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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
番外編 〜日常を貴方に〜

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初デート

その後、澪央の部屋でしばらく過ごしたあと私は家に帰るため澪央の部屋を出て、リビングの方に向かうと弟さんがいた。


澪央の弟は私の顔を見るなり、澪央の部屋を出てくるのを待っていたのかすぐに近寄ってきた。


「俺、弟の海翔かいとって言います!初めましてお姉さん!」

「あっ、初めまして、私は栖咲璃花すざきりかと言います」

「名前まで可愛いんですね!兄貴とはいつからですか?本当にこんな男で良いんですか?」

「あんま近寄んな」


すると私の側にいた澪央が海翔に言った。


だけどそんなのは慣れているのか、海翔はまた私に話しかけてきた。


「兄貴と同い年なんですか?」

「はいそうです」

「なら俺より2つ上ですね!本当にこんな男で良いんですか?」

「いい加減にしろ、行くぞ璃花」

「あっ、うん」


私は澪央に引っ張られ玄関の方に向かった。


海翔は玄関まで私と澪央を後から追いかけてきて声をかけた。


「璃花さん、また来て下さい」

「えっ、はい。じゃあまた」


靴を履くと私は澪央に引っ張られて、すぐに外へと出た。


駅に向かう途中、手を繋いでいた澪央に私は話しかけた。


「澪央に似て積極的だね、海翔くん」

「うぜぇだけだ、気に障ったか?」

「全然。たぶん私の妹も澪央に会ったら、あんな感じだよ」

「そうか。妹1人か?他に兄弟は?」

「いないよ、妹だけ。澪央は?」

「俺もあいつだけだ」

「そっか、同じだね」

「そうだな。あっ、そうだ璃花」

「んっ?なに澪央」


すると澪央は立ち止まり、少しだけ真剣な表情になり私に言った。


「颯麻には気を付けろ」

「颯麻に?」

「今日俺の顔、変な感じでずっと見てた。何かしてこないとも限んないから、璃花も警戒しとけ」

「大丈夫だとは思うけど、分かった気を付ける」


そして私達は軽く抱き合い、駅の改札口で別れた。


その後、澪央が家に帰ると海翔の質問攻めにあっていた。


「兄貴いつからあんな可愛い彼女いたんだ?キスしてたよな?どこまでしたんだ?どこの高校?どこで知り合った?付き合ってどれくらい?もしかしてこの間掃除してたの、あの彼女呼ぶため?なぁ兄貴?」

「うっせぇ…」


澪央はその後もしばらく、海翔に家の中で付け回されていた。


『璃花の家ここか。意外と近いな』


澪央は海翔に追いかけられながらも、GPSで璃花の事を見ていた。


そして私も家に帰って考えていた。


『澪央、嫉妬深いからずっと見てんだろうな私の行動。まぁいいけどね。あっ、じゃあいちいち、こまめに連絡しなくてすむじゃん!ラッキ〜。げっ、電話きたし…』


そんなことを考えていると、澪央から電話がかかってきたので、私はすぐに出た。


「もしもし?」

「着いたら連絡ちゃんとしろ」

「今ちょうどしようと思ってた」

「本当か?」

「どうせ行動見てたんでしょ?よくない?」

「よくない、こまめに連絡しろ」

「はいはい、分かりましたよ」

「颯麻の家はどこだ?」

「うちの向かい側」

「そうか」

「何なら今から行きましょうか?颯麻の家に」

「行かなくていい、嫉妬するから」

「澪央、昔から嫉妬深いもんね」

「嫌か?行動見られるのとか?」

「ううん、いいよ。私そういうの気にしない方だから」

「あぁ、そうだったな」

「どうぞお好きなように見てください」

「分かった、ガンガン見る」

「でも見てても、つまんないと思うよ。学校と家を往復するだけだから。あ〜、たまに街の方行くけど」

「街は誰と行くんだ?」

「学校の友達とか家族とか」

「その中に男はいるのか?共学だろそっち」

「まぁ、たま〜にね」

「なら、男いる時はこれから行くな」

「分かりました」


それから数日後の夜、久々に澪央から電話がかかってきた。


「もしもし」

「今何してる?」

「今マニキュア塗ってた」

「マニキュア何か塗っていいのか?学校」

「ううん、ダメだよ」

「じゃあ何で塗ってんだ?」

「肌色なら目立たないからバレないの」

「へぇ」


私はちょうど爪に肌色のマニキュアを塗っていた所だった。


「澪央は何してたの?」

「特に何も」

「そっか」

「璃花、今日街に行ったろ?」

「行ったよ、友達と」

「男は?」

「いないよ女子だけ」

「本当か?」

「本当です」

「何しに行った?」

「何しにって、ただブラブラ歩いてお喋りしただけだよ」

「それは楽しいのか?」

「楽しいよ。澪央したことないの?」

「う〜ん、昔オリビアとしたような事か?」

「そうそう、クレープ食べたりしたじゃん。あぁ言うの」

「ないな」

「えっ、ないの?友達と1回くらいあるでしょ?」

「男となんて街歩かない」

「だって昔したじゃん。2人で街歩いたじゃん沢山」

「あれは、オリビアとだからした。普段はしない」

「そうなんだ、じゃあ今度またする?」

「そうだな、璃花とならしてもいい」

「じゃあデートだね」

「あぁ、だな」


そして数日後のデートの日、この日は澪央が私の家を見たいと言い家の前まで迎えにきた。


私は2階の部屋の窓から澪央が来るのを、まだかまだかと外の道路を見ていた。


そして澪央が来たのを確認すると急いで部屋を出て階段を下り玄関を出て、家の前で待っていた澪央に話しかけられた。


「出てくるの、早いな」

「窓から見てたの」

「そうか」

「わざわざ来なくても、駅で待ち合わせで良かったのに」

「俺が来たかったから来た」

「まぁ、いいけど」

「ほらっ、行くぞ」

「うん」


この時、密かに颯麻が自宅の窓から私達を見ていた事を、私は知らなかった。


澪央は歩き出すとすぐに私の手を取り、ジロジロと見つめてきた。


「何?」

「確かにこれならパッと見じゃ、塗ってるって分かんねーな」

「あ〜、マニキュアね」

「いいじゃん、綺麗な色だな、似合ってる」

「ありがと」


澪央はそう言うと私の爪に軽く『チュッ』っとキスをし、そのまま手を繋いだ。


その後街の中に着いた私達は、とりあえず散策していた。


「澪央、何か行きたいお店とかある?」

「いや特にはないけど、璃花が好きそうなの1つ思いついた」

「んっ?なにを?」

「まっ、定番だけどな。とりあえず行こう」

「うん?」


澪央に連れられ、着いた場所は水族館だった。


「璃花なら好きだろ?こういうの」

「うん、好き!」

「やっぱりな」

「澪央も嫌いじゃないでしょ?」

「まあな、チケット買ってくるから待ってろ」

「自分のは自分で出す」

「いいよ、俺出すから」


私はチケットとを買うと言う澪央の背中を追い掛けたけど、澪央は私の分のチケットまで買ってしまった。


「お昼は私が出すから」

「あんま気にすんな」

「気にする」

「いいから、行くぞ」


澪央は気にするなといい、私の手を取って入り口に向かった。


「ここ初めて来たから嬉しい!」

「璃花なら来てるかと思った」

「ううん、ここ出来たばかりで新しいからいつも混んでて、まだ来てなかった。澪央も初めて?」

「あぁ、初めて来た」


ここの水族館は開業以来、近くに商業施設もあることから連日混雑が続いていて、私はまだ来ていなかったのだ。


この日は大型連休の後と言うこともあり、それほど人は多くなかった。


その後私と澪央は手を繋ぎながら、館内をいろいろと見て回った。


「あっ!澪央、ちょっとだけここで待ってて」

「えっ?あぁ…」


私は学校のクラスの友達がこちらを見ていた事に気付き、澪央から離れ話しかけに行った。


「超偶然、なに璃花デート?」

「うん、まぁね」

「彼氏出来たの本当だったんだ。へぇ〜、結構イケメンじゃん」


友達は澪央の方を見ながらイケメンだと褒めてくれた。

私も友達の彼氏の方を見てみると、優しそうな感じの年上の男性がこちら側を気にしながら見ていた。


「でしょ?そっちもデート?あの人が彼氏さん?」

「うん、そうなの」

「優しそうな人だね。そっちこそお似合いじゃん」

「そう?んじゃまた学校で」

「うん、またね〜」


彼氏と2人で離れていく友達に手を振ってると、いつの間にか澪央が私の横にいて話しかけてきた。


「友達?」

「うん、同じクラスの子」

「璃花は相変わらず人気者なんだな」

「澪央の事、イケメンだって言ってたよ」

「あぁ、聞こえた」

「見られちゃったから、学校行ったら噂されてそう」

「よかったのか?」

「何が?」

「俺と噂されて」

「嫌?」

「俺は嫌じゃない」

「私だって嫌じゃないよ。澪央となら何言われてもいい」

「そうか」


その後、私達は大水槽を見ながら近くあったベンチに2人で座った。


「璃花、この後なにもないなら家に帰っていいか?」

「うん、いいよ。人混み疲れちゃった?」

「違う。こういうのもいいけど、俺は璃花と2人でいる方がいい」

「そっか。じゃあ澪央の家に行こう」

「いちおう記念に」

「んっ?」


大水槽の前で澪央は私を抱き寄せ、軽く唇に触れるだけのキスをしてきた。


「何かだんだん昔、思い出してきた」

「昔?」

「こうやっていつもキスされたなって」

「うるせっ、飯でも食うぞ」

「は〜い」


私達はそのまま館内で昼食をとり、水族館を後にした。


「ねぇ、澪央」

「何だ?」

「1個だけ我がまま言っていい?」

「いいけど、何だ?」

「たぶん澪央は好きじゃない事」


澪央の家に着き、澪央の部屋へ入ると澪央はドアに鍵をかけた。


「邪魔されたくないからな」


私は部屋のテーブルの前に座ると、バッグからさっき撮ったプリクラを取り出した。


「はい、澪央の分」

「あぁ」


プリクラの半分を手渡すと、澪央は苦笑いをした。


「こんなの撮って嬉しいのか?」

「嬉しいよ。だって2人で写ってるの今までなかったんだもん」


私はバッグからスマホを取り出し、ケースを外した。


「何してる?」

「さっき水族館で会った子が彼氏とのプリクラ、ケースの内側に貼ってたの。誰かに見られるのも恥ずかしいけど、どこかに貼ってたいって言って。だから私も真似しようかと思って」

「ふ〜ん」

「何してるの?」

「俺もやる」

「澪央も貼るの?」

「あぁ、こんな感じか?」

「そうそう」


私達は今日のデートの帰りに撮ったプリクラを、お互いスマホのケースの内側に貼った。

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