外伝
ヘイデン王都から、南東にあるロアスト港から船に乗り揺られること丸1日、バレーヌ島という島があります。
バレーヌ島は海に囲まれた楽園の小さな島です。
とても温かな気候でそしてなによりとても綺麗な絶景の島です。
そこには地の精霊女王ノームが住むと言われ、その名の通り地の属性魔法が得意とする者が多くいる島です。
そしてそこにはオリーブが産まれる数ヶ月前の1月12日、ある女の子が誕生していました。その名は『マーリン=アスルテ』。
マーリンはその島の王女でノームの依り代です。
彼女はとても可愛らしい女の子で、島の皆から愛されて育ちました。
そしてオリーブに匹敵するほどの魔力の持ち主です。
そんなマーリンは占星術が得意でした。
毎夜、夜空に輝く星を見上げては星のお告げを聞いていました。
「私のような人が後3人いるのね、1人はヘイデン、もう1人はシンシア、そしてケツァールにも1人いるんだ〜」
「本当なのマーリン?」
そんな可愛らしい事を言うマーリンに側にいたノームが話しかけました。
「もう信じてないわね?ノーム」
「そうよ、星が本当に教えるかしら」
「もちろんよ!たくさんの事を教えてくれるわ!」
「はいはい」
「んっ?3人は私と友達になるの?本当に?楽しみ!早く会いたいわ!」
マーリンはいつか自分と同じような女の子達と会える事を、とても楽しみにしていました。
そしてマーリンは星に教えられてから気になって仕方なくなり、友達にどうしても会いたくなってしまい1人船に乗り込み、ヘイデンへと来てしまいました。
「確か、ここに1人いたわよね!」
「本当にそんな子いるの?マーリン」
「いるわよ、きっと!」
ですがマーリンがヘイデンへと訪れたとき、オリーブはシンシアへ留学していました。
結局マーリンは誰にも会えず、また船に乗り込み島へと帰っていきました。
「はぁ…、会えなかった…、どこにいたんだろう…」
「マーリンが信じていれば、いつか会えるんじゃないの?」
「そうね、クヨクヨしてられないわね。ノーム」
しかしこれがきっかけとなり、マーリンが島を離れた事で非情にも小さな島バレーヌ島は、魔物に狙われ襲われてしまいました。
バレーヌ島はずっと平和な島だったため、戦い方を皆知りませんでした。
戦えたのは城に属する僅かな兵だけ。
戦いの主力となるマーリンが不在となり、魔物はあっという間に島を占領してしまいました。
マーリンが島に到着し変わり果てた島を見たときは絶望してしまいましたが、マーリンはそれでも負けずに島にいた魔物をノームと共に倒しはじめました。
最初こそその魔力で魔物を圧倒していきましたが、あまりにも魔物が多すぎたためマーリンとノームは倒しきれず力尽き、そしてバレーヌ島は沈没してしまいました。
マーリンはオリーブ達に1度も会うことなく、この世を去りました。
そしてこの沈没してしまったバレーヌ島を中心に、魔物が本格的に世界へ広がっていったのです。




