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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
番外編 〜日常を貴方に〜

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合同練習

別荘から帰ってきて数日後、澪央は学校に泊まり込み、部活の練習に明け暮れていた。


『さすがにGPS見る暇もねぇ。璃花なにしてっかな。俺のこと考えてるかな…』


澪央は璃花にもらったネックレスの先端を握り締めながら、部活の皆と一緒に学校で眠りについた。


翌日、澪央の学校に合同で合宿練習するため、他校の生徒や教員達が次々に集合し勢ぞろいした。


「女子マネいる学校とかあるよな?」

「この間練習やった学校とか女子いたよな」

「だな、来るかなぁ?」

「まぁ、他にも何人かは来るんじゃね?」

「俺ら男子校の唯一の楽しみだな」

「だよな」


そんな話を他の部員達がしているのを、澪央は側で聞きながら思った。


『そういや璃花の学校も確か来ることになってたな。まさか璃花こねーよな…?手伝いで来る?いやいや、まさかな。来たらそりゃ嬉しいけど。それに来るなら俺に連絡よこすだろうし。いきなり来るとかはねぇな…』


澪央がそんな事を思っていた数十分後…


『って、来た!あいつ来やがった!たくっ、相変わらず可愛い顔しやがって。連絡もよこさねーで、いきなり来て俺を驚かせようとしやがったな!あぁ、驚いたよ。GPS見てなかったからな。後でいろいろ聞いてやるぞ璃花…』(※実は璃花に会えて内心かなり喜んでいる)


そう私は澪央の学校で行われる合同練習に、人手が足りないという理由を知り自ら参加した。

(※ちなみに澪央の高校は私立でかなり大きな学校、璃花の高校は公立で大きさはそれなり)


「澪央くん、いるね」

「いるね、驚いた顔してるね(笑)」

「声かけないの?」

「こんな人が大勢いるとこで、声かけられないよ」

「まっ、それもそうだね。私達もやる事あるし」

「そうだね、私達も忙しいからね」


私は一緒に来ていた琴弓と話ながら、澪央の学校の体育館に集まっていた。


「なぁ、あの可愛い子こっち見てないか?」

「だよな、隣の子も可愛いな」

「2人とも可愛いな」

「どうしよ俺見られてる」

「いや俺を見てんだって」


『お前らを見てんじゃねーよ!(怒)』


側にいる部員達の声を聞きながら、澪央は少しだけ嫉妬していた。


(※璃花と澪央の関係はお互い騒がれるのが苦手だという理由で、基本誰にも言っていない)


その後、私は本当に忙しく、ただひたすら何十人分者の料理を作らされた。


他校のマネ達も交ざり、あっという間にその日は過ぎようとしていた。

マネージャーの子達は私と琴弓を含め6人だった。


そして夜になり他校のマネ達と同じ部屋で私は寝ることになった。


布団を敷きその上に皆んな座り、琴弓がトイレに行っていた時、他校のマネで来ていた1人の女の子が私に声をかけてきた。


「あの〜」

「はい」

「すっごく可愛いですね」

「ありがとうございます」

「私、杜智実もりともみって言います。仲良くしましょ!」

「私は栖咲璃花すざきりかです。はい、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく。同じ2年だしタメ口でいいよね?」

「うん、全然いいですよ」


私は別の学校の1人の女の子と仲良くなり会話をしていた。


「やっぱ璃花ちゃん、可愛いから彼氏いるんでしょ?」

「うん、まぁね。智実ちゃんは?」

「私もいるけど〜、何か微妙なんだよね〜」

「微妙?」

「向こうから告ってきたから付き合ったんだけど〜、何か嫉妬深くって普通にスマホとか見てくるし〜、別れよっかなって迷ってて〜」

「そうなんだ、複雑なんだね」

「璃花ちゃんの彼氏はどんな人?」

「うん、優しいしカッコイイよ」

「えぇ〜、いいな〜。羨ましい〜」


そんな会話をしていた時だった。私のスマホが震えたのだ。

確認すると澪央からで『今すぐ外に来い』ってメッセージが届いていた。


それを見た私は、トイレに行くといいその場を離れた。


『今の何?どう言う事?スマホ見てからトイレ行くとか怪しいな。本当か?ちょっと、付けてみるか』


智実は璃花の行動を怪しみ、密かに付けて来ていた。


私は付けられているともつゆ知らず、澪央に言われた通り外へと出た。


すると次の瞬間、誰かに手を引っ張られ校舎の裏の影の方に私は連れて行かれた。


「璃花お前、俺に黙ってたな?」

「うん、驚かそうと思って。驚いた?澪央」

「あぁ、驚いたよ」


私の手を引っ張ったのは澪央だった。澪央は私を校舎の裏に連れて行くと、すぐに言葉とは反対に愛おしそうに私を抱き締めてきた。


「たくっ、来るなら来るってちゃんと言え」

「言っちゃったら、つまんないじゃん」

「まったく、お前って奴は」

「じゃあ嬉しくないの?」

「嬉しいに決まってんだろ」

「よかった」


澪央は抱き締めていた手を緩め、澪央の大きな手で私の頬に触れながらキスをしてきた。


そのあと私は壁に寄りかかり、澪央は私の前に立ち片手を私の肩に置いた。


「澪央の驚いた顔、超ウケた(笑)」

「こっちは練習三昧でGPSもロクに見てなかったんだぞ、そりゃ驚くだろ」

「ちゃんと頑張ってんだね」

「当たりめーだろ。3年も引退したし、2年の俺らが主軸だからな」

「サボらずに偉いじゃん澪央」

「うるせっ。璃花も忙しそうだったな?」

「うん、もうめっちゃ大変。やる事ありすぎ、人集めすぎでしょ」

「5校集まってからな」

「そんなにいたんだ」

「お前の学校以外は他県から来てる」

「そっか。通りで忙しいわけだね」

「ネックレス付けてんだな」


すると私の首元に光るネックレスのチェーンに澪央は気付いた。


「うん、付けてるよ。中にだけど。澪央は?」

「俺も付けてる。ほらっ」


澪央はそう言いながらシャツの襟元を少し開いて、中に付けているネックレスのチェーンを私に見せてきた。


「ホントだ」

「明日も話せそうにないな」

「そりゃそうでしょ。こんなに人いたら」


その頃、璃花の後を付けて来ていた智実は途中で璃花を見失ったが、話し声のする方を探り当て、こっそりと仲良く話す璃花と澪央を覗いて見ていた。(※抱き合ったり、キスしている所は見ていません)


『あの男、確かここの高校の2年だったな。名前は磁月澪央しづきれおだったか?2人どう見ても友達って感じの空気じゃないな。凄い怖そうな近寄りがたい雰囲気だったのに、彼女の前だとあんな感じなんだ。へぇ〜、めっちゃくちゃカッコイイじゃん!彼女の前だけ優しくなるとか超好み!ごめんね璃花ちゃん、私狙った男は逃さないんだ。彼氏さん奪ってあげる。隣の県なら会いに来れるし、見れば見るほどカッコイイな。澪央くん』


智実は璃花達と鉢合わせしないように、話している所を見るとすぐに部屋へと戻った。


そんな事を知らない璃花と澪央は、見つめ合いながら2人だけの世界に入っていた。


「お前は俺だけ見てろ。いいな?」

「分かってるよ。澪央だけ見てる」

「本当に分かってんのか?他の奴らお前の事すげぇ見てるからな。目移りすんなよ?声かけられても無視しろ」

「目移りなんてしないよ。さすがに声かけられて無視は出来ないでしょ」

「いいんだよ無視で。俺以外の男と話すな」

「もう我がまま澪央。話しかけられても必要以上に話さないから安心して。私は澪央しか見てないから」

「分かった。俺もお前しか見てないから安心しろ」

「うん」


私達は深く口付けしあい、その後抱き合いながら別れの挨拶をした。


「じゃあな璃花、また明日だ」

「うん、じゃあね澪央。また明日」


そして私達はそれぞれの場所へと戻り、その日は過ぎていった。


翌日早朝からマネの仕事は沢山あり、また私は忙しい時間を過ごしていた。


そんな中、澪央と一瞬ちょっとだけ目が合い、私達は微笑みあった。


そんな私達を、智実は見逃していなかった。


作業の合間、智実は私に話しかけてきた。


「ねぇねぇ〜、璃花ちゃん」

「なに?智実ちゃん」

「彼氏ってここの高校の磁月澪央くん?」

「えっと…」

「隠さなくても大丈夫だよ〜。私には分かるから」

「うん、まぁ、そうだよ」

「やっぱり〜、何か2人怪しい雰囲気出てるからさ〜、私そう言うの分っちゃうんだよね〜」

「そっか、凄いんだね智実ちゃんは」

「大丈夫だよ、誰にも言わないから。安心して〜」

「うん、ありがとう」


そんな私を見ながら智実は心の中で思っていた。


『この女、何か抜けてんな。天然か?まっ、顔もスタイルも私負けてないし、こんなボケた女より私の方がいいって言わせられそう。案外簡単かもな(笑)あんなイケメンそうそういないし、そろそろ仕留めさせてもらおうかな(笑)』


そう思った智実は、澪央が1人になるチャンスを見計らっていた。


そして練習の合間、休憩がてら外に出た澪央を智実は見過さず、すぐに外に出ると澪央の後を追いかけた。


「磁月くん!」


そして体育館のすぐ脇の影に、飲み物片手に1人でいた澪央に智実は声をかけた。


澪央は智実に名を呼ばれても、声も発さず見向きもしなかった。


だが智実は諦めなかった。なぜなら昨夜、璃花と仲良く親しげに話しをしていた澪央を知っていたからだ。


「私、杜智実もりともみって言います!私、璃花ちゃんととっても仲良くなったんです!」


澪央は璃花と言う名を聞いて、一瞬だけ反応したがそのまま無視を続けた。


「璃花ちゃんから聞きました。付き合ってるんですよね?言ってましたよ、彼氏とってもカッコいいんだって」


澪央はそれを聞き智実の方を見ながら思った。


『何だこの女。他校のマネだろ?こんな女に璃花が本当に俺のこと言ったのか?』


人をすぐには信用しない疑り深い澪央は、声を掛けてきた智実の事をかなり怪しんでいた。


こちらを見てきた澪央に、イケると思った智実は話を続けた。


「でも璃花ちゃん言ってたんです。彼氏ちょっと怖いって。いつも素っ気なくてやっと最近、笑ってくれるようになったけど、やっぱり冷めた感じで怖いって。そんな事、普通彼女なら言いませんよね?ちょっと璃花ちゃんって酷いと思いませんか?」


澪央はそれを聞き、すぐに智実から目を逸らした。


『あれっ、おかしいな。何で目を逸らした?普通はここで「そんな事いってたのか?」なんて驚いて話しかけてくるのにな。まぁいいや』


智実は反応の薄い澪央にめげずに、さらに話しかけた。


「璃花ちゃんって可愛いから心配になりませんか?私、実は璃花ちゃんが別の高校の男子と話してるの見ちゃったんですよ。しかも凄く親しげに。こんなカッコイイ彼氏がいながら本当に酷いですよね?」


澪央はこれ以上、智実の話を聞いてられないと思い、その場を去ろうと体育館の入り口へ向かって歩きだした。


「待って下さい!」


智実は自分に背を向けて歩き出した澪央に早足で近付き、とっさに腕を掴んだ。


「連絡先教えてもらえませんか?璃花ちゃんの事いろいろ相談のりますよ?今私彼氏いないんで、よかったら私と…」


すると澪央は智実に掴まれた腕を振りほどき、鋭い目付きで言い放った。


「気安く俺に触んな。黙って聞いてりゃ気持ち悪りぃ事いろいろ言いやがって。てめーなんか興味ねぇ。失せろ、厚化粧」


そう言うと澪央は体育館へと入り、練習へと戻った。


その頃、1人取り残された智実はショックを受けていた。


『ああああ厚化粧ですって?!なんなのよあの男!もういい!あんな男こっちから願い下げよ!こうなったら、あの女にいろいろ言って別れさせてやる!覚えてろよクソ男!!』

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