休暇
モルガはオリビアの部屋を出ていき、レオナルドはベッドに座っているオリビアの側により話しかけました。
「オリビア、しばらく隣のブライアンの部屋使っていいか?」
「えっ、うん、別に構わないけど。急に何で?」
「しばらく休みよこされたんだ。どうせお前どこにも行けねーだろ?家帰ったってやることねーし」
「そうなんだ。まぁレオならブライアンも反対しないだろうし、いいんじゃない?」
「じゃあしばらく世話になるわ」
「もう勝手に部屋入ってこないでよ」
「分かった、ちゃんとノックする。もう少し見たかったけど…」
「何か言った?」
「いや〜、思ってたより大きくて綺麗な胸だったなと思っただけです」
「はぁ?(怒)」
「何にも言ってません!」
「あっ、ダメ。怒ったら頭痛くなってきた…」
オリビアは急に頭が痛くなり、頭を抱えました。
「少し寝てろ。そうだその前に昨日の事は覚えてるか?」
「昨日?」
「お前吐いたんだぞ、俺の服に」
「えっ、ホントに?全然覚えてない」
「だろうな」
「レオが片付けてくれたの?」
「あぁ、そうだ。モルガはいなくなるし」
「ごめん、ありがとう、本当にごめん」
「いいよ、お前なら許す。少し寝てろ、俺は大聖堂の方に行って様子見てくるから」
「大聖堂?」
「あぁ。おそらく騎士の奴ら、皆んな休みもらったからまだいると思うからな」
「そっか、分かった。んじゃ、おやすみ…」
「あぁ、おやすみオリビア」
オリビアはベッドに横になり、レオナルドは布団をかけ直してあげました。
何としばらくレオナルドが隣の部屋にいる事になりました。
オリビアは横になると目を閉じ心の中で思いました。
『もうレオの奴、人の胸見といて感想まで言わないでよね』
『オリビアだって吐いたんだから、おあいこでしょ』
するとエルリアがオリビアの心を読み、返事をしてきました。
『うっ…、そうでした。エルリア、この二日酔い治せないの?』
『治せるわよ』
「はぁ?早く言ってよ!」
エルリアにそう言われ思わずオリビアが起き上がると、側にはまだレオナルドが屈んでコチラを見ていました。
「どっ…、どうした?」
「えっ?レオまだいたの?」
「あっ、いや、まぁ…」
「んっ?もしかして寝顔見てた?」
「あぁ…、まぁ…」
「レオの変態!」
「ちっ、違う!少しだけ見てただけだ!」
「待って!その前に…、エルリア早く治して」
『はいはい、治したわよ』
オリビアはエルリアに頼み、すぐに二日酔いの気持ち悪さと頭痛を治しました。
「よしっ!何でレオまだいたの?」
「それより頭痛は?」
「治った、てか治した」
「あぁ…、そう…」
「人の寝顔ジロジロ見ないで!レオが変態だったなんて信じらんない」
「少しココにいただけだ。そんなに見てた訳じゃない」
「そんなにって…、やっぱり見てたんじゃない!」
「少しだけだって言ってるだろ」
「少しでも同じです!」
「悪かったよ、心配だったから見てたんだよ」
「うっ、まぁ私も吐いたし…。少しならいいわ、今回は見逃してあげる」
「おう」
「あっ、そうだ。私まだお風呂入ってなかったんだった。お風呂行って来ようかな」
オリビアはそう言いながらベッドから起き上がると、クローゼットの方へ歩いて行き開けるとタオルを取り出しました。
「私お風呂行くけど、レオも行く?」
「行く!!!」
「そんなにお風呂好きだったの?はいっ、タオル貸してあげる」
「ありがとオリビア」
オリビアは振り返るとレオナルドにタオルを渡し、2人は部屋を出て大浴場へと向かいました。
「お風呂は地下にあるの」
「ヘぇ〜」
「じゃあ私こっちだから」
「えっ?」
「んっ?男子はそっちだよ。じゃあね」
「ですよね…」
その後オリビアがお風呂を上がりスッキリしながら廊下に出ると、レオナルド少し離れた所で待っていました。
部屋へと戻りながら、オリビアとレオナルドは話をしていました。
「待ってたの?」
「まぁな」
「先に部屋、戻っててよかったのに」
「少しでも長く一緒にいたいからな…、ボソッ」
「んっ?なんて言ったの?」
「別に」
「私遅かった?だから怒ったの?」
「違う、そうじゃないから気にすんな」
「ならいいけど」
「オリビアいい匂いする」
「えっ?あぁ、髪洗ったからじゃない?」
「ブライアン毎日こんなふうに過ごしてたのかよ…」
「さぁ?そうなんじゃない?」
「くそっ…、羨ましいな…」
「そうなの?」
「俺この後1回騎士団の宿舎戻って、着替え取って来るわ。さすがにブライアンのばっかり着たくない」
「そう、分かったわ」
レオナルドはブライアンの部屋へ入ると軍装に着替え、すぐに騎士団へと向かって行きました。
「オリビア様!」
「モルガどうしたの?」
「すぐ来てください!」
「えっ?」
「さすがに私1人であの3人をずっと相手にするの疲れます!」
「3人?相手?」
「そうです!」
部屋に1人いたオリビアをモルガが連れ出し、大聖堂へと連れていきました。
「おう!来たか!」
「オリビア様こっち!」
「こっちに来い!」
それを見たオリビアはモルガに話しかけました。
「モルガまさか?」
「はい、そのまさかです」
何と今宵も騎士団の団長達3人と飲むことになってしまいました。
「オリビア飲め!また酔え!」
「えっ、コルディエさん達ずっといたんですか?」
オリビアは座席に座りながら、さっそくコルディエに話しかけられました。
「いや、1回帰ったぞ」
「はい、1度戻りました」
「宿舎行って、また来た」
「そうなんですね、モルガはいつから相手してたの?」
モルガはオリビアの隣の座席に座りながら答えました。
「もう2時間くらい前からです…、オリビア様」
「まだ夕方なのに凄いですね」
「おうよ、オリビア可愛いからまた飲め」
「そうです飲んで下さい」
「可愛いオリビア様また見せろ」
「何か皆さんもう酔ってますね…、モルガも大変だったわね」
「はい、ちらっと見に来たんですよ。そしたら捕まりました。というかオリビア様、二日酔い大丈夫ですか?忘れてましたけど」
「もう大丈夫よ、平気」
「ならよかったです!はい!お酒です!」
「あっ、ありがとう」
モルガは昨日と同じようにグラスにお酒を注ぎオリビアに渡しました。
オリビアは心の中で思いました。
『今日も結局飲むんかーい!昨日みたいに、ならないように気を付けないと…』
『気持ち悪さだけ消してあげようか?』
『そんなこと出来るの?エルリア』
『うん、まぁね〜』
『じゃあ、よろしくエルリア』
『オッケ〜』
オリビアはエルリアのお陰で、どうやら昨日のようにはならなくなったようです。
「かんぱ~い!」
皆で乾杯をし、オリビア達は楽しく飲みはじめました。
「モルガって可愛いよね」
「オリビア様、何言ってるんですか?」
「ロドニーさんも、そう思うでしょ?」
オリビアはモルガの前に座っているロドニーに話しかけました。
「まぁ、可愛いかもな」
「じゃあ、お兄さんからしたら心配ですね?」
「そうだな、変な虫は追い払うつもりだ」
「私が見張ってます!」
「あぁ、よろしく頼む!」
「オリビア様まで…」
すると次にグレンがオリビアに話しかけてきました。
「オリビア様、レオナルドはどうしました?」
「宿舎に1回行ってくるって言ってましたよ」
「そうか、ならそろそろ来るな」
「ですね」
「オリビアは、好きな男いないのか?」
「私は聖職者ですから、いませんよ〜」
「はぐらかしたな、ほら飲め!」
「もう飲んでますよコルディエさん」
オリビアは目の前に座るコルディエに話しかけられ、返事をしたその時です。
「なっ…」
レオナルドが戻り大聖堂へ顔を出しました。
「あっ!レオ帰ってきた〜」
「レオナルドさん!昨日と同じところ座って下さい!はい、グラスですよ〜」
「まぁ、予想通りだな…」
モルガがレオナルドを席へと誘導し、グラスを準備しました。
「レオ遅かったね?」
「向こうでも皆んな飲んでて絡まれた」
「そうなんだ。注いであげる、はい」
オリビアは隣に座ったレオナルドのグラスにお酒を注ぎました。
「全く懲りずに、また飲みやがって」
「今日は大丈夫なの」
「気持ちよく皆んなで飲めればいいんですよ、ねぇ?オリビア様」
「そうだよね〜?モルガ」
「そうだそうだ、小僧も飲め」
「今日は小僧ですか?コルディエさん」
「レオ喧嘩はダメだよ。レオはもっと飲んだ方がいいよ」
「分かったよオリビア」
『たくっ、オリビア何でこんなに可愛いんだ…』
レオナルドは隣に座るオリビアを見ながら、そんな事を思っていました。
レオナルドは1度ブライアンの部屋に行き自分の着替えを置いたあと、隣の部屋にいなかったオリビアをどうやら探して大聖堂へ来たようです。
するとレオナルドはコルディエに話しかけられました。
「小僧!」
「何ですか?コルディエさん」
「俺と勝負でもするか」
「はぁ?なんでです?」
「オリビア!」
「はい、何ですか?コルディエさん」
「勝った方に何かご褒美くれ!」
コルディエは目の前のオリビアに話しかけ、レオナルドと自分が勝負をし、どちらか勝った方にご褒美をくれと言いました。
「勝った方にですか?」
「そうだ、これならやる気出るだろ?小僧」
「何をやるんですか?」
「そうだな、ここはシンプルに腕相撲はどうだ?」
「まぁ、いいですよ」
「よしっ、やるぞ!腕出せ!」
「はいはい、俺負けませんよ?」
「俺も負けねーぞ、小僧」
『オリビアのかかった勝負に、俺が負けるわけねーだろ』
レオナルドはそう思いながら腕をまくり、目の前のテーブルに腕を出しコルディエと手を組み腕相撲で勝負をしました。
そして何と宣言通りレオナルドがコルディエに勝利しました。(※審判はグレンがやった)
「凄いレオ!本当に勝った〜!」
「やるじゃねーか…」
「おっさんも強かったですよ」
「くそっ…」
そんな皆んなで楽しく飲んでいた数時間後…
「あれ?皆んな寝ちゃった。モルガ〜」
「う〜ん…」
オリビアは隣で眠るモルガの肩を揺らし、声をかけましたが全く反応しません。
気付くとオリビアとレオナルド2人だけが残っていました。
「皆んな私より2時間前から飲んでたって言ってから、潰れちゃった」
「そうだな。オリビア外にでも行くか?」
「外?」
「酔い覚ましに夜風にでもあたろう」
「いいよ〜」
オリビアが椅子から立ち上がると、レオナルドはオリビアの手を繋ぎました。
「手繋ぐの?」
「フラフラして危ないからだ」
「そっか」
「行くぞ」
「うん」
2人で手を繋ぎながら、大聖堂の外へと出ると夜空には沢山の星が輝いていました。
「レオ、全然酔わないね」
「これでも酔ってるよ」
「ホントに?」
「あぁ。そうだオリビア」
「んっ?」
「ご褒美くれないのか?」
「えっ?」
「さっき勝ったらご褒美くれるって言ったろ?」
「あ〜、そう言えば。何がいい?」
「何ならいい?」
「えぇ〜、う〜んと…」
何がいいかと考え事をしていたオリビアを、突然レオナルドが抱きしめてきました。
「オリビア」
「あったかい」
「えっ?」
「レオあったかい」
「ごめん、寒かったか?」
「うん、少しね」
「中に戻るか?」
レオナルドはオリビアを抱き締めていた手を離し、顔を覗きました。
「レオ」
「なんだ?」
「今日だけ特別だよ」
「はっ?何が」
「私聖職者だから、本当はダメなんだからね」
「これくらいならいいだろ」
オリビアは自分よりも背の高いレオナルドを見上げると、着ていた服の襟のあたりを掴み顔を少し自分へ近付けさせると背伸びをしながら、レオナルドの唇に触れるだけの優しいキスをしました。
「ご褒美これでいい?レオ?嫌だった?」
突然の事に驚き黙ってしまったレオナルドにオリビアが話しかけると、またすぐにレオナルドがオリビアを抱き締めてきました。
「嫌じゃない、これでいい」
「よかった」
「中に入ろう、冷えてきた」
「うん」
レオナルドは再びオリビアの手を繋ぎ、2人は大聖堂の中へと戻りました。
昨日とは逆にオリビアがモルガをレオナルドも手伝い部屋へと運び、その後2人はそれぞれ部屋へと入りました。
翌朝オリビアは、自身の部屋のベッドの上で目が覚めました。
「う〜ん…、あれっ、いつ部屋戻ったけ?皆んなと飲んでて…、まぁいっか」
オリビアはベッドから起き上がり、カーテンを開け窓の外を見ました。
『何か忘れているような…、外歩いた?いや、う〜ん…』
そんな事を考えながら、部屋で身支度を整えているとドアを誰かが叩く音がしました。
オリビアがドアを開けると、目の前にレオナルドが立っていました。
「レオ、おはよう」
「おう…」
「んっ?どうしたの?」
「あの、昨日の、覚えてるか?」
「昨日?昨日なんかあったけ?」
「いや、分からないならいいや…」
「うん?部屋入る?」
「いや、いい、じゃ」
「んっ?」
オリビアはドアを締めたあと、レオナルドの今の様子が気になりました。
『絶対おかしい、昨日なにあった?私なにかしたかな…?レオ怒ってる?いや、そんな感じじゃないよね?じゃあなに?そうだ外!外出た!誰と?1人ではないと思うから…、さっきのレオの様子からしてレオと外出た?で…、あぁ!!うん、このまま知らんぷりしよ、私は覚えてない。うん、これで行こう。だって自分からキスしたとか恥ずかしすぎるもん…』




