ホタルの輝き2
翌日になるとカインがオリーブの下を訪れ、2人で城の中庭に行き長椅子に隣同士に座りながら本を読んでいました。
「そうだカイン、聞きたいことがあったの」
「何だい?オリーブ」
オリーブは読んでいた本を閉じ、すぐ隣に座るカインに話しかけました。
「ウォルターにね、生徒会に誘われたの。どう思う?」
「生徒会に?いいんじゃないかな!」
それを聞いたカインはとても嬉しそうに答えました。
「えっ?カインもなの?どうしよう…」
「まぁ、オリーブは苦手なのかもしれないけどね」
「うん、そうなの。でも入らないとウォルター、来年の生徒会長に立候補しないとか言ってて…」
「へぇ…、ウォルターが生徒会長か…」
「似合うと思わない?」
「そうだね、ウォルターなら適任だね」
「でも、私が生徒会に入って側で応援するならって言われちゃって…」
「ふ〜ん、あいつそんな事言ったのか…ボソッ」
「えっ?よく聞こえなかったわ、カイン」
「何でもないよ。でもオリーブは何だかんだ言って成績も悪くないし、良いと思うよ」
「もう、カインまで…。あっ、もしかしてカインもこのまま生徒会に入る感じなの?」
「そうだね、そうしようと思ってる」
「そっか、そしたら私が入ればカインとも一緒にいられるのね」
「そうそう!だからオリーブも入ればもっと賑やかになるよ」
「う〜ん…」
生徒会に入ろうか悩むオリーブにカインは言いました。
「ならさ、再来年の生徒会長になるって言ったら、オリーブは応援してくれる?」
「えっ?カインが?それはもちろん応援するわ!」
「本当に?」
「本当よ!と言うかカインの生徒会長か〜、見てみたいわ!」
「だったら私も、オリーブが側で応援してくれたら立候補するよ」
「私が?側で?つまりそれって…、入れって事?」
「そうだね(笑)」
「…しばらく考えさせて下さい…」
「いいよ、ゆっくり考えて」
するとアリシアが現れ、オリーブに声をかけてきました。
「あっ、やっぱりここにいた!ってカインも来てたのね。2人で何してたの?オリーブ」
「本を読んでいたの、アリシア」
その後ウォルターとアイザックも集まり、賑やかに休日は過ぎていきました。
登校日になりオリーブとアリシアは同じ馬車へと乗り、2人は生徒会長の話をしていました。
「会長さん凄く優しくてね、ウォルターとカインのお友達ならいつでもおいでって言われちゃったの」
「へぇ〜、そうなんだ。何だかそんなに言われると私も1度見てみたいかも」
「でしょ!そうでしょ!なら今日の放課後、生徒会室に一緒に行きましょ!」
「そうね」
そんな事をアリシアと話していた放課後、アイザックがまたオリーブに声をかけてきました。
「オリーブ、今日もアリシアと帰るのか?」
「うん、でも今日は生徒会室に寄ってから帰ろうって話になったの」
「生徒会室に?」
「アリシアがいつも、会長さん会長さんって言うから何だか私も気になっちゃって」
「なら、俺も行く」
「えっ、アイザックも気になったの?」
「あぁ、兄さんも褒めてたから気になってた」
「ウォルターが褒めてたの?」
「いつも頭もキレるし魔法も凄いって褒めてる。さらに凄いのは平民出身だってな」
「平民なの?」
「そうらしい。今は貴族の養子らしいが、たいして教育も受けてないはずなのに凄すぎるってな」
「それはますます気になるわ。どんな人なのかしら」
オリーブが生徒会室にアリシアとアイザックと共に向かっていた時、廊下で誰かに声をかけられました。
「オリーブ」
「えっ!ちょっ…、えぇぇ!」
「どうしたのオリーブ?誰?知り合い?」
「誰だ?知ってんか?」
「アリシア、アイザックごめん!ちょっと先行ってて!すぐに行くから!」
オリーブは2人から離れると声をかけてきた人の手を引き、慌てて空いていた教室に入りました。
「何でこんな所にいるの?!と言うかその格好どうしたの?ロニセラ」
「俺の変装スゲェだろ?オリーブ」
何と学校で声をかけてきたのはエルフのロニセラでした。
「いや…、凄いけど…、何でいるの?」
「いやちょっと学校に潜入?みたいなハハッ(笑)」
「潜入って…(汗)」
「大丈夫だって、どっからどう見ても人間の高校生だろ?」
「いや、まぁ、見えるけど…」
「やっぱりな!よしこのまま学校の中、案内しろ!オリーブ!」
「はぁ?何言ってるの!ここの生徒じゃないってすぐにバレるわよ!」
「大丈夫だ安心しろ、もう根回しはしてある」
「どう言うこと…?まさか…、ここらへんにいるって言ってたのって…」
「お前の母ちゃんの実家にいる」
オリーブはロニセラの話を聞き、頭を抱えながら言いました。
「やっぱり…、そういう事か…、じゃあもう学校側も知ってるのね?」
「あぁ、そういう事だ」
「と言うより、何か口調もいつもより穏やかじゃない?」
「爺ちゃんに、変装の時は直せって言われた」
「さすが長老さんね」
「だから案内しろ!オリーブ!」
「案内したいんだけど、これから生徒会長に会おうって友達と約束してて…」
「生徒会長?なら俺も行く!連れていけオリーブ!」
「えっと…、ちゃんとうまく合わせられるの?」
「大丈夫だ!任せろ!」
「心配で胃が痛くなってきた…、はぁ…」
オリーブは胸を押えながら、ため息をつきました。
「あっそうだ、俺は3年の転校生って事になってる。後はオリーブに任せるってさ。お前の母ちゃんが言ってたぞ」
「もう母様ったら…、ひどいわ…、帰ったら私に内緒にしてた事、文句言わなきゃ!」
ロニセラと話したあと2人で生徒会室に向かうと、アリシアが待っていたかのようにオリーブに近付いてきました。
『さっそくアリシアが目を輝かせて近付いてきたわ…』
オリーブがそんな事を思っていると、何も知らないアリシアは明るく話しかけてきました。
「オリーブやっときた!あれ?この人さっき話かけられたわね?誰なの?」
「えっと…、いとこなの。母様の姉の息子さんで今日からここに転校してきたみたい」
「えっ!いとこなの??」
「うん…!急に来たからビックリしちゃって、アハハ…」
「ロニセラ=ブレットです。よろしくお願いします」
「まぁ!私はアリシア=スニァシオです。オリーブとは仲良くしていただいています。よろしくお願いします!」
『何とかアリシアは誤魔化せた…、うぅ…、心臓に悪い…、早くこの場から逃げたい…、帰りたい…』
オリーブの思いとは裏腹に、ロニセラはうまくその場に合わせました。
その後もロニセラはきちんと皆に挨拶をし、オリーブも少しだけ安堵しました。
どうやら1度ロニセラに会った事のあるアイザックは、名前を聞いて何かに気付いたようですが、知らないフリをしてくれました。
その後オリーブ達は生徒会室へと入り、後で並んで見ながら見学していました。
「オリーブあの人が会長さんよ!カッコいいでしょ?」
「えっ、うん、まぁ、そうね」
「やっぱりオリーブまだまだ子供ね〜、この良さが分からないなんて」
「オリーブは、あぁいうのが好きなのか?」
「ロニセラ何言ってるの…、違うわよ…」
「そうか!何だ!違うのか!そうか!」
『人間に変装したロニセラって何か凄く明るくない?』
オリーブがそう思っていた時でした、何と生徒会長がこちらへ近寄り話かけてきました。
「君は初めて見る顔だね、転校生かな?」
「はい、3年に転校してきました。ロニセラ=ブレットです。よろしくお願いします」
「私も3年だ。クラスはどこかな?」
「ええっと、確か、その…」
生徒会長にクラスを聞かれたロニセラは返事に困り、慌てて隣にいたオリーブがフォローしました。
「あっ!まだ来たばかりで聞いてないんです!ねっ、ロニセラ?」
「はい、そうです。後で聞いておきます」
「そうか。君達はどういう関係なのかな?」
「私のいとこです。母の姉の子なんです」
「そうか、君はオリーブ王女?」
「はい、オリーブ=ゼラファーガと申します。今日はアリシアに誘われて来ました」
「そうなんだね、私はハディシス=サターナ。まぁ何もないけど、ゆっくりしていってくれ」
「はい、ありがとうごさまいます」
「話したいのは山々だが、私は色々と忙しいのでこれで。君達なら自由に見学してって構わないから、それじゃあ」
会長はオリーブ達に挨拶だけをしすぐに離れると、自身の椅子に座り机に向かい仕事を始めました。
「アリシア、私達邪魔になりそうだからもう帰らない?」
「そうね、今日は皆んな忙しいみたいね」
生徒会室から出できたオリーブ達4人は、そろそろ城へ帰ろうとしていました。
「ロニセラ学校の案内は明日にしてもいい?」
「えっ、明日?」
「うん、駄目?」
「ちょっとでいいから案内して欲しい、オリーブ」
「もう、分かったわよ」
アリシアとアイザックは先に城へと帰り、オリーブはロニセラと2人学校に残り校内を案内をして回りました。
「オリーブ、あの会長って奴、強いな」
「そうね、かなり強いわね」
「あいつには気を付けろ。まっ、お前なら対抗できるだろうが、何かあったらすぐに俺を呼べ」
「えぇ、分かったわ」
「爺ちゃんが言ってたのはアイツなのかもしれない」
「もしかしてそれで校内の案内してほしかったの?」
「あぁ、ここらへんに何か妙な気配がする」




