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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
第一部 【愛と平和】

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挑戦

オリーブ達はその後ヘイデンへと数十日かけ帰国しました。


ヘイデンへ到着したオリーブ達はさっそく王の間へと行き、王と王妃に報告へ向かいました。


「父様、母様戻りました!」

「おう、オリーブよく戻った」

「オリーブ元気そうで何よりです」


オリーブはサラマンダーから聞いた、世界に魔物を出現させこの星を狙っている者がいる、闇は近づいていると言う話をしました。


「そうか、皆ご苦労だった」

「それからサラマンダーが言ってたんだけど、父様に火の魔法を施したのは自分だって、私にも少し火の魔法くれたの」


オリーブはそう言いながら手の平を出し、小さな火を起して見せました。


「何と!精霊王が私に…、そして娘にもくださるとは…」

「アナタ皆の前で泣かないで下さい」


報告を終えオリーブ達は部屋へと下がり、オリーブは自身の部屋のベッドへとダイブしました。


「あ〜、疲れた。何日も馬車に乗るなんて疲れるわ。鍛錬でもしようかな。火の魔法のこと長老さんに自慢したいしな。アイリ」


オリーブはベッドから起き上がるとアイリを呼びました。


「何でしょうか?オリーブ様」

「久しぶりにエルフの里に行ってくるわ。長老さんに会って、あと鍛錬もしてくる」

「分かりました、お気をつけて」


オリーブはすぐさまエルフへと変装し、雷樺と共にエルフの里へ向かいました。


「エルフの格好も久しぶりだわ!」


オリーブは久しぶりのエルフの格好に、ウキウキしながらエルフの里のヘデラの家へ行きました。


「長老さん、久しぶり!」

「オリーブ久しぶりじゃのう」

「聞いて、私火の魔法出来るようになったの」

「騒がしいな、オリーブかよ」

「あっ、ロニセラもいたのね」

「何だよ、その薄い反応」

「火の魔法が出来るようになったのか?確かに僅かにじゃが火の気配を感じるの」

「うん、少しだけね」


オリーブは手の平を出し火を起こして見せました。


「ほう本当じゃ、凄いのオリーブ」

「それくらいなら誰でも出来そうだな」

「サラマンダーがくれたの」

「サラマンダーとは、まさか火の精霊王か?」

「うん、今までケツァール皇国に行ってて、そこでサラマンダーがくれたの」

「オリーブは誰にでも好かれるの」


ヘデラの家で3人で仲良く世間話をしていました。


「長老!大変です!!」

「何事じゃ?」


そこへエルフの里の者が慌ててヘデラの家に入ってきました。


「ドラゴンです!ドラゴンがいます!」

「何じゃと?!」


皆で急いで家の外へと出ると、ヘデラの家の上空を大きなドラゴンが飛んでいました。


それを見たオリーブは申し訳なさそうに言いました。


「あっ、皆さんお騒がせしてゴメンなさい。あれサラマンダーだわ」

「サラマンダー?あれが精霊王なのか?オリーブ」

「うんそうなの。もしかしたら私を探しに来たのかも」

「マジかよ…」

「サラマンダーー!!」


オリーブはドラゴンに向かって叫びました。

するとドラゴンは地上へと降り、姿を人間に変えオリーブの側へ近付いて来ました。


「君は、オリーブなのかい?」

「そうよ、エルフに変装してるの」


オリーブは変装を解き人間に戻りました。


「本当だ姫だ。君を探していたが気配はあるが見当たらなくて、そうか変装してたのか」(※オリーブに自身の火の魔法を施したので、サラマンダーはオリーブの居場所が分かった)

「いきなり何?サラマンダー。皆んなビックリしてるじゃない」

「ただ、会いに来ただけだよ。姫」

「えっ?じゃあもう会ったでしょ?」

「そうだ、お前急に来て馴れ馴れしいぞ」

「威勢のいいエルフだな、私にそのような事を言うなど…」

「申し訳ございませぬ精霊王。ワシはこの里の首長ヘデラ。孫にはよく聞かせておくのじゃ」


オリーブに馴れ馴れしく話すサラマンダーにロニセラが邪険な感じで話かけ、それを見たヘデラがすぐにサラマンダーに謝りました。


「ハハハッ、よいエルフの首長。なかなか私にそのように言ってくる者がいなく、珍しいから驚いただけだ。姫、またエルフになって見せてくれないか?」

「えっ?エルフに?まぁ、別にいいけど」


オリーブはすぐにまたエルフに変装しました。


「これはこれで私は好きだ、姫」

「近寄らないで。何しに来たのよ?サラマンダー」


エルフになったオリーブに触れようと近付いたサラマンダーから、オリーブは距離を取りました。


「ただ会いに来ただけだと言っただろ?姫」

「あっ、そうだ!サラマンダー、剣は出来る?」

「剣か?まぁ、それなりだが。何故?」

「手合わせして!サラマンダーこっちよ!」

「姫と手合わせ?」

「そう、ちょうどケツァールから帰って来たばかりで、体が鈍ってるから動かしたいの」


オリーブはサラマンダーをエルフの里の訓練場所へ連れていきました。


ヘデラとロニセラもオリーブの後をついてきました。


「剣と短剣どっちがいい?」

「剣かな」

「なら私も剣っと」


オリーブはサラマンダーに練習用の剣を渡し、自分も剣を構えました。


「ほう、姫だからと言って私は手加減しないぞ」

「いいわ、望むところよ」


オリーブとサラマンダーの手合わせが始まりました。


「サラマンダー、思ったよりなかなかやるじゃない」

「姫こそ鍛えている、だが」

「えっ?あっ!」


オリーブの持っていた剣が、サラマンダーの勢いに負け折れてしまいました。


するとすぐにオリーブは精霊に預けていた短剣を取り出しました。


「私はこっちの方が得意なの!」

「姫、早い!」


オリーブはサラマンダーの持っていた剣をふっ飛ばし、喉元に短剣を向けました。


「負けたよ姫、強いね」

「でも剣はサラマンダーの方が強いわ。負けちゃったわ」

「おい精霊王、次は俺とやれ」

「君の名前は?」

「ロニセラだ」


オリーブとサラマンダーの手合わせが終わると、ロニセラが2人に近付いてきました。


「ロニセラ、君も姫を好きなようだね」

「あぁ、好きだ」

「ちょっ…!」

「女は引っ込んでろ」

「はいはい」


オリーブはその場から離れ、少し遠くから見守っていたヘデラの側へ行きました。


「お前に勝ったらオリーブよこせ」

「ほう、なら本気を出すぞ」


「何言ってんのアイツら…」

「オリーブはモテるの」


それを聞いたオリーブは苦笑いを浮かべました。


そしてサラマンダーとロニセラの手合わせがはじまりましたが、ロニセラは一瞬にして負けてしまいました。


「クソッ!」

「この程度かい?ロニセラ」

「まだだ!」


ロニセラはその後、何度もサラマンダーに勝負を挑み6回目で何とか勝つことが出来ました。


サラマンダーは終わるとオリーブに近寄り話しかけました。


「姫、久しぶり動いて疲れたから私は帰るよ」


そう言いながら持っていた練習用の剣をオリーブに手渡しました。


「分かったわ。次来る時はメアリーも連れてきてよね。そういう約束だったでしょ?」

「なんのことかな?」


サラマンダーはとぼけた顔をしドラゴンになると帰っていきました。


その後サラマンダーが見えなくなると、ヘデラが話しかけてきました。


「メアリーとは?」

「ケツァール皇国の皇帝よ。私と同い年でサラマンダーの依り代なの」

「火の精霊王の依り代か、若いのに皇帝まで凄いの」

「うん、とっても仲良くなったの」

「そうか」


オリーブは目の前の地べたに座ったままのロニセラに近付き、しゃがむと声をかけました。


「ロニセラ大丈夫?」

「クソッ!あいつ強すぎだろ」

「最後勝ったじゃない」

「何回もやったから向こうが疲れただけだ。オリーブはすぐに勝ってたのに…」

「そんなふてくされたロニセラ初めてみたわ」

「うるせぇ」

「大丈夫よ、ロニセラは強いわ」

「お前より強くなきゃ意味がない」

「だったら私と手合わせする?」

「そうだな、やる」


そう言うとロニセラは立ち上がり、オリーブと向かい合うと2人の手合わせが始まりました。


「オリーブ、前より強くなったな」

「いつも強いロニセラとやってるんだから当たり前でしょ」

「そうだな」

「元気出たみたいね、ロニセラ」

「お前もこうやってやりあってる時が、1番いい顔してるぞ」

「そうかもね」


手合わせが終わるとオリーブはその場に寝転がりました。


「疲れた。久しぶりに身体いっぱい動かしたから、もうダメ動けない」

「お前、王女だろ」


そんなオリーブに胡座をかいて側に座ったロニセラが話しかけました。


「ここじゃただのエルフよ」

「そうだな」


するとネリネ、リコリがオリーブを見つけ走って近寄ってきました。


「オリーブ!来てたの?」(双子エルフ2人揃って)

「ネリネ、リコリ。ロニセラと手合わせしてたの」


オリーブは起き上がりながら双子に話しかけました。


「じゃ次は私とやろ!」

「ズルい!私とやるの!」

「ごめん今日は疲れたから、また今度ね」

「えぇ〜!」(双子エルフ2人揃って)

「じゃあ俺とやるか」

「やる!負けない!」

「その次やる!」


ロニセラは双子のエルフに自分とやろうと話しかけました。


「じゃあ私はそろそろ帰るから、じゃあねネリネ、リコリ、ロニセラ」

「あぁ、きーつけろよ」

「バイバイ、オリーブ!」

「またねオリーブ!」

「バイバイ、またね〜」


オリーブは雷樺の背に乗り、皆に手を振りながら帰っていきました。

そんなオリーブの背中を見ながらロニセラは思っていました。


『オリーブに気を使わせたな、情けねぇ。次こそ精霊王に勝つ』


オリーブは城の自分の部屋へと着くと、するとすぐに待機していたアイリが話しかけてきました。


「おかえりなさいませオリーブ様、皆様食堂でご夕食を召し上がられております」

「ただいまアイリ。ロニセラと沢山やりあってきたわ、もう夕食なのね」

「ロニセラが羨ましい…」

「何か言った?アイリ」

「いえ、たまには私もオリーブ様と手合わせがしたいなと思っただけでございます」

「そうね、アイリもエルフだもの。きっと体動かすの好きよね」

「エルフだから体を動かすのが好きかは分かりませんが…、まぁ嫌いではないですね」

「ふふっ、素直じゃないんだから(笑)」

「それよりオリーブ様、エルフの姿のままですが、よろしいのですか?」

「あっ、忘れてたわ。でもたまにはこのまま言って皆んなを驚かそうかしら」


オリーブはエルフの姿のままドレスに着替え、食堂に向かいました。


「オリーブ!エルフのままでも可愛いわね!」

「ありがとう、アリシア」


食堂へ行くとアリシアがすぐに立ち上がり側へ寄ってきました。


そして男性陣はオリーブを見ながらボソボソと呟いていました。


「エルフのオリーブもなかなかいいですね」

「これはこれで悪くないですね」

「あぁ悪くないな」

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