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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
番外編 〜幻影〜

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ホタルの輝き

オリーブが高等部へと入学してから約2ヶ月半が経ち、そろそろ学校生活にもなれてきた頃、オリーブはいつものようにアリシア、アイザックと共に屋上でお昼休みを過ごしていました。


「カインはまだ分かるけど、他国のウォルターまで生徒会の手伝いを頼まれるなんてねオリーブ」

「そうね。だけどウォルターなら、頼まれるのも何だか分かるわ」


オリーブはアリシアと2人で生徒会の話をしていました。


カインとウォルターは生徒会の集まりで、今日は屋上に一緒にはいませんでした。


「それもそうね。成績も常に上位の方だものね」

「えぇ、凄いわ。ウォルターもカインも」

「そういえばオリーブ!知ってる?」

「んっ?何を?アリシア」

「生徒会長すっごく女子に人気があるの!」

「そうなの?人気って事はカッコイイって事?」

「そう!顔もスタイルも抜群で、頭も良くて常に学年で成績1位らしいわ!」

「まぁ、そんなに凄い人がこの学校にいたのね」

「あの何とも言えないミステリアスな雰囲気が、凄く素敵なの!」


アリシアは手を合わせて顔を赤らめて言いました。


「へぇ〜、アリシアが誰かを褒めるなんて珍しいわね」

「1つしか年齢が違わないのに、凄く大人っぽいのよ」

「ふ〜ん」

「オリーブにはまだ大人の魅力って言うのが、分からないかしらね」

「う〜ん、そうね。まだ分からないかも」

「なら、ウォルターとカインを訪ねるふりをして生徒会室に見に行きましょ!オリーブ」

「えっ?今から?」

「もちろんよ!」

「う〜ん、まだお昼食べ終わってないし、私はいいわ」

「もう!いいわ、1人で行ってくるわ!じゃあまた後でね〜、オリーブ」

「えっ、えぇ、また後で」


アリシアはそう言うと広げていたお弁当箱を急いで片付け、階段を駆け下りて行きました。


「アリシア本当に行っちゃったわ」

「そうだな」


隣で黙って2人の会話を聞いていたアイザックが、返事をしました。


「そういえば、アイザックも成績いいから生徒会手伝ってって声かけられてなかった?」

「あぁ、まぁな。だけど俺はそう言うのパス。ってオリーブも声かけられてたろ?カインと一緒にやりゃあよかったじゃん」

「それもそうなんだけど、私は昔からそういうの苦手ってっていうか…」

「じっとしてなれない?」

「そうそう、そんな感じ」

「俺も。俺ら似てるかもな」

「そうね、似てるかもね」


『生徒会なんて手伝ってたら、こうやってオリーブと一緒にいれねぇじゃん。そんなの誰がやるか。兄さんよりもカインよりも、俺が誰よりも1番オリーブの側にいてやる』


そんな事を考えていたアイザックに、オリーブがお菓子を差し出しながら聞いてきました。


「アイザック、クッキー食べる?今朝焼いたの」

「オリーブが作ったのか?」

「そうよ、アイリに教えてもらいながら作ったの」

「へぇ、食う」


アイザックはオリーブの作ったクッキーを食べながら、ウォルターとカインのいないこのチャンスを逃してなるものかと思っていました。


その後授業が全て終わると、アイザックがオリーブの側に寄ってきて声をかけました。


「どうせ同じ場所だし、一緒に帰るか?オリーブ」

「ごめん、今日はアリシアと一緒に帰る約束しているの」

「そうか分かった。じゃあ、またな」

「えぇ、また」


オリーブはアイザックと別れたあと、昇降口でアリシアを待っていましたがなかなか姿を現しません。


『アリシアどうしちゃったのかしら?いつもより遅いわ。教室に行ってみようかしら…』


オリーブが1つ年上の学年のアリシアの教室を訪ねると、ウォルターと入り口で出くわしました。


「あっ、ウォルター!アリシアいる?」

「オリーブ!アリシア?アリシアなら、さっき教室を出ていったよ」

「えっ、そうなの?行き違いになっちゃったかしら…」

「あ〜、もしかしたら生徒会室じゃないかな?お昼休みも来ていたから」

「そうなのね、確かにお昼休み急いでお昼もそこそこに生徒会長を見に行ったのよ」

「アリシアらしいな」

「今から生徒会室に行くの?ウォルター」

「あぁ、そうだよ。アリシアに用なら一緒に行くかい?」

「そうね。アリシアったら一緒に帰る約束してたのに忘れてるんだわ、きっと」

「ならっ、行こう。オリーブ」

「えぇ」


オリーブとウォルターは並んで一緒に歩き出しました。

生徒会室は普段授業をする校舎とは別の棟にあるため少しだけ遠いのです。


「生徒会の手伝い大変そうね?ウォルター」

「まぁね、だけどやり甲斐があるよ」

「そう、じゃあそのまま生徒会に入るの?」

「そうだね、そうなるだろうね」

「じゃあ来年は、ウォルターが生徒会長かしらね?」

「いや〜、それはどうだろう…」

「ウォルターなら出来るわよ!」

「そうかな…?」

「そうよ、大丈夫よ。私応援する!」

「オリーブが応援してくれるなら、やろうかな…」

「うん!絶対ウォルターなら、票も1番入るわ!」

「オリーブは、本当に私に生徒会長してほしいのかい?」

「してほしいわ!だってウォルターしか生徒会長がピッタリな人いないわ!」

「オリーブが側で応援してくれるなら、考えようかな」

「んっ?側で?」

「あぁ、オリーブも生徒会に入るならね」

「あぁ…、うん…」

「駄目かい?オリーブ」

「私そういうの苦手なのよね…」

「無理にとは言わない、考えておいて」

「分かったわ、考えとく」

「オリーブ、髪の毛少し乱れてるよ」

「えっ?」


ウォルターはオリーブの乱れていた髪に気付くと、優しく撫でて直してあげました。


「オリーブの髪、凄く綺麗だね」

「ありがとう、ウォルター」

「どういたしまして」


そして2人が生徒会室につくとアリシアがちょうど、生徒会室から出てくるところでした。


「あっ、アリシアいたわ」

「んっ?オリーブ!遅くなっちゃったわね。帰りましょ!」

「もう、心配したのよ」

「ごめんごめん、つい生徒会長に見惚れちゃって」

「ついって…」

「あっ、でも私の1番はオリーブだから安心して!」

「はいはい、帰りましょうね、アリシア」

「本当よ!オリーブが世界で1番なんだから!他は考えられないわ!」

「それは友達としてでしょ?アリシア」

「それもだけど、違うの!オリーブが思ってるよりももっと深い意味なの!」


そんな会話をしながらオリーブはウォルターに手を振りながら別れ、オリーブとアリシアは城へと帰っていきました。


「あれが、あのアリシアってのが言ってたオリーブ姫か…」

「会長、オリーブがどうかしましたか?」

「あっ、いや綺麗だなと思ってね。ウォルターくん」

「えぇ、そうですね」


生徒会長はアリシアと話ながら帰っていく、オリーブの後ろ姿をじっと見つめていました。



その日の夜、眠気に襲われたオリーブはそろそろ寝ようとベッドへと潜り込みました。


『明日は学校お休み…、何をしようかしら…』


そんな事を思いながらオリーブが深い眠りについた頃、誰かが部屋へと侵入してきました。


「ロニセラ、何をしているのですか。ここはオリーブ様の部屋ですよ」

「ちっ、姉ちゃんかよ…」


部屋へと入ってきたのはロニセラで、アイリが侵入者に気付き、持っていた短剣で刃を立てながらロニセラに言いました。


「いくらロニセラでも、オリーブ様に傷を付ける事は許しません」

「ちげーよ、ちょっと窓が開いてたから入っただけだ。なんもしねーわ」

「本当ですか?」

「本当だっつーの」


すると声に気付いたオリーブが、ベッドから身体を起こして言いました。


「んっ?誰かいるの?アイリ…」

「あっ…、お休み中に申し訳ございませんオリーブ様。起こしてしまいましたね…」

「それはいいけど…、どうしたの?」

「オリーブ、寝てたのか?」

「えっ?誰ってロニセラ?どうしてここにいるの?」

「ちょっと爺ちゃんがよ、何か王都の方が気になるとか言ってさ、それで来た。んで、ついでにお前の顔見に来たってわけ」


ロニセラはそう言いながらオリーブのいるベッドの方へと歩いて近付いてきました。


「あっ、こら!勝手に近付くな!ロニセラ!」

「いいわ、大丈夫よアイリ。ロニセラは私に何もしないわ」

「そうだ。心配すんな姉ちゃん」

「はい。分かりましたオリーブ様」


アイリはオリーブの部屋から隣の部屋へと下がり、オリーブはベッドから出て近くにいたロニセラの前に立ちました。


「ロニセラがここにいるなんて、何か変な感じだわ」

「だよな。俺もここあわねーと思ってる。森の方がいい」

「と言うか、ここに居るならその耳隠さないと大変よ?」


オリーブはエルフのロニセラが、そのままの姿でいると大変だと気付き言いました。


「大丈夫。変装覚えてきた」

「本当に?」

「あぁ、俺を誰だと思ってる」

「本当かしら。それより、王都が気になるって長老さんが言ったの?」

「そうだ、だから来た」

「そう…、なら私も警戒しておくわ」

「俺もそれをお前に言おうと思ってきた。寝てたんだろ?悪かった起こしちまって」

「それは別にいいわ。この国に結界を張ってる以上、私が1番警戒するべきだと思うから」

「そうだな。まっ、何かあったら精霊でも使え。すぐに来る」

「分かったわ」

「しばらくは、ここらへんにいる。それからオリーブ」

「んっ?なに?ロニセラ」

「窓開けたままとか不用心だぞ、ちゃんと閉めろ」

「あっ、ごめん。ちょっと暑くて夜風にあたろうかと思って開けてた…」

「次開いてたら襲うぞ」

「ロニセラは私が嫌がるような事はしないって分かってるわ」

「ちぇっ、じゃあな」


そう言うとロニセラは開いていた窓から外へと出て行き、あっという間に闇夜に消えていきました。


「もういないわ、と言うかどこに泊まるのかしら?」


窓辺に立ちながらロニセラの消えた方向を、オリーブは見つめていました。

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