澪央の部屋
お互いにスマホケースの内側に今日撮ったばかりのプリクラを貼り、その後澪央は私を抱き寄せて話しかけてきた。
「璃花」
「んっ?」
「お前といると本当飽きない」
「そうなの?」
「可愛すぎるから、今日1日ずっと触れたくて我慢してた」
「まだ1日経ってないよ?てか手ずっと繋いでたよ?」
「いいんだよ、細かいこと気にすんな」
「はいはい」
すると澪央は立て膝をし、私を自分の足の間に入れながら抱き締めた。
「璃花、離さない」
「うん、離さないで澪央」
「あぁ」
澪央は抱き締めていた手を緩めるとすぐに深く口付け、私はそのまま押し倒された。
しばらく経ちベッドの上で壁によりかかりながら2人並んで座り、お喋りしていた。
「明日、祝日だろ?」
「うん、そうだね」
「なら今日、泊まってけよ」
「えぇ〜」
「なぁ、いいだろ?」
澪央はそう言いながら私を自身に抱き寄せた。
「そしたら澪央の親に会っちゃうよ?」
「たぶん帰ってこない」
「そうなの?」
「親、仕事忙しいからほぼ会わない」
「そうなんだ」
「今日もし帰ってきて璃花のこと見ても、好きにしろって感じだ」
「そっか、そんな感じなんだ」
「ならっ、決まりな」
「私まだ何も言ってない」
「そうだっけ?」
「そうです」
「なら帰るのか?」
「うん」
「俺はやだ、帰さない」
そう言って澪央は私を抱き締めた。
「もう我がまま何だから」
「なら泊まるか?」
「どうしようかなぁ」
「明日なんか予定あんの?」
澪央は抱き締めいた手を緩め、私の顔を覗いてきた。
「いや特にはないけど」
「なら、いいだろ?なぁ?」
「う〜ん…」
「明日俺、部活あるからそれまでな」
「なら今回だけだよ?」
「あぁ!それでいい。やった!」
澪央はそう言いながら、また私を強く抱き締めた。
「璃花とまた一緒に寝れる」
「そうだね」
「そうだ、璃花に着替えが必要だな…」
澪央はそう言うとベッドから下り、立ち上がると部屋のクローゼットを開け中を探り始めた。
私はその間に床に置いていたバッグからスマホを取り出し、そのまま床に座りながら妹に電話をかけた。
「あっ、葉瑠?今日さ琴弓の家に泊まるから、お母さんにそう言っといてくれる?」
『別にいいけどさ〜、それさ〜』
「何?」
『本当は彼氏の家なんじゃないの?』
「さぁ?ちょっとなんの事が分からないな」
『プリンでいいよ』
「えっ、プリン?」
『あと雑誌も買ってきて〜』
「雑誌も?そのくらい自分で買ったら?」
『えぇ〜、じゃあ今日お姉ちゃん彼氏の家に泊まるって、お父さんに言っちゃおうかな〜』
「葉瑠、お姉ちゃんのこと脅すんだ?」
『えぇ〜、別に脅すとかじゃないけど〜』
「プリンと雑誌買っていけば良いんですか?」
『うん、それでいいよ〜』
「分かりました」
『じゃあ、よろしくね〜』
「うん、じゃあね」
電話を終え切ると、いつの間にか隣に座っていた澪央が話かけてきた。
「妹?」
「うん、彼氏の家に泊まるって言わない代わりに、プリンと雑誌買ってこいだって」
「さすが璃花の妹だな(笑)」
「たぶん朝、見てたんだと思う」
「かもな。なら、それ俺が買うから」
「いいよ、そこまでしなくて」
「そうか?」
「うん、いい」
私はスマホをバッグにしまうと、隣にいた澪央に抱き着いた。
「璃花?」
「私もずっと澪央と一緒にいたかった」
「あぁ、知ってる。今日はずっと一緒だ」
「うん」
私は澪央の足の間にまた入れられ、抱き締められながら深く口付けられた。
そのあと私は着替え用にと澪央のTシャツとハーフパンツを寄こされたので、Tシャツをその場で着てみた。
「ねぇ、澪央の服おっきいから上だけで良さそう。どうかした?」
澪央は自分のシャツを着た私を見ると、驚いた後すぐに照れたような表情をした。
「いや、何でもない…(照)」
「そう?」
「ごめん」
「えっ?きゃっ!なにっ?」
私は澪央に抱きかかえられて、ベッドの上に下ろされ澪央は私の上に覆い被さった。
「俺の部屋に、俺の服着た璃花とかマジ無理、可愛すぎて狂いそう」
私はまた押し倒され、澪央の手が私の太ももからゆっくり上へと動き、それに合わせて私の着ていたシャツも一緒に捲くれていった。
「その格好、誰にも見せたくねーな」
「これ?そんなにいいの?」
「いい、ヤバい、鼻血出る」
「あぁ、そう…」
一段落したあと私はまた澪央のTシャツを着ていた。
「璃花は、この部屋から出るな」
「いいけど、何で?」
「何でもだ。俺が出たら鍵かけろ、海翔きたら面倒だからな」
「そこまで?」
「そこまでだ」
「はいはい」
そして澪央は夕食を持ってくると言って部屋を出ていった。
1人澪央の部屋に残された私は、いろいろと物色していた。
『前に私の部屋のクローゼット開けたお返しじゃ、いろいろ部屋のなか見てやる!う〜ん、バスケの雑誌ばっかりだな。エッチなの1つもない。大丈夫か?高2の男子だよね?普通は何か1つくらいありそうなのに。まっ、実際は知らんけど。仕方ないバスケの雑誌でも見てよう』
しばらくすると澪央が夕食を手に部屋へと戻ってきた。
「なに見てた?」
「バスケの雑誌。これしかないんだもん」
「そっか」
「エッチなの1つもなかった」
「そんなもん、あるわけねーだろ」
「普通はあるんじゃないの?」
「興味ねーよ」
「そう」
「いいから食え」
「は〜い」
私は澪央が作ってくれた夕食を部屋で一緒に食べ、澪央にその後お礼を言った。
「美味しかった、ありがと。作ってくれたんでしょ?」
「あぁ」
「澪央は優しいね」
「俺を優しいって言うのは璃花だけだ」
「そうかな?」
「そうだ。片付けてくる」
「うん」
少し経つと片付けを終えた澪央が部屋に戻ってきた。
「ほらっ、やる」
「えっ?シュークリーム?食べていいの?」
「お前のだから食え」
「もしかして買ってきてくれたの?」
部屋に戻ってきた澪央は私にシュークリームを渡してきたので、買ってくれたのかと聞くと澪央は少し恥ずかしそうに答えた。
「あぁ」
「ありがと、一緒に食べよ?」
「俺はいい」
「そう?」
私は澪央が買ってきてくれたシュークリームの袋を開け、一口食べてから澪央にも勧めた。
すると意外にも澪央はシュークリームが気に入ったのか、そのあと何度か口に含んだ。
「あっ」
「んっ?何だ?」
私は澪央の口元にクリームがついているのを見つけ、指ですくってからそれを舐めた。
「口にクリームついてたよ」
「おう(照)」
「澪央が照れた、可愛い」
「うるせっ」
「何かいろいろしてもらっちゃったね。ありがとう」
「これくらい普通だろ」
「そんな事ない、澪央は優しいから」
「俺、優しいか?」
「うん、凄く」
「璃花さえそう思ってくれればいい」
「私は他の人にも、澪央は優しいって思ってもらいたいんだけどな」
「いいんだよ、別にそんなの」
「分かった、私がこれから澪央は優しいって皆んなに言う」
「信じねーよそんなこと言ったって」
「ならっ、信じるまで言う」
「好きにしろ」
「うん」
食べ終わると澪央は私を自分に抱き寄せ、頭をくっつけながら聞いてきた。
「璃花は俺が怖いって思ったことあるか?」
「怖い?澪央が?ないかな」
「そうか。オリビアの頃もか?」
「もちろん。あっ、でもこの間、道路ですれ違った時ちょっと怖そうって思ったかも」
「俺がレオナルドだって分からなくてか?」
「そうそう、あの時は遠目だったしね」
「それでも璃花は、ちょっとしか俺を怖いと思わないんだな」
「えっ、だって澪央は別に怖くないじゃん」
「お前だけだ、そんなこと言うのは」
「そうかな?」
「そうだ」
すると澪央は私を抱き寄せていた手を戻すと、私の膝に頭を置いてきた。
「甘えたくなったの?」
「あぁ」
「そう」
私は自分の膝にある澪央の頭を撫でた。
すると澪央は頭を撫でていた私の手を掴み、手の甲にキスをしてきた。
「なにしてるの?」
「キスもしたいし、このまま膝枕もされてーから手にキスしてる」
「変なの。キャッ!ちょっと舐めないで!」
「キスしてるだけだから気にするな」
「くすぐったいってば」
「爪、違う色も見たい」
「えっ?」
「璃花ならいろいろ似合いそう」
「マニキュア気に入ったの?」
「あぁ」
「足なら結構色、変えてるけど?今ピンクだし」
澪央は伸ばしていた私の足の先を見ながら言った。
「本当だ。璃花ギャルだったのか」
「ギャルじゃない」
「プリクラも撮るし」
「プリクラくらい女子なら誰でも撮るから」
「そうなのか?」
「そうだよ。ちなみに男子だけじゃプリクラ撮れない店もあるんだよ」
「そうなのか。男はダメなのか。じゃあ何で俺は大丈夫だったんだ?」
「カップルならOKなの」
「ヘぇ」
「澪央おじさんみたい」
「これからは璃花にいろいろ聞くからオジサンじゃない」
「拗ねちゃった?」
「拗ねてない」
「はいはい」
私はいつの間にか離されていた手で、澪央の頭をまた撫でてあげた。
その後2人でお風呂に行き、湯船に浸かり私は澪央に後から抱きすくめられながら、お喋りした。
「この世界で2人で入ったの初めてだね」
「そうだな、俺意外とこの時間好きだった」
「そうなの?」
「あぁ」
「実は私も」
「最初の頃、拒否ってたろ?」
「そりゃあ最初はね。後から言わなくなったでしょ?」
「まぁ、確かに。諦めたのかと思った」
「まっ、それもあるかも」
「どっちだよ」
「だってレオいっつも強引に入ってくるし、私が入るとだいたい来るし。諦めはあったなと思って」
「それ知ってて結婚したんだろ?」
「そうだよ。今もあの頃とあんま変わらないけどね」
「そんな男選んだ璃花の方が悪い。だからこれからも諦めろ」
「そうだね、そうします」




