合同練習 終
そして翌日、午前中は最後の合同練習が行われ、見事勝ち抜いたのは澪央の学校だった。
『やっぱ強いんだな、ここの学校。まっ、うちの学校は2位だけど。ってそんなこと考えてる場合じゃない!早く用意しないと!』
お昼は皆んなで校庭に集まりバーベキューをやる事になり、私はその準備に追われていた。
他にもカレーライスを出すらしく、野菜を切ったり煮込んだりなど忙しかった。
私はその準備をしながら合間に、時々試合を見ていた。
「璃花、こっち手伝って!」
「なに?琴弓」
「おにぎり握るって。カレー食べない人のために」
「分かった、手伝う」
試合が終わると、続々と皆んなが校庭へと体育館から出てきた。
5校の生徒達はこの合宿で仲良くなり、和気あいあいとバーベキューを楽しんでいた。
私も配膳をしたりなどしていたが一段落した所で、琴弓や他校のマネの子達と食べながらお喋りをしていた。
「うちの学校の帰っちゃった子いたでしょ?」
「うんうん、いたいた」
「何か化粧凄かったよね」
「智実ちゃんでしょ?」
「あの子さ学校で結構嫌われてて、カッコイイ男見るとすぐ手出すんだよね」
「うわ、マジ?」
「そんな子、本当にいるんだ?」
「えぇ〜、やだ〜」
「しかも嘘ついて取り入ろうとしてさ」
「うわっ、どんだけだよ」
「自分、可愛いと思ってそう」
「ねぇ、だね〜」
私は皆んなが話しているのを、黙って聞いていた。
『下手に話に入っていろいろ聞かれても面倒だし、このまま聞いとこ』
そんなことを思っていた私に、昨日の夜澪央が言っていた通りに他校の男子が話しかけてきた。
「あの…、すみません!」
「えっ?はい」
「お名前なんて言うんですか?」
「私ですか?」
「はい!もちろんです!」
「栖咲璃花です」
「可愛い名前ですね!」
「あっ、ありがとうございます」
するとそれを見た他校の男子達も、何人かゾロゾロと私の周りに集まってきた。
「璃花ちゃんって言うの?」
「えっ、はい、そうですけど…」
「何年?」
「2年です」
「俺と同じだね」
「俺より上か」
私は驚いてしまい近くにいた琴弓のそばへ行った。
すると他のマネ達も寄ってきた男子達に気付き、私の側に近寄ってきた。
「璃花ちゃんビックリしてるじゃない!」
「そうよ、璃花の側に寄らないで!」
皆んなは私に寄ってきた男子達を、追い払ってくれた。
「ありがとう、ビックリしちゃった」
「璃花ちゃん可愛いからね」
「そうそう、うちの男子達も声かけたいとか騒いでたよ」
「うちもだよ」
「璃花、私から離れないでね」
「分かった、琴弓」
「璃花ちゃん、絶対私達から離れちゃダメだよ」
「うん、ありがとう」
その後も私は皆んなから離れないようにし、合宿は無事に終わった。
バーベキューなどの後片付けは以外にもすぐに終わり、私は夕方頃家へと帰った。
『あ〜、疲れた。絶対この後、澪央に怒られる。男と話したろって。仕方ないでしょ。ヤバっ、早く来いってメッセージ来ちゃった…』
私は着替えなどを持ち、急いで家を出て澪央の家の最寄駅に向かった。
「ごめん遅くなった」
「あぁ、行くぞ」
「うん」
駅で澪央と合流すると、すぐに私の手を繋ぎ、そのまま2人で澪央の家へと向かった。
「バッグ持ってやるぞ?よこせ」
「軽いから大丈夫」
「俺に遠慮すんな」
「本当に大丈夫だよ。ありがと」
今日は着替えなどを持ってきたので、いつもよりも私の持っているバッグが大きいことに澪央は気付き、持ってやると言ってきたが私は断った。
澪央の部屋に着き、テーブルの前へ座ると私はすぐに後から抱き締められたので、後ろの澪央に寄りかかった。
「男に話しかけられてたな」
「うん、でも皆んな庇ってくれた」
「そうみたいだな。だけどヒヤヒヤした」
「澪央の顔スゴイひきつってた。絶対後から怒られると思った」
「いいか璃花、お前は自分で思ってる以上に可愛いんだ。これからもちゃんと気を付けろよ?」
「うん、分かった…」
「分かればいい」
澪央は私の下ろしていた髪を後から触り、全部片側に寄せながら言った。
「璃花よく髪結ぶよな」
「えっ、うん、長いから邪魔な時はね」
「そうか」
「何で?」
「こっちの話だから気にすんな」
「うん?」
すると露出した私の片方の耳を、澪央は後から『ペロッ』っと舐めてきた。
「ひゃっ!」
「いい声だな」
そのまま澪央は私の首筋やうなじに舌を這わせていき、私はそのまま澪央に身を委ねた。
その後、夕食を食べお風呂に入り一通り部屋で過ごした所で、2人でベッドへと入った。
「ねぇ、澪央」
「何だ?」
ベッドへと入った私は、澪央と目を合わせながら話しかけた。
「私の身体キスマークだらけなんだけど?」
「そうか?」
「そうだよ。首の跡やっと消えたのに。この間お腹に2つでしょ、さっき胸元にも付けたでしょ」
「そうだな」
「3つもあるんだけど?」
「何か困るのか?」
「困んないけどさ…」
「ならいいだろ」
「うちの近所の温泉とか行けない」
「気にせず行け」
「1人でしか行けない」
「何で?」
「何でって、見られるから家族で行けない」
「我がままだな」
「どっちがだよ」
「口悪くなってるぞ」
「澪央にも付けてあげる」
「別にいいぞ」
「言ったね?」
「あぁ、好きに付けろ」
私はそれを聞き少し動いて、澪央の上に馬乗りになった。
「下から見ても璃花は可愛いな」
「それはどうも」
澪央は上半身裸だったので、私は澪央のお腹おへその横に思いっきり吸い付いてやった。
「いってっ!もう少し優しく出来ねーのかよ」
「いつも澪央がやってるようにしてるから無理」
「そうかよ」
「そうです。いつもの仕返しだもん」
次は肋骨ふきんに思いっきり吸い付いた。
「いでっ!もうそれくらいで、いいんじゃないか?」
「好きに付けろって言った」
「覚えてんのかよ」
「次はどこに付けようかな」
そう私が言った瞬間、澪央は私を抱き締めた。
私は澪央の上に覆いかぶさり、顔は澪央の首筋あたりになった。
「もういいだろ」
「何で?」
「何でもだ」
「まだ2個しか付けてない」
「十分だろ」
澪央はそのままゆっくり動いて私を横に寝せ、私達は互いに横向きで目を合わせた。
「まだ、後1個付ける」
「同じにするのか?」
「うん、する」
「お前は本当に可愛いな(笑)」
「いま馬鹿にした」
「してねーよ」
すると澪央は足を使い、私をガッチリ捕まえてきた。
「ねぇ、動けない」
「捕まえてるからな」
「離して」
「離したらまた付けるだろ?」
「何か問題あるの?」
「璃花、少し落ち着けって」
澪央は私にキスをしその後、私を抱き締めた。
「分かった、あんま付けないようにする」
「本当に?」
「あぁ」
「信じられない」
澪央は足をどかし、私を抱き締めていた手を緩め目を見つめてきた。
「俺を信じろ」
私の顔にかかっていた髪の毛を後にやりながら、澪央は言った。
「信じていいの?」
「あぁ、信じろ」
「分かった信じてあげる」
私は少し下がって澪央の胸元に顔を埋めた。
「可愛いことしやがって」
「澪央が私によくやるやつ」
「そうだな」
澪央の警戒心が薄れたところで、私はそのまま澪央の胸に思いっきり吸い付いてやった。
「いっでっ!お前な(怒)」
「ふふっ(笑)油断したでしょ?」
「あぁ、した」
「もう付けないから怒んないで」
「璃花」
「んっ?」
「顔、上に向けろ」
そう言われ私が顔を上に向けると、すぐに唇を奪われ深く口付けられた。
そのまま澪央は私の上に覆い被さりなり、唇を離して言った。
「今のキスマークの仕返ししてやる」
「えっ?」
澪央はニヤリと笑うと、私の身体に優しく触れてった。
「もう無理、限界」
「こっち向け」
私は背を向けていた身体を、澪央の方に向き直した。
疲れ果て息の荒くなった私を、澪央は腕枕をしながら優しく抱き寄せ頭を撫でてきた。
「少しやり過ぎた、悪い」
「うん」
「俺も疲れた」
「澪央も疲れるんだ?」
「当たり前だろ、今日も試合したんだぞ」
「そういえばそうだった」
「勝ったけどな」
「澪央のとこ強すぎでしょ」
「璃花のとこもな」
「うちの方、負けたし」
「見てたのか?」
「時々ね」
「あっ、そういや璃花の握ったおにぎり、食いそこねたな」
「何かすぐ、なくなっちゃった」
「そりゃあ皆んな、璃花のおにぎり食いてーだろ」
「そうなの?」
「そうだ」
「そっか」
「明日の朝おにぎり食いたい」
「いいよ、具は何がいい?」
「鮭」
「好きなの私と同じだね」
「璃花も鮭、好きなのか?」
「うん、1番好き」
「俺もだ」
「私達さ食べ物、全部じゃないけど好み似てない?」
「あぁ、似てる」
「好きだよ澪央」
「何だよ急に。俺も好きだ璃花」
私達は深くキスを交わし、その夜はそのまま寄り添いながら眠りへとついた。




