再会
私は必死で堪えていた涙に耐えられなくなり、校舎の裏の方に行き1人で泣いていた。
『どうして私だけ記憶があるの…?もうこんな記憶いらない…』
そう思っていたその時だった、私を誰かが後ろから抱き締め声をかけてきのだ。
「オリビア」
「レオ?思い出したの?」
「今思い出した。ごめん」
私を後から抱き締めてきたのはレオだった。
「そうだよ、私のこと先に見つけるって言ったじゃん」
「あぁ、そうだったな。言ったな」
「ヒドイよ、忘れるなんて(泣)」
「ごめん、本当にごめん。オリビアを忘れるなんて、どうかしてた」
私は振り返って、レオの頬に両手を当て顔を覗きながら言った。
「よく顔見せて。レオだ、本当にレオだ」
するとレオは私を強く抱き締めてきた。
「あぁ、間違いない。お前はオリビアだ」
「私達また会えたんだね」
「あぁ、会えた。また会えた」
レオは少しだけ私を離し、私の顔を見ながら話しかけてきた。
「だけどお前、男いるだろ?」
私は涙を拭きながら、レオの質問に答えた。
「男?男なんていた事ないけど?」
レオも私の涙を指で拭いながら言った。
「じゃあ、この間一緒に歩いてたの誰だよ?」
「この間?あっ、颯麻の事?颯麻は幼馴染み。だからなにもないよ」
「あいつが今の幼馴染みかよ」
「そうだよ、レオじゃないの」
「じゃあまだ、今はキスしてないのか?」
「してない」
それを聞いたレオは、私を抱き寄せキスをしすぐに舌を絡ませてきた。
「今度こそファーストキスもらった」
「最初からディープって」
「いいだろ別に」
私達は互いの腕に軽く触れ合い見つめ合いながら、そのままお喋りを続けた。
「じゃあレオはどうなの?」
「俺がお前、以外の女に興味あると思うか?」
「そうだね」
「今の名前なに?」
「りか、栖咲璃花。レオは?」
「磁月澪央」
「レオは澪央なんだ」
「あぁ」
「もっと話したいけど、もうすぐ試合始まっちゃうよ?」
「なら、連絡先だけ教えろ」
「分かった」
私達はその場で連絡先を交換し、試合開始の時間も迫っていたため急いで体育館へ向かった。
「待て!」
「えっ?」
体育館に入る手前で私は澪央に引っ張られ、入り口の影で澪央が私の前に立ち周囲から見えないようにすると、キスをされた。
「キス魔かわってない」
「うるせっ」
その後はあまりよく覚えてなくて、とにかく試合中、澪央が活躍してたって記憶がある。
試合後家に帰ると、さっそく澪央から電話がかかってきた。
「明日ひまか?」
「うん、予定ないけど」
「うちに来い。誰もいないから」
「分かった。後で住所送って」
「あぁ、待ってる」
次の日の午前9時頃に私は家を出て澪央の家へ向かった。
『昨日の今日でもう家か…』
そんな事を考えながら、私は電車に揺られ澪央の家へと向かった。
澪央の家の最寄駅に着くと、澪央が既に駅で待っていた。
「璃花」
「何か澪央にその名前、言われるの慣れない」
「俺もだ」
私は澪央に手を繋がれ、そのまますぐに澪央の家に向かった。
「ここだ」
「ここ?大っきくない?」
「そうか?普通だろ」
私の目の前には大きなマンションが建っていた。
家の中へと入り、私は澪央の部屋へ通された。
「澪央の部屋だ」
私は初めて入る澪央の部屋が凄く嬉しくて、キョロキョロと見渡した。
(※レオナルドが騎士になる前は、兄弟と同じ部屋でレオナルド1人の部屋はなかった。騎士の時は団長になってから宿舎が1人部屋だったが、関係者以外立入禁止でオリビアが部屋に行く事はなかった)
「嬉しいのか?」
「うん、だって前は私の部屋でいつも会ってたから」
「そうだったな」
「うん」
私達は澪央の部屋に入るとすぐに抱き締めあった。
「澪央…」
「璃花…」
「本当に本当に、澪央なんだね」
「あぁ、そうだ」
「ねぇ、私達死んだんだよね?」
「あぁ、死んだ。それでなぜかまた会った」
「何で私達、前世の記憶があるの?」
「分からない、だけどそれでまた会えた」
「そうだね。神様がまた会わせてくれたのかな?」
「そうかもしれないな。璃花」
澪央は抱き締めていた手を少し緩め、私の顔を覗き目を見ながら言った。
「愛してる」
「私も愛してる」
私達は口付けを交わし、その後私は澪央の部屋のベッドに寝かされた。
「いいよな?」
「うん、いいよ」
「ゆっくりやるけど、痛かったら言えよ?」
「分かった」
澪央は私に優しく触れながら舌を這わせていった。
私は澪央の事だから家に呼ばれた時点で何となくこうなるだろうなと、予想をしていたのであまり驚かなかった。
それに私達は恐らく、また会えたことが嬉しくて互いにもっと触れ合い、相手を確認したかったんだと思う。
その後ベッドの下で寄り添いながら、たくさんお喋りをした。
「体大丈夫だったか?」
「まぁまぁ。でも思ってたよりは平気だった」
「そうか良かった。昔の記憶思い出して慣らしたからな」
「恥ずかしいこと言わないで」
「照れやがって。なぁ璃花、俺たち結婚したのこれくらいの歳だよな?」
「うん、そうだね。このくらいだね」
「やりまくってたよな」
「確かに、ほぼ毎日してた気がする」
「よく子供出来なかったよな」
私はそれを聞き、ある事を思い出して澪央に話を切り出した。
「あのね澪央」
「何だ?」
「最後の闘いの前、終わったら話したい事あるって言ったの、覚えてる?」
「あぁ、言ってたな。何だったんだ?」
私はあの時レオに言えなかった事を、意を決して言った。
「出来てたの」
「何が?」
「レオと私の赤ちゃん、お腹の中にいたの」
「えっ…!」
「あの日に分かったの、だから言えずに…」
「そうだったのか…」
「うん、でも産めなかったけどね」
「そうだな、そうか…」
澪央は側にいた私を抱きしめて言った。
「璃花、今度こそ幸せにするから」
「うん」
「そしたら、いずれまた、なっ?」
「うん、そうだね。きっとまた会える」
「あぁ、今度こそ会える。絶対に」
「でも澪央、私は前も十分幸せだったよ」
「それは、俺もだ璃花」
「てか私達、昨日今日でいろいろ展開早すぎない?」
「言われてみればそうだな」
「でもいい、澪央がいる。それだけでいい」
「あぁ、俺も璃花が側にいれば十分だ」
「そうだ澪央」
「何だ?」
澪央は私を抱き締めていた手を緩め、隣に座り直し私を抱き寄せた。
「私達がいた世界ってさ」
「間違いなく存在したな」
「そうだよね?あったんだよね?」
「あぁ、じゃなきゃ今俺達が同じ記憶持ってんの、おかしいからな」
「じゃあ、もう…」
「ないだろうな」
「やっぱりそうだよね…」
「だから俺達が覚えておこう。あいつらのためにも」
「うん、そうだね。私達は覚えておこう」
「あぁ」
私と澪央はこの前世での記憶を、皆んなのためにもずっと覚えておこうと約束をした。
そのあと私達は澪央の家の台所に行って、2人で一緒にお昼を作って食べ、また澪央の部屋に戻った。
「璃花」
「んっ?」
「璃花」
「もう何?」
澪央の部屋に戻ると、澪央は嬉しそうに私を後から抱き締め声をかけてきた。
「会えてよかった」
「そうだね、また一緒にいられるね」
「あぁ、いられる。バスケ部のマネやってんの?」
「昨日は頼まれただけ。普段はしてない」
「そっか、何かそんなようなこと聞こえたな」
「それにマネやってたら敵に澪央いるのに、どっち応援したらいいか分かんなくなる」
「お前は俺を見てればいい」
「うん、澪央を応援する。てか昨日活躍しすぎでしょ?」
「璃花いたから頑張った。惚れたか?」
「うん、澪央カッコ良かった。でも今度は怪我とかしても治せないから、無理はしないでね?」
「今ここで聖女やってたら逆に引く」
「ですよね」
「なぁ」
「んっ?」
「もっかいしていい?」
「でた、澪央のおはこ」
「いいじゃん」
「本当に頭の中それだけなんだから」
「今までは違う。昨日璃花と会ってから、めっちゃそういう気持ち出て来た」
「これからまた前みたいな、生活なるんだろうな…」
「じゃあいいの?」
「いいよ、えっ、ちょっと…」
澪央は私をお姫様抱っこして、ベッドの上に寝せると私の上に覆いかぶさった。
「相変わらず可愛いな璃花は」
「澪央も変わらず格好いいよ」
「まだ慣れないだろうから、ゆっくりやるからな」
「うん、ありがと」
私達は深く口付けを交しながら、澪央は私の着ていた服を脱がせ、自分の服も脱いだ。
しばらくしてから私はベッドを抜け、床に座り澪央に背を向けながら脱げた服を着ていた。
そんな私に澪央は後から話しかけてきた。
「帰るのか?」
「うん、今は前と違って家族とも仲いいし」
「そうか。いつでも来い、待ってるから」
「そしたら澪央の家族に会っちゃうよ?」
「いいよ、紹介するから。将来の嫁だって」
「分かった。じゃあ家にもそのうち来て?紹介するから」
「あぁ、行く」
すると澪央もベッドから抜けると、私に後から抱き着いてきた。
「本当に帰るのか?」
「帰るよ、だってここ私の家じゃないもん」
「そうだな…、早く前みたいに璃花と一緒にいたい…」
「そうだね、一緒にいたいね」
「俺と一緒にいてくれるんだよな?離れたいって言わないよな?」
「言わないよ、澪央とずっと一緒にいるよ」
「よかった…」
「澪央は変わってないね、安心した」
「璃花も全然変わってない」
私は澪央に顔を横に向けさせられキスをされると、澪央は私の前に移動し今度は正面から抱き締めてきた。
「もう澪央、着替えられないでしょ?」
「璃花好きだ」
「私も好きだよ澪央」
そう言いながら私は澪央を抱きしめ返した。
「そういえば名前、普通に璃花って呼ぶね?」
「あぁ、オリビアより璃花の方が言いやすい」
「璃花だと短いしね」
すると抱き締めていた手を緩め、澪央は私と目を合せ頬に手を当てながら言った。
「俺の中でお前は、いつまでもオリビアだけどな」
「私も同じ、澪央はいつまでも、あの頃のレオナルドだよ」
「お前はレオナルドって言うな、レオって呼べ」
「だって私だけ前と呼び方、違うんだもん」
「そりゃそうだろ、日本人でオリビアなんて名前いねーからな」
「それはそうだけどさ。てか服着てもいい?澪央も服着たら?風邪引いちゃうよ?」
「キスしたらな」
「キス魔、本当変わんないね」
「うるせっ」
私は抱き寄せられながら深く口付けられ、その後私達は着替をすませた。
私は澪央に駅まで送ってもらい、別れの挨拶をした。
「またね澪央」
「あぁ、またな璃花」
繋いでいた手を離し、私は改札口を通り振り返って笑顔で手を振ると、澪央も笑顔で手を振っていた。
私は家へ帰るなり自分の部屋のベッドにそのまま寝っ転がり、胸に手を当てながら今日の事を考えていた。
『澪央ホント全然変わってない。ビックリするほど変わってなかった。こんな事ってある?でもそのおかげでまた会えた。オリビア、この胸の痛みは甘い痛みだったんだね』
そんな事を考えていた時、澪央から電話がかかってきた。
私はベッドの上に身体を起こして起き上がると、すぐに電話に出た。
「もしもし」
「家ついたか?」
「着いたよ」
「着いたら、ちゃんと連絡よこせ」
「はいはい分かりましたよ。もう澪央、過保護すぎ」
「GPSつけるの忘れた。次会ったらやるから」
「そこまでやるの?」
「やる、嫌か?」
「ううん、別に見られて困ることもないし。澪央なら言いそう」
「俺のもしてやるから、これなら文句ないだろ?」
「うん、そうですね」
私はふと電話をしながら、鏡に映る自分の姿が目に入った。
「あっ!何コレっ!」
「どうした?何かあったか?」
私は電話をしながらベッドから下り、鏡の前に行き首を触りながら澪央に聞いた。
「ねぇ、首の付け根にキスマークあるんだけど」
「何だよ、そんな事かよ」
「そんな事って…、もう私いま消せないのに」
「いいだろ、そのままにしとけ。お前は可愛すぎるから、男避けだ」
「もう、次は付けないでよね」
「それは分かんねーな」
「親にだって見られるんだよ?」
「あっ、それ考えてなかった」
次回からこの番外編は、完全に恋愛だけになって行きます。
物語には全く関係ありません。
璃花と澪央のラブラブ熱々な日常がかなり続きます。
書いていたらだいぶ?いや相当?長くなってしまったので、もうしばらくの間お付き合いください。
今後は2人を楽しみたい方だけにオススメします(*^^)




