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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
番外編 〜日常を貴方に〜

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白い小花

それから数ヶ月経ち、今年も間もなく後数日で終ろうとしていた。


そして今日は私の17歳の誕生日、澪央とまた別荘に行って1週間ほど過ごす予定だ。


『どうせ私の誕生日なんて忘れてるよね?あえて言う必要もないだろうし、黙っとこ』


私は朝早くから家を出て澪央と合流したのち、また電車に揺られ山間の別荘へと到着した。


私は別荘へ着くなりさっそく2階のバルコニーに行き、綺麗な景色を見ながら澄んだ空気を吸い込んだ。


「ここの風気持ちいい」

「俺よりここ気に入ってんじゃないか?」

「そうかも」

「風冷たいから中に入るぞ」

「もう少しいる」

「ダメだ」

「えぇ〜」

「下行って温かいの飲むぞ」 


私は澪央に連れられ下へと行き、リビングの窓から外を見ていた。


澪央はその間にお湯を沸かしコーヒーを入れてくれた。


「璃花こっち来て飲め」

「ありがと」

「あぁ」

「何かここに来ると新婚みたいだよね」

「そうだな」


ソファーで寄り添いながらコーヒー飲み、澪央は時々私にキスをしてきた。


「最近会えてなかったからな、ここにいる間ずっと俺から離れるなよ」

「なるべくそうする」

「なるべくじゃない絶対だ」

「はいはい」


バスケ部の練習や公式試合などで私達はここのところ、あまり会えていなかった。


コーヒーを飲み終わると、澪央はさっそく私の膝に頭を置いた。


「璃花が側にいる」

「いるよ側に、ずっと」


私はそんな自分に甘えてきた澪央の頭を撫でてあげた。


「クリスマスも会えなかったしな」

「恋人の日なのにね」

「今日はクリスマスみたいにして過ごすか」

「それいいかもね」

「そうだ璃花…!」


すると澪央が何かを思い出したかのように、急に起き上がり話し出した。


「どうしたの?澪央」

「璃花の学校、文化祭したよな?」

「えっ、したけど。それがどうかした?」

「クラスの出し物なにした?」

「えっと…、お化け屋敷だよ?」

「本当か?」

「何でそんなこと聞くの?」

「お前のとこの文化祭に、バスケ部の奴で行ったって言ってる奴いてさ」

「えっ、うん…」

「璃花らしき人を見たって、そいつ言ってたんだけど」

「へぇ、そうなんだ…」

「お化け屋敷ってメイド服着るのか?」


『ギクッ…』


澪央は顔色の変わった私の顔を、疑いの目で見てきた。


「なに青い顔してんだ?璃花」

「してない…」

「メイド服着たのか?」

「えぇっ…と…」

「俺に怒られると思って黙ってたな?」

「…はい」

「璃花のメイド服姿、俺以外の男に見せたのか?」

「…えっと…はい、ごめんなさい。私はしたくないって言ったんだよ?」

「それで許されるってか?」

「思って…ません…」

「だよな。今日は何してもらうかなぁ」

「…ずっとじゃない、ちょっとの間だけだもん!」

「ちょっとでも見られたんだろ?」

「何人かには…」

「スマホ見せろ」

「えっ?」

「どうせそん時の写真撮ってんだろ?見せろ」

「分かりました…」


私はスマホを取り出し文化祭の時に皆んなで撮った、メイド服姿の写真を何枚か澪央に見せた。


「可愛いな…、俺も見たかったな…。はぁ…」


写真を見た澪央はショックを受け、ションボリしながらまた私の膝の上に頭を置いた。

私は澪央の頭を撫でながら謝った。


「ごめんね、まさかそんなに落ち込むと思わなかった」


しばらく澪央は何も言わなくなり、私はその間も澪央の頭を撫でていた。


「よしっ!」


少ししてから澪央はまた起き上がって私に言った。


「隣町行くぞ!」

「えっ、隣町?」

「あぁ、準備しろ」

「うん?」


私達はまた電車に乗り、澪央が連れて来たのはディスカウントストアだった。


「どれにするか」

「これを見に来たの?」

「あぁ」


店に着くなり澪央はコスプレコーナーに行き、さっそく私に着せための服を選び始めた。


そのままついでに食材も一緒に買い、私達はまた別荘へと戻った。


「嬉しそうな顔してるよ澪央」

「そんな事ない」

「鼻の下、伸びてますよ」

「うるせっ」

「まだ私コスプレしてませんよ」

「嫌じゃないか?コスプレ」

「ううん、全然」

「ならよかった」

「それ普通、買う前に聞くんだよ?」

「いま聞いたろ」

「そうですね」


そして日も傾いて来た頃、澪央はピザを頼んだ。


それから買ってきたチキンなどをテーブルの上に並べ、私は2階の寝室に行ってサンタのコスプレに着替えた。


赤を基調としたワンピース、前にボンボンの付いたポンチョを羽織り、頭にはサンタ帽を被った。


着替え階段を下りてきた私を見るなり、澪央は顔が真っ赤になった。


「似合う?」

「似合う(照)」

「よかった。食べよっか?」

「璃花」

「んっ?」


私は話しながらソファーの方に行き座ると、すぐに隣に座った澪央に気付くとソファーに押し倒されていた。


「無理だ、我慢できない」

「料理冷めちゃうよ?」

「そんなん後で温める」


私は興奮してしまった澪央に深く口付けられながら、ついさっき着たばかりのサンタコスは見る見るうちに全て脱がされた。


「澪央くっつきすぎ。食べづらいよ」

「いいだろ別に、2人きりなんだから」


一段落したあと、またサンタコスに着替えた私に最近会えていなかったからなのか、サンタコスが気に入ったのかは分からないが、澪央は私にベッタリくっつき側を離れようとしなかった。


「またキスマークいっぱい付けたでしょ?」

「あぁ付けた。いいだろ1週間ありゃ消えるって」

「いやいや、その間また付けますよね?」

「かもな」

「このピザ辛い…」

「あぁ、確か激辛どっかにあったはずだな」

「あげる、ゲホゲホ」

「ならもらう。璃花、辛いの苦手か?ほらっ、飲み物のめ」

「苦手じゃないけど、辛すぎるのは無理」

「これくらい普通だろ」

「澪央、普通に食べてる」


その後、冷めてしまった食べ物を温め2人でピザなどを食べた。

私がひと口食べてやめた激辛ピザを、澪央は受け取ると普通の顔で全て食べた。


「しかし可愛いな璃花」

「さっきからそればっかりですよ、レオ様」

「後でもっかい上でじっくり見るからな」

「はいはい」


するとピザやチキンなどをだいたい食べた所で、急に澪央が言い出した。


「璃花、ケーキも頼んどいたから食え」

「えっ、ありがとう」


なんと澪央は私のためにケーキを用意してくれていて、キッチンの方からリビングの方へと運んで持ってきてテーブルの上へと置いた。


「わぁ、美味しそうなケーキ。ありがと澪央」

「あぁ」

「えっ、でもどこから持ってきたの?」

「俺が作った」

「そんな暇あったっけ?ずっと一緒にいたのに」

「冗談だ。さっき注文してたの受け取った」

「いつの間にそんなことしてたの?」

「まぁいいだろ。後な璃花」

「うん?」


澪央は少し恥ずかしそうに、小さな箱を私に差し出した。


「今日、誕生日だろ?プレゼントだ」

「えっ!覚えててくれたの?」

「当たり前だろ」

「ありがとう、開けていい?」

「あぁ」


澪央から箱を受け取り、私は蓋を開けてみた。


「これって…」

「思い出したか?」

「前にレオがくれたのと同じ?」

「同じじゃないが似てるだろ?」

「うん、凄く!」


それは以前レオナルドがくれた、白い小花が数個重なった髪飾りによく似ていた。


「璃花、髪結ぶことあるから、似合うだろうなと思って探した。そしたら偶然それ見つけた」

「ありがとう。凄く嬉しい!」

「付けてやる」


私は被っていたサンタ帽を頭から取り、澪央は髪飾りを箱から取り出すと私の髪に付けてくれた。


「やっぱり似合う」

「自分じゃよく分かんない」

「似合ってる、綺麗だ」

「ありがとう澪央」


私は側にいた澪央の肩に片手を置きながら、唇に軽くキスをした。


「取って」

「もう取るのか?」

「だってちゃんと大事に使いたい」

「分かった」


私に髪飾りを取ってと言われた澪央は、自分で付けた髪飾りを外してくれた。


私は澪央から髪飾りを受け取り、箱にしまった。


すると微笑みながら大切そうに箱にしまう、私の姿を側で見ていた澪央が聞いてきた。


「もしかして前の時も、こうやって大事に使ってくれたのか?」

「えっ、うん、そうだよ。澪央が私に選んでくれた物だもん」

「お前は本当に…」


私は澪央に抱き締められながら深くキスをされた。


その後私はフォークを取り出し、澪央の用意してくれたケーキを一口すくって食べた。


「ケーキも美味しい、ありがと」

「ならよかった」

「そんなに見つめられたら食べづらいよ」

「気にすんな」

「私じゃなくてテレビでも見てて」

「はいはい」

「その前に、食べる?」


私は澪央にフォークでケーキをすくい口元に差し出した。

すると澪央はすぐにそれを食べた。


「美味しい?」

「まぁまぁだな」

「前より食べれるようになってきたんじゃない?」

「少しな」

「もう食べれきれないから、残りは明日食べるね」

「あぁ」


そのあと食べ残った物などを片付け、またソファーの方へと戻ると、澪央は私を後から抱き締めてきた。


「今日、澪央すごい側にいるね」

「そうか?いつも通りだ」

「ううん、いつもより近い。まぁ、いつも近いけどね」

「璃花が可愛いからな」

「サンタコス?」

「それもだけど、それだけじゃない」


澪央は私の顔を覗きながら顔を近付け、私の顔を少し横に向かせると、キスをした。


「璃花って何でそんなに可愛んだ?」

「私、可愛い?」

「あぁ、可愛い。女の子って感じ」

「女の子?」

「仕草とか表情とか言う事とか全部」

「そうかな?」

「そうだ」

「ありがと」

「たまに怒ると怖いけどな」

「うるさいな。澪央だってカッコイイよ。男らしいし、頼りになるし、優しいし」

「そんなふうに言ってくれるのは璃花だけだ」

「最近の澪央、前より少し優しくなった気がする」

「そうか?」

「うん、昔結婚した後の澪央になってきた」

「だったらそれは璃花がいるからだ」

「でもそうなると、今度はモテちゃうから心配だけどね」

「璃花よりいい女なんて、いるわけねーだろ」

「ずっとそう思ってもらえればいいけど」

「俺は璃花以外なんて考えられねーよ。だから心配すんな」

「うん分かった、信じるよ」

「あぁ、信じろ」


私はソファーの上で横向きになり、澪央に抱きつくような感じで寄りかかった。


澪央はそんな私の頭を愛おしそうに撫でてきた。


「そうだ」


私は澪央から少しだけ離れ、目を見つめながら言った。


「まだキスマークの仕返ししてない」

「またかよ」

「だって首の付け根につけた」

「ここ知り合いなんて、いねんだから見えたっていいだろ」

「あんま付けないようにするって前に言ったのに」

「そうだったか?覚えてねーな」

「ひどっ、じゃあ澪央、首に付けられてもいいの?」

「嫌だ」

「ほらっ、嫌じゃん」

「璃花はいいんだ」

「何で私はいいの?」

「可愛いから男避けだ」

「ならっ、澪央が追い払って」

「また可愛いこと言いやがって、それ以上言うならもっと付けるぞ」

「ひど〜い」

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