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えっ、私がこの世界を守るの?  作者: 藤崎七奈
番外編 〜日常を貴方に〜

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次の日の朝、私は部屋のテーブルに鏡を置きその前に座るとファンデーションとコンシーラーを上手く使いながら、首元の昨日澪央に付けられたキスマークを消していた。


『これでよし。良かった便利な世の中で』


その後バッグを持ち家の玄関を出ると、いつものように颯麻が家の門の前で待っていた。


「おはよう、璃花」

「おはよう、颯麻」


一緒に並びながら学校へ向かい私は学校に着く手前で、颯麻には澪央の事を話さなきゃいけないなと思い、話を切り出した。


「あっ、颯麻、あのさ」

「なに?璃花」

「私、彼氏出来たから」

「えっ…?いつ?どこの誰?」

「他校の人、昨日くらいから付き合ってる。んじゃ」


私はそれだけ颯麻に伝えると、さっさと自分の教室に入った。


するとお昼休み、颯麻が私の教室に現れ、颯麻と琴弓から私は質問攻めにされた。


「だからどこのどいつなのよ!」

「他校の人だって、もう何回言わなきゃいけないの…」

「いつ知り合ったの?」

「バスケ部の試合で」

「私が熱出してる間に、璃花が先に彼氏作った〜(泣)」

「えっ、泣くほど?」

「名前は?」

磁月澪央しづきれお


琴弓は泣き真似をしたと思ったら、すぐに切り替え話しかけてきた。


「名前はいいわね」

「どんな人なの?」

「う〜ん、カッコイイし、優しいかな」

「次の休み4人で会いましょう!」

「そうだね。この目で確かめないと判断出来ないからね」

「えっ、なにそれ。会うの?澪央に?」

「もう呼び捨て…」

「うん、会う。連絡しといて」

「分かった。でも会うかな…」

「ちゃんと連れてきて!」

「はい…」


そしてその日の夜、私は澪央に電話で今日の事を話した。


「友達に彼氏出来たって言ったらさ、会いたいって言われちゃったんだけど、会ってくれる?」

「あぁ、まぁ、いいけど」

「良かった…、断られるかと思った…」

「その友達は璃花の大事なやつか?」

「うん、大事かな」

「分かった、なら会うよ」

「ちなみに私は、ブライアンとモルガだと思ってる人だから」

「…マジかよ、アイツらも来てたのかよ」

「でも2人は、記憶がないみたい」

「そうか、分かった。俺も見てみたくなった」


そう琴弓と颯麻は、恐らく前世で共に過した仲間ブライアンとモルガだと私は気付いていた。


だからレオナルドもどこかにいるのではないかと、私はずっと思っていたのだ。


それから数日後の日曜日、4人でファミレスで会う事になった。


私と澪央は颯麻と琴弓の前で、距離を取り付き合いたてのカップルを装うかとも思ったが、それだとかえって不自然になり変な誤解を招くんじゃないかと言うことになり、そのままの私達を2人には見せる事にした。


「そのままでいいんだよな?」

「うん、いいよ、そのままで。急だから2人は驚くだろうけど」

「だろうな。仕方ねーから、いつもより少し璃花から離れててやるか」

「そうだね。澪央の少しが一体どのくらいなのか、分からないけど(笑)」


私と澪央は駅で待ち合わせをし、一緒に颯麻と琴弓の待つファミレスへと向かった。


すると私達が着く前に、2人はファミレスの入り口近くで既に待っていた。


手を繋いで現れた私達を見つけると、案の定2人は驚いた様子だった。


それもそのはず、今まで1度だって好きな人がいるだとか話した事のない私が、いきなり知らない男と手を繋ぎ2人の前に現れるんだから、それは驚くに決まってる。


その後4人で合流しとりあえず自己紹介を済ませ、中に入り席に着くと若干気まずい空気が流れたけど、琴弓が話を切り出した。


「2人は付き合ってるんだよね?」

「そうだよ。ねっ、澪央?」

「あぁ」

「出会ったばっかり何だよね?」

「うん、まぁね」

「それですぐ付き合うの?」

「タイミングとか関係ないと思うけど」

「いや、だからね、すぐ付き合うって言うのが…」


私の目の前に座った琴弓がいろいろ言ってる間、隣に座った澪央は暇なのか2人に見えないよう、私の手を握ったり指を触ったりしていた。


澪央は私にくっついて座らず、澪央なりに気を使ったようで少しだけ離れて、隣に座った。


颯麻はただ黙って、目の前の澪央の顔をずっと見つめていた。


「聞いてるの?璃花」

「聞いてるよ、すぐ付き合ったのが信じられないんでしょ?琴弓」

「そう、璃花ホントに好きなの?」

「好きだよもちろん、当たり前じゃん」

「あなたはどうなんですか?澪央さん」

「好きです、もちろん。なっ?璃花」

「うん、澪央」


澪央がそう言って隣に座る私の顔を見てきたので、私と澪央は微笑みながら見つめ合った。


「仲は悪くなさそうね」

「じゃあ認めてくれる?琴弓」

「まだよ。すぐ捨てるようなら承知しませんよ?澪央さん」

「捨てねーって」

「璃花、本当にいいの?この人で」

「いいって言ってるじゃん」

「乱暴な言葉遣いだし、まだ信じられない。ねっ?颯麻」

「そうだな、君のような人には渡したくないな、澪央」

「もう呼び捨てかよ、颯麻」


澪央と颯麻が見つめ合って何だか変な空気が流れ、私はちょうど琴弓の後の奥にあった時計が目に入り、お昼も近いなと気付き話題を変えたくて琴弓に言った。


「ねぇ、もうそろそろお昼だし何か頼もうよ?お腹すかない?」

「話そらさないで」

「そらしてない」


すると私の言葉を聞いた澪央がメニュー表を取り、私に渡してきた。


「ほらっ、好きなの頼め。おごってやる」

「ホントに澪央?」

「あぁ、ホントだ」

「やった〜、何頼もうかなぁ。澪央は何にする?」

「俺は璃花と同じのでいい」

「そっか、じゃあこれとかは?」


私は澪央にメニュー表を見せながら、何を頼もうかと話しかけた。


「いいけど、璃花はこっちの方が好き何じゃないのか?」

「あ〜、確かに。よく知ってるね」

「当たり前だろ」


そんな仲良くメニュー表を見ながら選ぶ私と澪央を見て、颯麻と琴弓は複雑な表情で目を合わせていた。


注文した商品が届き4人で食べ終えると、また澪央がメニュー表を私に渡してきた。


「ほらっ、どうせデザートも食いたいんだろ?好きに頼め」

「バレた?」

「璃花、甘いの好きだからな」


そんな私がメニュー表を見ていた時、さすがに琴弓が不思議に思ったようで私に聞いてきた。


「ねっ璃花、さっきから何かおかしくない?」

「何が?琴弓」

「いや、何かまだ2人出会ったばっかなんだよね?」

「そうだよ?」

「何でそんなお互いを、よく知ってるような感じなの?」


私は琴弓にそれを言われ、思わず澪央と顔を見合わせた。


お互いどちらかともなく笑ってしまい、私は琴弓の方を向きながら言った。


「私達は出会ったばかりだよ。すぐお互いの事なんて分かるわけないよ」

「まっ、そうだろうけど…」

「そうだよ、颯麻と琴弓の方が私と付き合い長いでしょ?」

「長いけどさ…」

「琴弓もデザート選べば?」


私は琴弓にメニュー表を渡しながら言った。


「えっ、うん。選ぶけど…」


私と澪央の事はとりあえず認めると言うことになり、その後ファミレスを出て私と澪央は颯麻と琴弓と別れた。


手を繋いで仲良く話しながら離れていく私達を見ながら、颯麻と琴弓は話していた。


「颯麻、あれは何?思ってたのと違いすぎる」

「そうだな、俺あの男の事ずっと見てたけど、あいつの頭の中、璃花の事しかないかもしれない」

「えっ、それ本当に?」

「あぁ、あれ引き剥がすの相当苦労するな」

「颯麻も大変ね。でもあの雰囲気は何なの?誰も踏み込めないような空気漂わせて」

「そうだな、不思議するぎ。俺らより璃花の事を知ってるような感じだったし」

「それおかしいよね?澪央っていったい何者?」


『俺が璃花と縮められなかった距離を、簡単に縮めやがったあの澪央とか言うやつ。璃花を横からかっさらってくし。一体どうなってんだよ』


璃花と澪央の小さくなる背中を見つめながら、拳を握りしめ颯麻はそう思っていた。


その頃、私と澪央も2人の事を話していた。


「ねっ、ブライアンとモルガだったでしょ?」

「あぁ、だな。間違いないな」

「でもお互いよく知ってる感じとか言われた時はヒヤヒヤした」

「俺も。やっぱ表に出るんだな、そういうの」

「まぁ、それは仕方ないか。だって結婚してたんだもん。お互いの事、知り尽くしてて当たり前だし」

「そうだな」

「私達が仲が良いって2人に伝わったかな?」

「あぁ、たぶんな」

「ところでこれからどこ行くの?」

「俺の家、早く璃花に触れたい。いいよな?」

「デートするのかと思った」

「デートしてるだろ?」

「今?」

「そうだ」

「今は移動じゃないの?」

「移動もデートだろ?」

「そうなの?」

「そうだ」


そして澪央の家に着くと、また家の中には誰もいなかった。


「親あんま家にいないの?」

「あぁ、まぁな」

「そっか」


澪央の部屋に入り、テーブルの前に座るとすぐに話しかけられた。


「スマホ出せ」

「えっ、うん、はい」


私はバッグからスマホを取り出し、澪央に渡した。


澪央は慣れた手付きで私のスマホをいじり始め、私と自分のスマホに互いのGPSを付け居場所を見れるようにした。


「そういうの得意なの?」

「まぁな」

「ふ〜ん」

「ほらっ、これで俺の位置分かるから」


澪央は私にスマホの画面を見せながら渡してきた。

画面には地図があり、私と澪央の位置が同じ場所に表示されていた。


「ホントだ。私これから監視されちゃうんだ」

「何か都合悪いの?」

「いいえ、別に」


そのあと澪央は私を抱き寄せて話しかけきた。


「1週間って長いな」

「そう?」

「早くこうやって璃花に触れたかった」

「そうだね」

「今度はどこか行くか?」

「うん、行く!」

「どこがいい?」

「う〜ん、普通に街に行けば、行き先も決まるんじゃない?」

「そうだな、璃花がそう言うなら」


澪央がキスをしようと私の頬に手を当てながら顔を近付けてきた瞬間、澪央の部屋のドアが開き男の人が数歩部屋の中へと入ってきた。


「兄貴、いる?」


部屋へと入ってきた人と私と澪央は目が合い、するとすぐに澪央が言った。


「出てけ海翔かいと!」

「…すみません!」


入ってきた男の人はそれを聞き、慌てた感じですぐに出ていきドアも閉めた。


「いまの人、誰?」

「弟」

「そうなんだ。何か用があったんじゃない?」

「いいって別に」


澪央は私が次を話す前に、抱き寄せ深く口付けてきた。


「キスマーク消えたのか?」

「まだ薄っすらある、ファンデで見えないように隠してる」

「そうか」

「付けないでね。親に聞かれたら困るから」

「分かった、俺の印象落ちるから見えるとこは付けない」

「見えないとこに付ける気?」

「あぁ」

「付けなくていい」

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