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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
第一部 【愛と平和】

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舞踏会

『姫!起きて!姫!』

『んっ?サラマンダー?』


翌日オリーブはサラマンダーに起こされ、側で寝ていた2人を起こさないよう静かに動きベランダへと行きました。


するとそこには大きなドラゴンに変装したサラマンダーがいました。


『乗って姫!』

「えっ?キャー!」


サラマンダーはオリーブを無理矢理、自身の背に乗せ飛び立ちました。


「もう朝から何よ、サラマンダー」

「ありがとう姫、メアリーを救ってくれて、そのお礼だよ。あれを見てごらん」

「えっ?」


サラマンダーが言った先をオリーブが見ると、そこにはどこまでも続く砂漠の先の地平線に朝日が昇る所でした。


「凄い綺麗!こんなの見たことない!」

「そうだろ?姫だけの特等席だよ」

「とっても素敵!」

「喜んでもらえてよかった。姫、本当にメアリーを救ってくれてありがとう」

「私は何もしてないわ。というか魔物はサラマンダーが倒せばよかったんじゃないの?」

「魔物は倒せたが、私ではメアリーの心のを救えなかった」

「それはメアリーの心が強かっただけよ」

「いや姫が来なかったら、この国はどうなっていたか分からない。本当にありがとう」

「サラマンダーが素直だと、何だか怖いわ」

「私は姫の中でずいぶんと評価が低いようだ…」

「日頃の行いよ」

「まだ私達は会って数日だよ?姫」

「そういえばそうね。でも何だか夢の中で話してから、サラマンダーには遠慮がいらない気がするわ」

「そういうふうにしたんだよ、姫とは堅苦しくしたくなかったからね」

「サラマンダー?」

「なんだい?姫」

「ありがとう、こんなに素敵な景色を見せてくれて」

「どういたしまして」


その後、部屋のベランダへと送ってもらいオリーブは朝日のお礼にドラゴンのサラマンダーの頬に『チュッ』っとキスをしました。


そして部屋へと入ると2人はまだベッドの上で眠ったままでした。



明日オリーブ達はヘイデンへと帰ることとなり、その夜ケツァールの宮殿ではパーティーが行われました。


カイン、ウォルター、アイザックはケツァール国の衣装を貸してもらい着替え先に広い会場へと入りました。


「オリーブ達、遅いですね」

「女性は時間がかかるからね」

「そうだな」


見なことのない3人の男性に会場にいた女性たちは「あの素敵な方々は誰かしら」とすぐに噂になりました。


そしてオリーブ、アリシアも体のラインを少しだけ強調したエキゾチックなケツァール国のドレスで登場しました。


胸元にはそれぞれの誕生石である宝石オリーブはエメラルド、アリシアはアクアマリンのネックレスが光っています。


2人が会場へ登場するとあの綺麗な方々は一体誰だと場内が湧きました。


そして最後に皇帝メアリーが登場しました。胸元には母からの形見、ルビーのネックレスが輝いています。


メアリーの開会の掛け声でダンスパーティーが始まりました。


するとすぐにサラマンダーがオリーブを誘いました。


「姫、お相手お願いします」

「はい、お願いします」


オリーブは差し出されたサラマンダーの手に自身の手を添えると、すぐに連れられ会場の中央へと行き踊り始めました。


「真ん中に行くの?サラマンダー」

「綺麗な姫を皆んなに見てもらおうと思って」

「はいはい」

「本当に綺麗だよ、姫」

「ありがとう」

「姫と私の祝言は、いつ挙げようか?」

「えっ、祝言?挙げないわよ?サラマンダー」

「今朝キスしてくれたじゃないか」

「あれは綺麗な朝日を見せてくれたから、そのお礼よ」

「ちぇっ」

「あっもう終わりだわ。ありがとうございました」


オリーブはサラマンダーから離れると、すぐにウォルターから誘われました。


「オリーブとても綺麗だよ。そのネックレスも似合っている」

「ありがとうウォルター、ネックレスはメアリーがくれたの」

「そうかメアリーと仲良くなったんだね」

「えぇ、とっても」

「女性はすぐに仲良くなるね」

「そうかしら?」

「そうだよ、アリシアともすぐに仲良くなっただろ?」

「言われてみれば確かにそうね」


ウォルターとダンスが終わるとアイザックから誘われました。


「今日のオリーブはとても綺麗だ」

「ありがとうアイザック、今日のってこてはいつもは違うってこと?」

「いやそうじゃなく、特に今日はって意味だ」

「ふふっ、アイザックも似合ってるわよ?その衣装」

「本当か?」

「えぇ」

「あまりこういうのは着慣れないから変な感じだ」

「大丈夫よ、凄く似合ってるわ」


アイザックとダンスが終わるとカインに誘われました。


「オリーブ、今日の君はとても素敵だよ」

「ありがとうカイン」

「少し体のラインが出すぎなのは気になるが…」

「これくらいなら私は平気よ」

「いや私が困る」

「なぜ?」

「独り占めしたくなる」

「ありがとう、褒め言葉と思っておくわ」

「いや私は本気なんだが…」


その後カインとダンスを終え、遠くにアリシアが飲み物を片手にこちらを見ているのが見えオリーブも一休みしようと歩んでいると、パーティーへ来ていた男性にダンスを誘われ断るのも失礼だと思い応じました。


それを皮切りに次々にオリーブはダンスに誘われました。


「アリシア疲れた、目が回る」


オリーブはやっとダンスから開放されたあと、アリシアの側に行き抱き着きました。


「何で断らないの?」

「だって、断るのも失礼かなって」

「全く、オリーブは優しいんだから」

「そんなに踊りたい人もいないだろうなと思ったの。アリシアだってたくさん誘われてたじゃない」

「私は好みの人しか踊らないわ」

「好みの人?」

「そう、例えばどっかの王子とか子供じゃない大人の男性よ」

「何か言いました?アリシア」

「何でもないわウォルター。オリーブ何か始まるみたいよ」

「えっ?」


アリシアに言われオリーブが壇上の方を見ると、メアリーが赤や橙色を基調とし大胆にスリットの入った華やかな衣装に着替えて登場しました。


「メアリー素敵!」

「凄く綺麗だわメアリー!」


するとオーケストラに合わせメアリーが踊り始めました。


「メアリーって踊れたのね!」

「とってもしなやかな動きだわ!」


そしてオリーブは気付きました。メアリーが動くたびに火が出ています。


「アリシア見える?メアリーから出ているもの」

「えぇ見えるわ、あれは火ね」


オリーブがアリシアと話していると、サラマンダーがオリーブの側に寄り話しかけました。


「あれがあの子の才能だよ、姫」

「サラマンダーいつの間にいたの?」

「今来たんだよ」

「メアリーの才能って?」

「メアリーは、火の鳥を出すことが出来るんだ」

「そういえば、昨日も火の鳥で攻撃していたわね」

「普段は小さくても踊れば更に大きくなるよ」

「大きく?」

「あぁ、それを見ると平和になると言われている」

「そうなんだ」

「私がメアリーの依り代になったのはそれが理由だよ」

「理由?」

「もうすぐ分かる」


オリーブはサラマンダーとの話を終えると、踊っているメアリーに注目しました。


するとメアリーから出ていた火がどんどん頭上で大きくなり、大きな『炎の鳥』になったと思ったら会場を一周し「ピィー」っと一声鳴いたあとに消えました。


そしてメアリーのダンスも終了しました。


「すごい、炎の鳥になったわ!」

「えぇ、凄いわね!」

「火の粉が落ちてきたわ」


オリーブは手の平を出し落ちてきた火の粉を乗せましたが、すぐに消えてしまいました。


会場にいた人たちからも「炎の鳥が見えた、火の粉が落ちてきたと」歓声が上がりました。



そして次の日、別れを惜しむ3人の姿がありました。


「メアリー、絶対にまた会いに来るわ!」

「えぇ待ってるわ、オリーブ」

「私も一緒に来るわね、メアリー」

「うん、待ってるわアリシア」

「メアリー、アナタは1人じゃない皆んながいるわ」

「そうよ、私達が何かあればすぐ駆けつけるわ」

「ありがとう2人共」


すると仲良く話す女子3人に、サラマンダーが横から話しかけてきました。


「姫、私も会いに行っていいかい?」

「えっ、う〜ん…、メアリーを連れてくるならいいわよ」

「そうよ、来るときはメアリーを連れて来なさい」

「分かったよ…」

「メアリー、ネックレスありがとう。大切にするわ」

「私も大切にするわ。とっても素敵なネックレスをありがとう」

「どういたしまして」

「じゃあね、メアリー!」

「またね、メアリー!」

「オリーブ、アリシアまた来てねー!」


そしてオリーブ達は馬車へと乗り込みメアリーは馬車が見えなくなっても、いつまでもいつまでもまた2人に会える事を願い砂漠の方を見つめていました。

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