お泊まり
お風呂を上がり部屋へと戻ると、澪央はTシャツ1枚姿でベッドに腰掛けている私をマジマジと見てきた。
「何ですか?そんなにジロジロ見て」
「いや、なかなかにエロいなと思って」
「そうですか」
「恥ずかしがっても無駄だ、俺には逆効果だ」
私は澪央に深く口付けられながらベッドに押し倒され、徐々に口付けは下へと下がり着ていたシャツはすぐに脱がされた。
しばらくしてから私達は寝るため、ベッドの中に入り向かい合って話をしていた。
「こうやって寝るの、いつぶりなんだろうな」
「少なくても17年は経ってるよね」
「あぁ。場所が変わっただけで、俺達は何も変わってねーけどな」
「そうだね、本当に何も変わってないね。もしこの記憶がなくても、私はまた澪央に出会ってた気がする」
「それは俺も思う。璃花を最初見たときから気になってた。目で追ってた」
「そうなの?全然そんなふうに見えなかった」
「いきなり腕掴まれた時はビックリしたけどな(笑)」
「あれは自分でも驚いたって言うか…、何かとっさに掴んじゃった」
「俺いつもなら怖がられるのに、この女何で怖がんねーんだって思った」
「それじゃあ私が、まるで変な人みたいじゃん」
「変な人だろ?俺のこと怖がんない時点で」
「だって別に怖くなかったし、逆によく掴まれたのに振り払わなかったね?」
「そりゃ気になる女に腕掴まれたら、振り払わないだろ」
「そっか、気になってくれてたんだ」
「意味不明なこと言ってたけどな」
「まぁ確かに、あの時点じゃそうですよね」
「だけど璃花が泣きそうな顔してて、忘れる事があるんじゃないのかって思った」
「やっぱ涙隠せてなかったか…、堪えてたんだけど…」
澪央は手を伸ばし私の頭を撫でながら続けた。
「璃花を泣かせたのは俺のせいだ、最初に見つけるって約束したのにな」
「それはいいよ、今こうやって会えてる、それだけで私は十分だよ」
「あぁ、そうだな。2人で生きて今度こそ長生きしような璃花」
「うん、ずっと澪央と生きていく。それでいつかお墓とかも一緒に入るの」
「死んでからも俺を離さない気か?」
「そうだけど?澪央は違うの?」
「違わない。次もあるなら、絶対またお前の前に俺は現れる」
「うん、大丈夫。次も私が澪央を見つけるから」
「いや、次こそ俺が見つけてやる」
「えぇ〜、絶対次も私の方が先だと思うな」
「俺つぎ璃花見つけたら即抱き締める」
「それはちょっと、いきなりすぎない?」
「いいんだよ、これくらいしねーと璃花に先こされる」
「相変わらず負けず嫌いなんだから」
「お前もだろ?」
「まぁね。あっ、でも性別変わってたりしたらどうしよう」
すると澪央は真剣な目つきになって言ってきた。
「璃花、お前は絶対女になれ。さすがに男は俺無理だ」
「澪央が女の子になればいいんだよ。絶対可愛いもん」
「俺が女…、ないないないないない」
「えぇ〜、女の子の澪央みたい」
「ぜってーねーわ」
「分かんないじゃん、私も女だったその時は友達になろうね」
すると澪央は少し考え込むような表情になった。
「璃花と友達…、いろいろ見れんじゃね?」
「何か変な事、考えた?」
私はそれを聞き思わず目を細め、疑いの目で澪央に話しかけた。
「いや別にやましい事なんて何1つ…、はい」
「怪しいな」
「女同士も悪くないかもなと思っただけです、断じてそこにやましさなど…」
「本当なの?怪しさ満点なんですけど」
「まぁ、あわよくばな」
「あ〜、やっぱり変なこと考えてる。最低」
「うるせぇ、それもこれも変なこと言ったお前が悪い。キスしてやる」
「なんで急にキス?」
「したいからに決まってんだろ、これでもこっちは我慢してんだ」
「えっ?そうなの?」
「あんまやると嫌われるかと思って、って何を言わせんだよ」
私はそれを聞き、側にいた澪央に顔を近付け唇にキスをした。
澪央がいつも自分にするように舌を絡ませると、澪央もそれに応えるように舌を絡ませてきた。
「少しは収まった?」
「ごめん璃花からとか可愛すぎて、もっとしたくなった」
私からのキスは澪央に火をつけてしまい、私は気付くと澪央の腕の中に再びいた。
「澪央の体力、変わんないね」
「お前もな?璃花」
一段落したあと私は澪央に腕枕をされ、もう片方の手で頬を撫でられていた。
「明日まで澪央と一緒に、いられるんだね」
「あぁ、そうだ。お前は相変わらず、可愛いこと言うんだな」
「そんな事ないと思うけど」
「はいはい。そろそろ寝るぞ」
「うん、寝る。おやすみ澪央」
「あぁ、おやすみ璃花」
私達は昔と同じように寝る前のキスを交し、寄り添いながら眠りへとついた。
翌朝、私は着てきた服に着替え台所で朝食を作っていた。
「いいのに俺やるから」
「澪央にばっかり、させられないよ。昨日もいろいろ作ってくれたし」
「分かったよ」
その後、出来たものを一緒に台所で食べていると、なんと海翔が起き私達に声をかけてきた。
「璃花さん!来てたんですか?」
「お前いつも休みだともっと遅く起きるくせに、今日に限ってはえーな」
「何か話し声したから来た」
「ちっ」
「おはよう、海翔くん。ご飯一緒に食べる?」
「いいんですか?!」
「璃花いいって、ほっとけ」
「まだあるから、よそってあげる」
「はい!」
どうやら私達の物音で海翔を起こしてしまい、起きてきた海翔は澪央の隣の席に座わった。
私はそんな海翔に朝食を出した。
「いただきます!」
そう言って私の作ったご飯を美味しいそうに海翔は食べ始めた。
「璃花さん泊まってたんですか?」
「うん、まぁね」
「どうりで部屋にばっかり兄貴いるなと思ったら」
「うるせぇ、さっさと食って部屋戻れ」
「璃花さん、兄貴のどこ好き何ですか?こんな怒ってばっかりですけど」
「優しいとこかな」
「えっ、兄貴が優しいんですか?へぇ」
「俺が優しかったら、おかしいか?」
「他人に興味がない兄貴が、璃花さんに優しいなんて驚きです」
「不器用なだけで、本当は優しいんだよね?澪央」
「璃花、あんま言うな」
「はいはい」
「2人は仲良いんですね、ちょっとビックリです」
「海翔くん、これからもよろしくね。ちょくちょく私来ると思うから」
「はい!」
そのあと私と澪央は食器などの後片付けをし、また澪央の部屋へと戻った。
部屋に入ると、澪央はすぐに学校の制服に着替えはじめた。
私はそんな澪央にベッドに腰掛けながら後から声をかけた。
「ねぇ、澪央」
「なんだ?」
「キスくらいで澪央のこと、私嫌いにならないよ」
「じゃあする」
すると澪央は振り返りすぐに私の前に立った。
「はやっ」
「璃花」
澪央は私の名を呼びながら、ベッドに片膝を付き座っていた私を抱き寄せ口付け、深く貪るように私は熱いキスをされた。
「遠慮しなくていいのか?」
「いいよしなくて。前に言ったよ、澪央の全部受け止めるって」
「そうだったな。ならもう1回」
私達は再び深く口付け合った。
「澪央の学校までついて行っていい?」
「あぁ、まぁ、いいけど」
「やった〜」
私はベッドから立ち上がり、着替えの終わった澪央に話しかけた。
「何で?」
「何でって、彼氏の学校1回くらい見てみたいじゃん」
「ふ〜ん」
「それにまだ一緒にいたいし」
「急に可愛いこと言うな」
「いいじゃん言ったって」
「返したくなくなるだろ」
「えっ、ちょっと澪央、何してるの?」
「黙ってろ」
澪央は私に近付くと着ていた服を胸元まではだけさせ、露出した肌にそのまま吸い付いてきた。
「いたっ!」
「ここなら見えないからいいだろ?」
澪央は私の左の胸元にキスマークを付けてきた。
「もう、痛いのに」
「なら舐めといてやる」
「えっ、しなくていい」
澪央は自分の付けたキスマークを今度は上から『ペロッ』っと舐めた。
「続きは今度な璃花」
「馬鹿」
「直してやるから怒んな」
澪央は私のはだけた服を直そうとしてきたけど私が止めた。
「自分でやる」
「そうか」
服を直すと澪央は待っていたかのように、また口付けを交わしてきた。
バッグを持ち2人で部屋を出てリビングの方へ向かうと、まだ海翔がいた。
「璃花さん、ご飯美味しかったです!」
「それは良かった」
「顔少し赤いですけど大丈夫ですか?」
「えっ、うん、大丈夫」
どうやら私は先程のキスマークを上から舐められた事に照れ、顔が赤くなっていたらしい。
「綺麗なのに、料理まで出来るんですね。兄貴にはもったいないです」
「そう?ありがとう」
「璃花行くぞ」
「うん、それじゃあ海翔くん、またね」
「はい、また来てください璃花さん」
澪央と手を繋ぎながら家の外へ出ると、さっそく澪央が話しかけてきた。
「お前は俺のだからな、海翔とあんま仲良くなるなよ」
「分かってるよ、澪央はすぐ妬くんだから」
「分かればいい」
そして2人で澪央の学校へと向かい、入り口に着くと別れの挨拶をした。
「ここなんだ、澪央の学校」
「あぁ」
「じゃあ私帰るね。部活頑張って」
「分かった。帰ったら、ちゃんと連絡入れろ」
「分かってる、メッセージする」
「気を付けて帰れよ」
「うん」
澪央は私を抱き寄せると、オデコに軽く『チュッ』っとキスをした。
「さすがにここじゃ、口には出来ないからな」
「そうだね」
「お前が気にしないならいいけど」
「気にする、だって絶対軽くじゃないもん」
「もちろん」
「やっぱり。じゃあ、またね」
「あぁ、またな」
その後、私と別れたあと女といる所をチラッと見られた澪央は、部員達に詰め寄られていた。




