビアはレオナルドにここへ来ないと言われ、レオナルドの顔を抑えていた手を離しました。
「来ない、オリビアに会いに来ない」
「本当に言ってる?」
「言ってる、信じたか?」
「う〜ん…、てか、そもそも何でしなきゃいけないの?」
「俺がしたいから」
「何回もしたじゃん?」
「あんなんじゃ足りない」
「本当に最後?」
「本当に最後にする、もうしない。俺はオリビアしか見てないし、俺がオリビアに会えなくなったら嫌なの分かるだろ?」
「もう、本当にレオには負ける…」
「好きだ、オリビア」
レオナルドはオリビアを抱き締めながらキスをしました。
舌を絡ませられオリビアは苦しくなり、レオナルドの肩を押しながら唇を離しました。
「長いよ…」
「もうちょっと…」
再び深く口付けられ初めて味わうレオナルドの深く貪るような口付けに、オリビアは受け止めるだけで精一杯でした。
キスが終わるとレオナルドは、名残り惜しそうにオリビアを抱きしめました。
その後、突然何かを思い出したように、レオナルドが言いました。
「お前の下着、白ばっかだな」
「クローゼットの中を開けたの?最低、見損なった、信じらんない、変態、鬼畜、人としてどうかしてる」
オリビアは抱き締められていましたが、そんなレオナルドを引き剥がし離れました。
「そこまで言うか」
「ふん、もうレオなんて知らない。早く帰れば?」
「今言ったの全部嘘だよな?」
「さぁ?どうだろね」
「オリビア…?」
「ほらっ、早く出てって!」
オリビアはレオナルドの背中を押し、部屋から追い出しました。
それからしばらくの間、レオナルドはオリビアに会いに行っても会ってもらえませんでした。




